イチゴ の品種

イチゴ の品種

甘酸っぱくて可愛らしい見た目が魅力のいちご。スーパーで見かける定番品種から、いちご狩りで出会える珍しい品種まで、その種類は実に豊富です。日本で栽培されているいちごは約300品種以上とも言われ、新品種も続々と登場しています。この記事では、長年愛される人気品種はもちろん、注目を集める最新品種まで、いちごの世界を深掘りしていきます。それぞれの特徴や味わいの違いを知れば、いちごの楽しみ方がさらに広がるはずです。

イチゴの多様性:奥深い品種の世界を探求

イチゴ狩りで親しまれるイチゴですが、実は驚くほど多くの品種が存在します。日本で栽培されているイチゴの品種は約300種類を超え、品種改良によってその数はさらに増加中です。この記事では、定番の人気品種から個性豊かな新品種まで、イチゴの奥深い魅力を詳しく解説します。

品種改良の歴史と地域ブランドの隆盛

イチゴの品種改良は昭和中期から本格的に始まり、現在も全国各地で新しい品種が生み出されています。特に近年は、地域独自のブランドイチゴが人気を集めており、例えば栃木県の「スカイベリー」や三重県の「かおり野」などが有名です。2022年には滋賀県初のオリジナル品種「みおしずく」や福島県が開発した「ゆうやけベリー」が登場するなど、新品種の開発は非常に盛んです。

品種名と商品名の違いについて

イチゴを選ぶ際に注意したいのが、一般的に呼ばれる名前と品種名が異なるケースがあることです。例えば、「あまおう」はイチゴの登録商標名。品種名は「福岡S6号」であり、広く知られている名前とは別に、品種としての正式な名称が存在するイチゴも多くあります。品種を選ぶ際は、品種名と商品名の違いを理解しておくと、より的確な選択ができるでしょう。

味の決め手:甘さと酸味のハーモニー

いちごの美味しさは、甘みと酸味の絶妙なバランスによって決まります。特に甘さが際立つ品種としては、「あきひめ」、「やよいひめ」、「レッドパール」、「桃薫(とうくん)」などが挙げられます。一方で、酸味をしっかりと感じたい方には、「とちおとめ」や「よつぼし」がおすすめです。甘さと酸味の調和がとれた品種としては、「紅ほっぺ」や「さちのか」が人気を集めています。

旬の時期と味わいの変化:品種によって異なる収穫期と味わい

いちごの旬は、品種によって異なり、ハウス栽培が一般的になった現在でも、それぞれの品種で楽しめる時期に違いがあります。一般的にいちごのシーズンは1月から始まり、「紅ほっぺ」や「よつぼし」は1月から5月上旬頃まで長い期間楽しむことができます。「とちおとめ」、「もういっこ」、「あまおとめ」なども1月から4月上旬頃までが旬の時期です。「おいCベリー」や「さちのか」のように、1月から2月までの短い期間が旬となる品種も存在します。

季節ごとの味わいの変化

いちごは、寒い時期にゆっくりと熟すことで甘みが増すと言われており、1月頃には特に甘い味わいのいちごを楽しむことができます。ただし、2月から本格的なシーズンを迎える品種もあり、「章姫(あきひめ)」、「やよいひめ」、「桃薫(とうくん)」などがその代表です。また、気温が上がるにつれて果肉が柔らかくなる傾向があるため、お好みに合わせて時期を選ぶのも良いでしょう。

主要品種19選:特徴と旬の時期

ここでは、日本各地で栽培されている数多くのいちごの中から、特に人気の高い19品種の特徴を詳しく解説します。それぞれのいちごが持つ独特の風味、香り、食感の違いを知り、あなたにとって最高のいちごを見つけてください。

章姫(あきひめ):とろける甘さとジューシーさが魅力

細長い円錐形が特徴的な章姫は、果肉が非常に柔らかく、口に入れると果汁が溢れ出します。酸味が穏やかなため、ストレートな甘さを堪能できます。静岡県が主な産地で、旬は12月から5月頃まで。特に2月から4月頃が最盛期です。

あすかルビー:甘さと酸味のハーモニー

「アスカウェイブ」と「女峰」の交配によって生まれたあすかルビーは、丸みを帯びた大きめの粒が特徴です。果肉はややしっかりしており、豊富な果汁と高い糖度に加え、程よい酸味が味わいを引き締めます。主な産地は奈良県で、収穫時期は12月から5月頃です。

あまおう:四大要素が詰まった王様いちご

一粒20グラムを超える大粒で、コロンとした丸いフォルムが愛らしいあまおう。「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字を取った名前の通り、果肉はしっかりとしていながらジューシー。甘味と酸味のバランスが絶妙で、豊かな風味が楽しめます。福岡県が主な産地で、12月から5月頃まで収穫でき、3月から4月頃がピークです。

