ぶどうの品種は、その多彩な形状や色合い、風味の違いで私たちを楽しませてくれます。その中でも、ひときわ目を引くのが「マニキュアフィンガー」です。山梨県の植原葡萄研究所で開発されたこの品種は、独特のグラデーションカラーと長楕円形の果粒が特徴的で、その美しい見た目と上品な味わいで人気を集めています。今回は、この特別なぶどう「マニキュアフィンガー」について詳しくご紹介します。
マニキュアフィンガーとは
山梨県の植原葡萄研究所にて「マニキュアフィンガー」という品種が開発されました。親の品種は「ユニコーン」と「バラディ2号」で、このぶどうが初めて結実したのは1988年です。
このぶどうの果粒は長楕円形をしており、果皮の色が黄色から赤紫色へと変わるグラデーションが特徴的です。その美しい色合いから、「マニキュアフィンガー」という名が付けられました。時には根元部分まで赤紫色になることもあります。
果皮は薄く、皮ごと食べられるので便利です。果肉は引き締まっていて、パリッとした食感が楽しめます。甘みがしっかりとありながらも適度な酸味が含まれており、さわやかな甘酸っぱさを感じることができます。粒の重さは約10~13gで、房全体の重さは400~600g程度です。
最適なマニキュアフィンガーを選ぶポイント
粒がしっかりとした質感で果皮に張りがあり、先端部分が深い赤紫色に染まっているものが良い選択です。マニキュアフィンガーは軸の根元が黄色から黄緑色に変わる特性があるため、全体が赤紫色でなくても問題ありません。軸が乾燥しているものや果皮にしわが見られるものは鮮度が落ちています。
マニキュアフィンガーの適切な保管法
直射日光を避けた涼しい場所か、冷蔵庫の野菜室に保管しましょう。乾燥を防ぐために新聞紙やラップで包んだり、ポリ袋に入れたりすると良いです。適切に管理すれば3~4日ほど保存可能ですが、早めに食べるのがベストです。
マニキュアフィンガーを楽しむ方法
マニキュアフィンガーは皮をむかずにそのまま味わえます。数時間冷蔵庫で冷やし、洗ってから食べると爽やかです。また、凍らせるとシャーベットのような食感を楽しめます。
果皮の美しいグラデーションを活かして、ケーキやパフェの上に飾るのも素敵です。種がある場合は半分に切って種を取り除いてからトッピングすると食べやすくなります。
レディースフィンガーとゴールドフィンガーの違い
「フィンガー」という名を持つブドウには、「マニキュアフィンガー」以外にも、「レディースフィンガー」や「ゴールドフィンガー」が存在します。
「レディースフィンガー」は、「ピッテロビアンコ」と呼ばれる緑色のブドウで、その別名は「淑女の指」。この名の通り、細長く尖った形状が特徴的で、甘みがありつつ酸味が少なく、皮ごと食べることが可能です。
さらに、「ゴールドフィンガー」は「ピアレス」と「ピッテロビアンコ」の交配から生まれ、山梨県で育種されたものです。ピッテロビアンコよりも少し黄色味のある皮を持ち、果汁が豊富で糖度の高いブドウで、こちらも皮を剥かずに食べられます。
マニキュアフィンガーの季節
マニキュアフィンガーの収穫は9月の半ばから始まります。