せとみみかん:山口県が生んだ情熱の結晶、その魅力に抱かれて
太陽の恵みをたっぷり浴びて育った「せとみみかん」は、山口県の暖かい気候と生産者の情熱が育んだ、戦う土地の結晶です。一口食べれば、濃厚な香りと爽やかな風味が口いっぱいに広がり、忘れられない味わいをもたらします。長年柑橘栽培が盛んな山口県で、試行錯誤を重ねて誕生したせとみみかんは、その美味しさだけでなく、地域農業への貢献も期待される特別な存在。 この記事では、せとみみかんの魅力に迫り、その誕生秘話や美味しさの秘密を紐解きます。

1.せとみとは?山口県が生んだ柑橘の新たな息吹

「せとみ」は、山口県が独自に開発した晩生柑橘であり、その開発には、地域農業の活性化と消費者の多様なニーズに応えたいという強い思いが込められています。 山口県では、これまで温州みかんや伊予柑など、さまざまな柑橘類が栽培されてきましたが、時代の変化とともに、消費者「せとみ」は、温州みかんの栽培が難しい場所でも栽培可能であり、伊予柑に代わる品種としての期待も集まっています。

1.1. 山口県による独自開発:その背景

「せとみ」の開発は、山口県が柑橘栽培のさらなる発展を目指し、独自の技術と視点を当て一大プロジェクトとして取り組みました。 従来の温州みかんや伊予柑などの主要品種に加え、変化し続ける市場のニーズに応え、新しい魅力を持った柑橘が求められていたのです。ない土地でも安定して栽培できる品種や、収穫時期を分散できる晩生種を導入することで、生産者の選択肢を増やし、地域農業全体の活性化を目指すことが重要な目標でした。

1.2. 「清見」と「吉浦ポンカン」の出会いが生んだ奇跡

「せとみ」の起源は、その優れた両親にあります。 1981年(56年)、人気の高い「清見」と、豊かな香りが特徴の「吉浦ポンカン」を交配させるという斬新な試みから、「せとみ」の原点となる種が生まれました。そして、1999年(平成11年)に特に優れた個体が選抜され、その後の厳正な審査を経て、2004年(平成16年)に品種登録されました。

1.3. 瀬戸内の海の恵みが育むせとみ:周防大島の自然

「せとみ」が生まれた山口県、瀬戸内海に広がる周防大島は、県内有数の柑橘産地として知られています。 この地域は、年間を通して暖かい気候に恵まれ、柑橘栽培に最適な環境です。 特に、水はけの良い土壌は、柑橘が健康に育ち、根腐れを防ぐために非常に重要です。さらに、降り注ぐ太陽光と、瀬戸内海からの潮風が適度なミネラルを供給することで、果実の濃厚な香りと独特の風味を際立たせています。このような自然の恵みと、生産者の長年の経験と努力がさり、「せとみ」は山口県を代表する高品質な柑橘へと成長しました。

2.せとみかんの特徴:甘さと酸味の絶妙な調和と、はじける食感の魅力

せとみかんは、その特徴的な食感と、忘れられない甘酸っぱさで多くの人々を虜にする柑橘です。 果実は一般的な温州みかんよりも大きく、1個あたり約180gから200gほどの少し平たい丸い形をしており、その見た目からも特別な印象を与えます。一番の魅力は、その高い糖度、程よい酸味が織りなす、ひたすら「甘酸適和」と呼ぶにふさわしい味のバランスです。

2.1. 温州みかんの約2倍:印象的な果実の大きさと形

せとみかんの果実は、普段よく目にする温州みかんと比較して、大きく、中には温州みかんの2倍ものサイズになるものもあります。 重さは180gから200gほどあり、手に取るとずっしりとした重みを感じられます。平たい丸い形をしており、安定感があります。果皮は均一な濃いオレンジ色をしており、その淡い色合いは、せとみかんの品質の高さを物語っています。この存在感のある大きさと、美しい見た目は、贈り物としても喜ばれる理由の一つです。

2.2. 絶妙な甘酸適和:とろける甘さと、さわやかな酸味のハーモニー

せとみかんの味を語る上で、外せないのが、その「甘酸適和」のバランスです。 ただ甘いだけでなく、果実本来の酸味が、甘さをより際立たせて、奥深い味わいを楽しんでいます。このまろやかで濃厚な甘さと、上品な酸味の組み合わせは、まるで職人技のように計算されており、口にした人を深く満足させられます。