あまりん:埼玉生まれの濃厚な甘さ

2019年に登録されたばかりの新品種、あまりん。「やよいひめ」と「ふくはる香」を親に持ち、やや大きめの円錐形または短円錐形をしています。特筆すべきは、その強い甘味。酸味が控えめなため、甘さが際立つのが特徴です。埼玉県が主な産地で、12月から5月頃まで収穫できます。

おいCベリー:ビタミンCを豊富に含む、健康を意識したいちご

栄養価、特にビタミンC含有量を高めることを目指して開発された品種です。果実は比較的大きく、甘みと酸味のバランスが取れていることで人気の「さちのか」に近い酸味を持ちながら、より甘さを増した味わいが特徴です。主に佐賀県や長崎県で栽培され、12月頃から5月頃にかけて収穫されます。

かおり野:際立つ芳醇な香りが魅力

2010年に登録された「かおり野」は、その名の通り、素晴らしい香りが特徴です。リナロールという甘い香りの成分を豊富に含み、しっかりとした果肉と強い甘み、穏やかな酸味が絶妙に調和し、豊かな風味を堪能できます。三重県が主な産地で、11月下旬頃から5月頃まで収穫を楽しめます。

恋みのり:甘さと酸味が見事に調和

2016年に品種登録が出願された「恋みのり」は、丸みを帯びた形と、鮮やかな淡赤色から赤色の果皮、そして美しいツヤが特徴的な大粒のいちごです。果肉は基本的に白色で、甘味と酸味がバランス良く、豊かな香りが楽しめます。長崎県や佐賀県を中心に栽培されており、12月頃から4月頃に収穫時期を迎えます。

さがほのか:甘くてジューシーな味わい

「大錦」と「とよのか」を交配して生まれた品種で、円錐形で大ぶりな果実、つややかな紅色、そして美しい白色の果肉が特徴です。果肉はしっかりとしていて甘みが強く、果汁も豊富、酸味は穏やかです。日持ちが良いのも魅力の一つです。佐賀県が主な産地で、12月頃から5月頃まで収穫でき、3月頃が最盛期です。

さちのか:甘味と酸味の調和がとれた人気品種

「とよのか」の風味の良さと「アイベリー」の果実の大きさを引き継いで誕生しました。芳醇な香りが特徴で、甘さと酸っぱさのバランスが絶妙。果肉がしっかりしているため、輸送や保存にも適しています。主に長崎県、千葉県、佐賀県で栽培され、12月から5月にかけて収穫されます。旬は2月から3月頃です。

スカイベリー:栃木県生まれのビッグサイズいちご

2014年に品種登録された新しい品種です。美しい円錐形をしており、一粒25gを超える大粒であることが特徴です。果皮は硬めで日持ちが良く、糖度と酸味のバランス、そして果汁の多さが魅力。栃木県が主な産地で、収穫時期は12月頃から5月頃、最盛期は2月から3月頃です。

桃薫:サプライズ!桃の香りのいちご

収穫量が増え始めるのは2月頃の晩生種。名前の通り、桃のような甘い香りが最大の特徴です。果肉は柔らかく、甘味と酸味がほどよく調和。ココナッツやキャラメルのような風味も持ち合わせているため、豊かな味わいを楽しめます。長崎県や茨城県が主な産地で、12月下旬頃から5月頃まで収穫できます。

とちおとめ:長く愛される定番の味

多くの人に長年愛されている「とちおとめ」は、甘さと程よい酸味、そしてたっぷりの果汁が特徴です。果実が硬めなので比較的日持ちが良いのも人気の理由。円錐形の美しいフォルムで、光沢のある大きめの果実です。鮮やかな赤色の果皮と、中まで赤く染まった果肉が食欲をそそります。主な産地は栃木県、愛知県、茨城県で、11月頃から6月頃まで収穫できます。

とよのか:西日本で愛された往年の品種

かつて「西のとよのか、東の女峰」と並び称され、主に西日本で広く栽培されてきたイチゴです。現在では市場に出回ることは少なくなりましたが、甘みと酸味の調和がとれており、芳醇な香りが特徴です。果汁も豊富で日持ちにも優れるなど、品質の高さで知られています。主な産地は熊本県で、旬は12月から5月頃でしたが、近年ではほとんど見かけることがありません。

女峰:東日本を代表する銘品種

1990年代後半まで「西のとよのか、東の女峰」とその名を轟かせ、高い市場占有率を誇った品種です。果実はやや小ぶりで、艶のある濃い赤色が美しく、芳香と豊富な果汁が魅力です。甘さと酸味が際立ち、奥行きのある味わいを楽しめます。主な産地は香川県で、収穫期は12月頃から4月頃です。

紅ほっぺ:甘酸のバランスが絶妙

「章姫」と「さちのか」を交配して生まれた品種です。名前が示すように、光沢のある鮮やかな紅色が特徴で、果肉の中心部まで淡い赤色に染まります。強い甘味と程よい酸味が調和し、イチゴ本来の甘酸っぱさを存分に味わえる品種です。静岡県が主な産地で、12月から5月頃まで収穫でき、最盛期は3月頃です。

