マスカットの種類とは?知っておくべき品種と特徴

マスカットは、その豊かな香りと甘味で世界中の人々を魅了しています。しかし、ひと口にマスカットと言っても、さまざまな種類や特性が存在します。本記事では、マスカットの基本的な品種の特徴や、それぞれの魅力について詳しくご紹介します。例えば、一部のマスカットは特定の地域でしか育たず、他のものとは異なる味わいや香りを持っています。この記事を読めば、マスカット選びの楽しみがさらに広がることでしょう。

ぶどうの品種とは?

果物のぶどうは、大きく白ぶどう、赤ぶどう、黒ぶどうの三種類に分類されます。それぞれの特徴や違いについては知っていますか?

白ぶどう

黄緑色の果皮を持つぶどうは、一般的に白ぶどうに分類されます。白ぶどうは、赤や黒のぶどうに比べてポリフェノールの含有量が少なく、渋みやえぐみが少ないため、皮まで美味しく食べられます。

マスカットとは、香り高いマスク(MUSK)の香りが特徴の品種を指します。「ハニービーナス」という緑色のぶどうが存在しますが、これはマスカットの香りがないため、白ぶどうとされています。

赤ぶどう

赤い果皮を持つぶどうは、一般的に赤ぶどうとして知られています。その味わいは、白ぶどうに比べて酸味より甘みが強い種類が多いです。特にデラウェアは、赤ぶどうの中でも非常に人気が高いです。

紅マスカットはその名にマスカットを含んでいますが、赤色の果皮を持つため赤ぶどうに分類されます。この品種は、マスカット・オブ・アレキサンドリアからの自然な突然変異によって生まれました。果皮の色を除けば、ほとんどの特性はマスカットを引き継いでいます。

黒ぶどう

果皮が黒色に近いぶどうは、黒ぶどうとして分類されます。その中でも、巨峰は「ぶどうの王様」として広く知られています。黒ぶどうは、一般的に大粒のものが多く、深みのある味わいが特長です。

黒ぶどうの仲間には、ブラックシャインマスカットがあります。この品種は、シャインマスカットとウインクを交配して生まれたものです。甘味が特に濃厚で、「ハチミツのような甘さ」と評されることもあります。

マスカットの主要な生産地

日本国内では山梨県、長野県、岡山県、山形県の4県がマスカットの主要な生産地として知られています。これらの県はぶどうの生産量でも上位を占め、マスカットの生産においても重要な役割を果たしています。

マスカットの生産割合は、山梨県が29%、長野県が27%、山形県が続いています。

人気のマスカット品種とその魅力

マスカットの注目品種を紹介します。興味を持った品種は、インターネットで探してみてください。

シャインマスカット

人気のマスカット品種としてシャインマスカットが第1位に輝いています。知名度は高いですが、この品種は平成18年に登録されたばかりの比較的新しいもので、ぶどう安芸津21号、マスカット・オブ・アレキサンドリア、白南を交配させて育成されました。

ヨーロッパぶどうとアメリカぶどうの組み合わせにより、香りや食感がよく、皮ごと食べられる利点と栽培のしやすさも合わせ持っています。

1房は通常400〜500gあり、粒は約11gと巨峰と同じくらいの大きさです。糖度は約20と高く、酸味が少ないため、食べた瞬間に豊かな甘味が広がります。肉質はしっかりとしており、歯切れもよく、マスカット特有の香りが楽しめます。

シャルドネ

白ワインの女王として広く知られるぶどう、シャルドネ。その高い知名度と人気から、世界中で多くの人々に愛されています。

シャルドネは小ぶりなデラウェアに近い品種です。特有のマスカットの香りはほとんど感じられず、時にシャインマスカットよりも甘くなることがありますが、酸味が強いため、口に入れた際に酸っぱさを感じることも少なくありません。ワインの主要な原料として活用されることが多い品種と言えます。

ナイアガラ

日本の北部で主に栽培されているナイアガラは、ぶどう愛好者たちから高い評価を受けています。この品種はアメリカで開発されたもので、明治時代に日本に持ち込まれました。

その甘さと豊富な果汁、マスカット特有の香りが特徴です。1粒の重さは約4gと小ぶりで、種を含んでいます。果肉はやや柔らかですが、皮が容易に剥けます。生食よりも、ジュースや白ワインの材料として広く活用されています。

瀬戸ジャイアンツ

岡山のぶどう研究所では、グザルカラーとネオ・マスカットを掛け合わせて、瀬戸ジャイアンツが誕生しました。このぶどうは岡山で生まれたため、桃太郎ぶどうという別名で知られ、商標登録もされています。

薄い皮を持ち、噛むとパリッとした食感が楽しめ、口の中には爽やかな酸味と甘さが広がります。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

通常、マスカットという名称は、マスカット・オブ・アレキサンドリアを指しています。このエジプト生まれの品種は、宝石のような美しい見た目に加え、特有の素晴らしい香りと、甘さの中に爽やかな酸味を持つことで知られています。そのため、見た目、味、香りのどれをとっても際立っており、果物の女王と称されています。

ロザリオビアンコ

1976年に山形県で誕生したこのぶどうは、ロザキとマスカット・オブ・アレキサンドリアの交配によるものです。露地栽培が可能で、大粒で高級なぶどうとして生産者に支持されており、その美味しさからシャインマスカットと並ぶ人気を持っています。

粒のサイズは8~15gと大きく、1粒で十分な満足感があります。甘みが強く、酸味が控えめなため、糖度以上に甘さを感じることができます。しかし、マスカット特有の香りがない点が惜しいところです。

ネオマスカット

マスカット・オブ・アレキサンドリアと甲州三尺の交配によって生まれたこの品種は、1粒の重さが約10グラムと大きく、鮮やかな黄緑色が魅力的です。酸味が控えめで上品な甘さが楽しめます。アレキサンドリアと比べて栽培が容易で、ネオマスカットの方がより手頃な価格で手に入ります。

マスカット・ジパング

岡山県でロザリオビアンコとアリサが交配されて生まれた新しい品種、マスカット・ジパングは2014年に公式に品種登録されました。その特徴的なマスカットの芳香に加え、種がなく、皮ごとそのまま食べられるのが魅力です。

その粒の大きさには驚かされます!大きいものでは1房あたりの重さが1kgを超えることもあり、一粒が50g近くになることも。ピンポン玉を超えるサイズのマスカット・ジパングも存在します。皮は極めて薄く、食べるとパリッとした食感と共に、ジューシーな果汁が口いっぱいに広がります。

岡山県の生産者だけがこの品種を栽培することを許可されており、他の地域では作られていません。

オータムキング

オータムキングはアメリカで育てられているライトグリーンの色をした白ぶどうです。この品種は晩生種で、その旬は10月の後半から12月にかけて訪れます。

種がないため、皮ごと食べることができ、大きなものは500円玉ほどのサイズに成長します。食感はパリッとして心地よく、強い甘みが際立つのが特徴です。

マスカット