サクサクのタルト生地は、美味しいタルトを作る上で欠かせない土台です。この記事では、プロのパティシエが、基本のタルト台の作り方から、アレンジを加えた応用テクニックまで、余すところなくご紹介します。甘いタルトはもちろん、お食事系タルトにも応用できる万能レシピをマスターして、あなたのタルト作りをワンランクアップさせましょう。ポイントを押さえれば、初心者でも失敗知らず!ぜひ、ご家庭で絶品タルトを焼き上げて、大切な人と特別な時間を楽しんでください。
タルト生地をおいしく仕上げるポイントは3つ!
1. 材料は全て、事前に冷蔵庫でしっかりと冷やしておきましょう。2. タルト生地は、作成後一晩寝かせることで、より美味しくなります。3. 底が取れるタイプのタルト型を使用する際、底板は使わずに焼いてください。
[point1]材料はすべて事前に冷蔵庫で冷やしておきましょう!
タルト生地を作る前に、大切な準備があります。それは、材料を全て冷蔵庫で冷やしておくことです。バターは常温に戻して柔らかくしてから、粉類と混ぜるのが普通だと思う方も多いでしょう。それも一つの方法ですが、このレシピではバターやアーモンドパウダーなど油脂分の多い材料をたくさん使うので、冷やしておいた方が生地が扱いやすく、ダレるのを防げるのです。柔らかくしたバターを泡立て器で混ぜると、空気が入りやすくなり、サクサクした食感になります。しかし、その分もろくなり、バターの風味も感じにくくなってしまうんです。
[point2]タルト生地は「一晩」冷蔵庫で寝かせる!
生地がまとまったら、ラップで包み冷蔵庫で一晩寝かせます。しっかり寝かせることで、生地の水分が均一になり、べたつきが軽減されるので、格段に扱いやすくなります。伸ばす作業をスムーズにするために、寝かせる前に、焼く型に合わせて丸く形を整えておきましょう。寝かせるときは、乾燥を防ぐために、ラップでしっかりと包んでください。この状態で密閉袋に入れておけば、冷凍庫で約2週間保存することもできますよ。
[point3]底取れタルト型の「底板」は使わない!
いよいよ核心部分です!タルト生地のサクサク感を左右する“焼き”について説明します。底がある型の場合、ピケをしないと空気が抜けず、生地が浮いたり、生焼けの原因になるので必須です。でも、サクサク感をさらに高める秘策があるんです!それは、底が取れるタルト型の“底板”を使わず、シルパンに直接置いて焼くんです。シルパンで余分な水分が蒸発し、生地全体がしっかり焼け、よりサクサクに仕上がります。
タルト生地を美しく伸ばす秘訣
生地を一晩寝かせたら、次はラップで挟んで伸ばしましょう。通常は打ち粉を使いますが、ラップで挟むことで生地が滑りやすくなり、指の跡もつきにくくなります。さらに、打ち粉の使いすぎで生地が硬くなるのを防ぐ効果もあります。めん棒を使う時は、生地を手前に置き、少しずつ回しながら一方向に伸ばすと綺麗に円形になります。ある程度伸ばしたら、ルーラーを使って3mmの厚さにしましょう。ラップが生地にくっついたままだと伸ばしにくいので、適宜剥がしてください。
タルト型側面に生地を均一に密着させるコツ
タルトの側面を美しく焼き上げる秘訣は、生地の敷き込み方にあります。まず、生地は型の真ん中にそっと置きましょう。縁に当たって破れないようにするためです。次に、側面を立ち上げた生地を内側に折り込み、型に垂直になるように隙間なく敷き詰めます。余った生地は、めん棒で上から転がすだけで綺麗に切り取れます。切り落とした生地は焼いてクッキーとして美味しく食べられます。型の角に生地を馴染ませたら、指の腹で優しく型のくぼみに押し込みます。ここが甘いと、焼き上がりに穴ができてしまうんです。生地を触りすぎると扱いにくくなるので、もし柔らかくなってしまったら冷蔵庫で冷やしましょう。手早く一周したら敷き込み完了です。しっかり焼き色がつくまで焼き上げましょう。
ポイントを押さえたら、早速実践!
特別な技術は要りません。工程は多いですが、一つ一つは単純な作業です。少しの工夫で、本当に美味しくなります。先程の3つのポイントを確認しながら、実際に作ってみてはいかがでしょうか。