もういっこ:後味すっきりとした甘さ

2008年に品種登録された宮城県生まれの「もういっこ」は、甘味と酸味のバランスが良く、すっきりとした甘さが特徴のイチゴです。果実は大粒で円錐形をしており、果皮は鮮やかな紅色をしています。果肉は淡い赤色でしっかりとしており、日持ちが良いのも魅力です。宮城県が主な産地で、12月頃から5月頃まで収穫できます。

やよいひめ:群馬県が誇る高品質いちご

2005年に登録されたやよいひめは、群馬県で生まれた人気の品種です。大きめの果実が特徴で、少しオレンジがかった明るい赤色が美しいです。果肉はしっかりとしており、日持ちが良いのも魅力。強い甘みと穏やかな酸味が絶妙なバランスで、風味豊かな味わいが楽しめます。主に群馬県で栽培されており、12月頃から5月頃まで収穫できます。最盛期は2月から3月頃です。

ゆめのか:おいしさで夢を叶えるいちご

「みんなの夢が叶うおいしいいちご」という願いが込められた、愛知県生まれのゆめのか。円錐形の果実は、20グラム前後とやや大きめです。ほどよい硬さの果肉は、甘味と酸味のバランスが取れており、風味の良さが際立ちます。果汁も豊富で、ジューシーな食感が楽しめます。主な産地は愛知県で、収穫時期は12月頃から5月頃まで。2月から4月頃が最も美味しい時期です。

よつぼし:甘さと酸味の絶妙な調和

2017年に品種登録されたばかりの新しい品種、よつぼし。程よい硬さの果肉と、濃厚な甘酸っぱさが特徴で、早くも人気を集めています。光沢のある鮮やかな赤色の円錐形の果実は、見た目も美しく食欲をそそります。主な産地は三重県、香川県、千葉県で、11月下旬頃から5月頃まで収穫できます。

その他のいちごの品種

上記でご紹介した以外にも、様々な個性豊かな品種が存在します。「アイベリー」、「あかねっ娘」、「淡雪(あわゆき)」、「いちごさん」、「いばらキッス」、「越後姫(えちごひめ)」、「おおきみ」、「おぜあかりん」、「かおりん」、「清香(きよか)」、「きらぴ香」、「こいのか」、「古都華(ことか)」、「さぬき姫」、「真紅の美鈴(しんくのみすず)」、「チーバベリー」、「とちあいか」、「なつおとめ」、「初恋の香り」、「はるみ」、「パールホワイト」、「ひのしずく」、「まりひめ」、「ゆうべに」、「雪うさぎ」など、それぞれに異なる特徴や味わいを持っています。ぜひ、お好みの品種を探してみてください。

白いちごについて

最近、お店で見かけることが多くなった白いちごは、2014年ごろから注目されるようになりました。「初恋の香り」や「天使の実」といった名前で販売されており、その見た目の美しさだけでなく、独特の味わいが魅力です。贈り物としても喜ばれています。

いちごの栄養価

いちごはおいしいだけでなく、ビタミンCをたくさん含んでいます。 中くらいのサイズのものを7~8粒食べれば、1日に必要なビタミンCを摂取することができます。

いちごは果物?野菜?

いちごは普段「果物」として食べられていますが、農林水産省では「果実的野菜」として分類されています。これは、栽培面積など統計上の分類によるものです。

まとめ

イチゴは、その甘みと可愛らしい見た目から、老若男女問わず愛される果物です。長年にわたる品種改良によって、様々な特徴を持つイチゴが誕生し、私たちを楽しませてくれています。例えば、大粒で甘みが強く、ジューシーな「あまおう」は、福岡県を代表する品種として知られています。一方で、栃木県の「とちおとめ」は、甘みと酸味のバランスが良く、幅広い世代に親しまれています。近年では、香りが高く、独特の風味を持つ品種や、日持ちが良い品種なども開発されており、消費者のニーズに応えるべく進化を続けています。また、地域特有の気候や風土に合わせて開発されたイチゴもあり、その土地ならではの味わいを楽しむことができます。このように、イチゴの品種は多様性に富んでおり、それぞれの個性的な味わいを食べ比べるのも、イチゴの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

よくある質問

質問1:日本にはどのくらいの苺の品種が存在するのでしょうか?

日本で栽培されている苺の品種はおよそ300種類と言われています。品種改良は盛んに行われており、その数は今も増え続けています。

質問2:特に甘みが際立つ苺の品種でおすすめはありますか?

特に甘みが強い品種としては、「章姫(あきひめ)」、「やよいひめ」、「あまりん」などがおすすめです。

質問3:苺を最も美味しく味わえる時期はいつ頃ですか?

苺は品種によって旬が異なりますが、一般的には1月から5月頃までがシーズンです。寒さの中でじっくりと熟した苺は、特に甘みが凝縮されていておすすめです。
イチゴ品種