食卓に彩りと風味を添えるニラ。実は様々な品種があり、それぞれに個性的な特徴があることをご存知でしょうか?この記事では、代表的なニラの種類と選び方のポイントを徹底解説。ニラの新たな魅力を発見し、日々の食生活を豊かにしてみましょう。
ニラの旬の時期は?
一年を通して手に入るニラですが、特に美味しい時期は春です。夏には炒め物、冬には鍋物と、様々な料理に使われますが、春のニラは風味も豊かで栄養も満点。ぜひこの時期に味わってみてください。
ニラは、珍しい多年草の野菜で、同じ株から3年以上収穫できます。株分けを丁寧に行えば、4~5年も収穫が可能です。一度収穫しても約2か月で再び収穫できるほど成長が早く、冬場を除けば春から秋まで長く楽しめる野菜と言えるでしょう。
ニラの種類
ニラには大きく分けて3つの種類があります。葉ニラ、黄ニラ、そして花ニラです。私たちが普段よく目にするのは葉ニラでしょう。どの種類を選ぶにしても、店頭では葉が厚く、切り口がみずみずしいものを選ぶのがポイントです。ニラは鮮度が落ちやすい野菜なので、購入時には新鮮さを見ることが重要になります。
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葉ニラ
通常、スーパーマーケットで見かける緑色の葉を持つニラは、葉ニラと呼ばれます。葉ニラはその葉の幅によって、大葉種と小葉種に区別されます。小葉種は、暑さに強い性質を持つ日本在来の品種で、大葉種に比べて葉が細く、独特の強い風味があります。しかし、現在では大葉種が広く栽培されており、小葉種のニラはほとんど見られなくなりました。どちらのタイプも、冬の期間は休眠状態に入ります。
葉ニラは、豊富なビタミンを含み、油との相性が抜群です。そのため、レバニラ炒めやその他の野菜炒めによく使われる他、スープやおひたし、鍋物など、様々な料理に活用できます。ニラの香り成分であるアリシンは、ビタミンB1の吸収を助け、糖質の分解を促す効果や、肉の臭みを消す効果があると言われています。そのため、刻んだニラをひき肉と混ぜて餃子の具材として使うのも一般的です。葉ニラの持つ効能を最大限に引き出せるよう、工夫を凝らして日々の食卓に取り入れてみましょう。
黄ニラ
黄ニラは、光を遮断して育てられた特別なニラです。日光を浴びせないことで葉緑素の生成を抑え、独特の黄色い葉に変化します。一般的なニラに比べてアクが少なく、かすかな甘みが感じられるのが特徴です。
栽培に手間がかかるため、黄ニラは市場に出回ることが少なく、希少価値の高いニラとして知られています。もし家庭菜園でニラを育てているなら、黄ニラの栽培に挑戦してみるのも面白いでしょう。
黄ニラの栽培は、最初の年は通常のニラと同じように育て、株を大きく育てます。収穫はせずに、株を充実させることに専念しましょう。2年目以降は、収穫後の株にダンボールなどを被せて約1ヶ月間遮光します。これにより光合成が抑制され、美しい黄色のニラを育てることができます。
花ニラ
食用とされる花ニラは、開花前のつぼみを持つ花茎の部分です。以前は葉ニラのつぼみを食用としていましたが、近年ではマルイチポールやテンダーポールといった、花ニラとして利用するための専用品種が栽培されています。
ニラの花が咲くのは初夏から晩夏にかけてなので、花ニラの旬は5月から9月頃と言えるでしょう。葉ニラと同様に、植えてから2~3年と長く収穫できるのも特徴です。中華料理を中心に、炒め物など様々な料理に利用されています。
なお、「花ニラ」という名前を持つ植物には、観賞用の園芸品種も存在します。アイフェイオンとも呼ばれるこの品種は、写真のように花茎の先に白や薄紫、水色の花を一つずつ咲かせます。こちらは毒性があり、食用には適さないので注意が必要です。