旬のねぎを味わい尽くす!旬や種類を徹底解説

ネギは、日本の食卓に欠かせない野菜の一つです。薬味として料理の風味を引き立てるだけでなく、鍋料理や炒め物、味噌汁の具材としても活躍します。その種類や食べ方は地域によって異なり、東日本では白い部分を主に食べ、西日本では緑の部分を好む傾向があります。

また、古くから日本に伝わる食材であり、奈良時代にはすでに栽培されていた記録が残っています。江戸時代には「千住ネギ」や「九条ネギ」などの品種が確立し、現代に至るまで各地で多様なネギが育てられています。

本記事では、ネギの種類や旬、代表的な品種について詳しく解説し、ネギの魅力を存分にお伝えします。

ネギとは

ネギは、地域によって食される部分が異なり、東日本では主に白い部分を、西日本では緑の部分を食す傾向があります。緑色の部分は緑黄色野菜としても知られています。

その歴史は古く、奈良時代に日本へ伝来して以来、各地で栽培されてきました。大きく分けて、白い部分を食べる根深ネギ(長ネギ)と、緑の葉を主に食べる葉ネギ(青ネギ)があります。以前は、東の千住ネギ、西の九条ネギとして明確な違いがありましたが、現在では地域差は薄れ、用途に応じた選択が可能です。根深ネギは加熱することで甘みが増し、葉ネギはβ-カロテンをはじめとするビタミンが豊富です。

ネギの旬はいつ?

ネギは、中国西域から中央アジアに広がるアルタイ山脈やバイカル湖周辺が発祥の地とされています。古代中国ではすでに栽培されており、『山海経』や『礼記』といった古典にもその名を見ることができます。

日本へは古く、5世紀頃には「秋葱」として記録されており、8世紀には広く伝わっていたと考えられています。江戸時代には各地で栽培されるようになり、日本の食文化に深く根付いていきました。

現在では一年中手に入るネギですが、寒冷地が原産であるため、旬は冬です。特に11月から2月にかけては出荷量が増加し、最も美味しい時期とされています。

中でも12月は取引量がピークを迎え、約5万トンものネギが市場に出回ります。寒さの中で育った冬のネギは、太く柔らかく、風味豊かで品質が良いとされています。

ネギの種類

ネギは大きく分けて、関東で親しまれてきた根深ネギ(白ネギ)と、関西で愛されてきた葉ネギ(青ネギ)の2種類があります。

白ネギは、白い部分を食用とする長ネギとも呼ばれる品種です。生育中に土寄せを繰り返すことで、白く柔らかい部分を長く育てます。一方、青ネギは緑色の葉を主に食し、全体的に細長いのが特徴です。元来、青ネギは寒さに弱い性質から西日本での栽培が中心でした。

近年、ハウス栽培の普及により、東日本でも青ネギが栽培されるようになり、地域ごとの嗜好の差は薄れつつあります。

以下では、白ネギの代表的な品種である加賀ネギと千住ネギ、そして青ネギの代表的な品種である九条ネギと万能ネギについて、詳しく解説していきます。

千住ネギ

普段スーパーで見かける白ネギ、それは千住ネギかもしれません。現在では全国で栽培されていますが、江戸時代には足立区周辺の千住でのみ栽培され、貴重な江戸野菜として珍重されていました。

下仁田ネギ

下仁田ねぎは、群馬県下仁田町でのみ栽培される希少な白ねぎです。「上州一本ねぎ」や「殿様ねぎ」とも呼ばれ、その太く短い形状が特徴です。一般的には、白い部分のみを調理に使用します。

生のままでは強い辛味がありますが、加熱することで甘みが増すため、鍋料理や煮込み料理によく用いられます。

栽培が難しく、収穫期間も限られているため、市場に出回る量は多くありません。その希少性から、贈答品としても重宝されています。

九条ネギ

京野菜の一つ、九条ネギは、かつて京都市下京区の九条村一帯で盛んに栽培されていました。太く濃い緑色の「九条太」と、やや細身で黄緑色の「九条細」という二つの種類があります。その特徴は、葉の柔らかさと、とろけるような独特のぬめり。和え物、薬味、鍋物など、様々な料理でその風味を活かすことができます。

伝統的な栽培方法では、秋に種をまき、春に苗を植え替えます。夏には一度株を掘り上げ、約一ヶ月間天日干しに。そして再び植え付けを行い、晩秋にようやく収穫を迎えます。この手間暇かけた栽培方法による九条ネギは、現在では非常に貴重なものとなっています。

万能ネギ

香味野菜として知られる万能ネギは、福岡県JA筑前あさくら産の青ネギの登録商標名です。

独特の香りと保存性の高さで広く愛されており、薬味としての利用は勿論、煮込み料理や炒め料理など、様々な用途で重宝されています。

ねぎ