完璧なタルト生地を作るための秘訣

タルトは、フランス料理の伝統的なデザートであり、その魅力は見た目の美しさと多様なフィリングにありますが、何より大切なのはそのベースとなる「タルト生地」です。完璧なタルト生地を作るためには、材料選びから手順まで、細やかな注意が必要です。この記事では、サクサクで香ばしいタルト生地を作るための秘訣を詳しくご紹介します。初心者の方でもプロのような仕上がりを目指せるコツを知り、タルト作りをもっと楽しみましょう。

タルト生地のバリエーションとその特徴

タルト生地の種類について詳しく見ていきます。

パートシュクレ

糖分が脂肪分より多いタルト生地は、カリッとした食感が特徴です。そのため、クレームダマンドやカスタードなどの重めのクリームとの相性が良く、多く使用されます。

パートサブレ

脂肪分が多く使用されたタルト生地。この生地はバターをたっぷり含んでおり、サクサクとした軽やかな食感と豊かなバターの香りを楽しめます。また、脂肪分が多いため、切り分ける際にも扱いやすいのが特徴です。

ブリゼ生地

パートシュクレは特に砂糖の割合が高いため、全卵を使うことで粉糖が溶け込みやすく工夫されています。一方で、パートブリゼには強力粉が加わることがあります。強力粉はグルテンを豊富に含んでいるため、少し加えることで扱いやすく、薄く伸ばしやすい生地が作れます。さらに、焼き上がりの際にはひび割れにくい仕上がりを実現します。

タルト生地の作り方

タルト生地にはいくつか種類がありますが、その中でも代表的なパートシュクレ、パートサブレ、パートブリゼは、それぞれ異なる食感や用途に応じて使い分けられます。ここでは、それぞれの作り方をご紹介します。

1. パートシュクレ(甘いタルト生地)
特徴:
パートシュクレは、甘さとサクサクとした食感が特徴の生地で、フルーツタルトやクリームタルトにぴったりです。

材料:
小麦粉:250g
バター(冷たいもの):125g
粉砂糖:100g
卵黄:1個
塩:ひとつまみ
作り方:
バターを切る
バターは冷たい状態で小さな角切りにします。

粉類を混ぜる
小麦粉と粉砂糖をボウルに入れ、塩も加えて軽く混ぜます。

バターを加える
粉類にバターを加え、手で擦り合わせるようにして、小麦粉とバターをよく混ぜます。バターが細かくなるまで手で混ぜます。

卵黄を加える
卵黄を加えて、全体がまとまるように混ぜます。必要であれば、少量の冷水を加えて生地をまとめます。

生地を休ませる
生地がまとまったら、ラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

生地を伸ばす
休ませた生地を冷蔵庫から取り出し、打ち粉をした台に生地を置き、麺棒でタルト型に合わせて伸ばします。

焼く
タルト型に敷き詰め、底にフォークで穴をあけ、180℃のオーブンで10〜15分ほど焼きます。焼き色がついたら完成です。

2. パートサブレ(クッキー生地)
特徴:
パートサブレは、サクサクとした軽い食感が特徴の生地で、特にクッキーのような食感が楽しめるタルトに使用されます。

材料:
小麦粉:250g
バター(冷たいもの):125g
粉砂糖:100g
卵:1個
バニラエッセンス:少々
作り方:
バターを切る
バターは冷たい状態で小さな角切りにします。

粉類を混ぜる
小麦粉と粉砂糖をボウルに入れて軽く混ぜます。

バターを加える
バターを加えて、手でサクサクと混ぜ合わせます。生地がそぼろ状になるまで混ぜます。

卵とバニラを加える
卵とバニラエッセンスを加え、生地を一塊にまとめます。

生地を休ませる
生地をラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

生地を伸ばす
休ませた生地を取り出し、打ち粉をした台に置いて麺棒で伸ばします。

焼く
タルト型に敷き詰め、フォークで穴をあけ、180℃のオーブンで15〜20分焼きます。焼き色がついたら取り出して冷まします。

3. パートブリゼ(塩味のタルト生地)
特徴:
パートブリゼは、バターを多く使い、塩気が効いた生地です。主に塩味のタルトに使用され、しっかりとしたサクサク感が特徴です。

材料:
小麦粉:250g
バター(冷たいもの):125g
塩:ひとつまみ
水(冷水):50〜60ml
作り方:
バターを切る
バターを冷たい状態で小さな角切りにします。

粉類と塩を混ぜる
小麦粉と塩をボウルに入れ、軽く混ぜます。

バターを加える
バターを加え、手でバターを細かくして、粉とよく混ぜ合わせます。

冷水を加える
生地がまとまるように少しずつ冷水を加えて混ぜます。生地がまとまりすぎないように注意します。

生地を休ませる
生地をラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

生地を伸ばす
休ませた生地を取り出し、打ち粉をした台でタルト型に合わせて伸ばします。

焼く
型に生地を敷き詰め、フォークで穴をあけて、180℃で10〜15分焼きます。焼き色がついたら完成です。

これらのタルト生地は、それぞれ異なる食感や用途に合った特徴があります。パートシュクレは甘いフルーツタルトに、パートサブレはクッキー系の食感を楽しみたいときに、パートブリゼはしっかりとした食感の塩味タルトに最適です。作り方は似ていますが、材料の配分や加え方に違いがあるので、それぞれの特徴に合ったタルト作りを楽しんでください。

 

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