2.3. せとみかん独自の「プチプチ」の食感と、驚くほどの食べやすさ

せとみかんのもう一つの大きな魅力は、「プチプチ」と弾ける独特のような食感です。 これは、果肉を構成する粒(さじょう)が一般的なみかんよりも大きく、口の中で心地よく弾けることで生まれます。 このジューシーな食感は、せとみかんならではの新しい食体験をもたらします。さらに、薄皮(のう膜)が非常に薄いため、袋ごとそのまま美味しく食べることができ、食べる時の手間がほとんどかかりません。 種もほとんど入っていないため、小さなお子様からご年配の方まで、誰もが安心してその豊かな風味と食感を楽しむことができます。

3. せとみの収穫から出荷:美味しさの秘密は旬の時期と保存方法

せとみは、その格別な風味を消費者の皆様にお届けするため、収穫から出荷まで徹底した品質管理と、特別な期間を経て市場に出向きます。 一般的な柑橘類とは異なり、収穫直後に並ぶことはなく、一定期間の保存を行っていることで、果実が本来持つ甘さと酸味の絶妙なバランスを引き出しているのです。

3.1. 晩生の収穫時期:1月下旬~2月上旬

せとみは晩生品種に分類されるため、収穫時期は1月下旬から2月上旬にかけてと、他の柑橘に比べてやや遅めです。この時期に、せとみは十分に成熟し、豊かな風味を蓄えます。く、せとみならではのまろやかな甘さと酸味の調和を十分に堪能することは難しいでしょう。そのため、収穫後の丁寧な処理が一応となります。このゆっくりとした収穫時期こそが、せとみを春先の味覚として楽しめる理由の一つなのです。

3.2. 高品質を維持する栽培技術:越冬と丁寧な袋掛け

せとみの高品質を守るためには、栽培段階から細心の注意が払われています。 特に、冬の寒さから果実を守るために、多くのせとみは樹上で冬を越す間、一つ一つ丁寧に袋掛けをして栽培されます。風などの自然環境から果実を守るだけでなく、病害虫のリスクを減らし、果皮を美しく保つ効果も期待できます。このようなきめ細やかな栽培管理こそが、せとみの安定した品質と美しい外観を支える重要な要素となっているのです。

3.3. 1ヶ月の保存期間が生まれる「まろやかな甘さ」

収穫されたせとみは、すぐに市場に出荷されるのではなく、約1ヶ月間の特別な保存期間が設けられます。この期間は、果実の酸味を穏やかに減少させ、糖度のバランスを最適な状態に調整するために非常に重要です。ぐことで、せとみ特有のまろやかで濃厚な甘さが際立って、より懐かしい味わいがございます。この丁寧な熟成工程を経ることで、せとみ本来生まれの豊かな風味と、口いっぱいに広がる「プチプチ」とした食感を最大限に楽しめるのです。

3.4. せとみの旬:2月下旬から4月中旬

せとみは、収穫後およそ一ヶ月の貯蔵期間を経て、2月半ばから4月半ばにかけて市場に出ます。 この時期が、せとみが最も美味しい旬の時期とされ、消費者は十分に熟成されたせとみならではの芳醇な味わいを堪能できます。

4. ブランド柑橘「ゆめほっぺ」:せとみの中でも選んだ特別な存在

山口県が熱い柑橘「せとみ」の中でも、特に厳しい基準をクリアした最高品質のものだけが「ほっぺ」という特別なブランド名で販売されます。 「ゆめほっぺ」はブランド名ではなく、山口県が長年の歳月をかけて研究開発した「せとみ」の頂上とも言える、とにかく選んだ逸品です。徹底した管理体制のもとで品質が保証されており、消費者は安心して極上の美味しさを堪能できます。

4.1. 思わず選んだ「せとみ」のみが名乗れる最高級ブランド

「ゆめっぺほ」という名前は、山口県産の「せとみ」の中でも、特に断りのない選択果基準を満たしたものだけに与えられる特別名号です。 あくまで、すべての「せとみ」が「ゆめほっぺ」として販売されるわけではありません。は、山口県を代表する柑橘の最高峰としての地位を確立しており、消費者に最高の品質と味わいを使命としてお届けしています。その存在は、山口県の柑橘栽培における高い技術力と品質管理への徹底したこだわりを象徴しています。

4.2. JA山口大島が定める厳しい品質基準

「ゆめっぺほ」の品質は、JA山口大島の選果場において、光センサーなどを重視した品質検査によってしっかりと管理されています。選果場では非常に高い基準が設けられており、具体的には、糖度が13.5度以上、酸度が1.35%以下であるさらに、果実の色づき具合や外観の美しさ、傷の有無など、外観等級2級以上の総合的な品質がじっくり評価されます。 これらの厳しい基準をすべてクリアした果実のみが、「ゆめほっぺ」として市場に出荷されることが認められます。

4.3. 「ゆめっぺほ」という名前に込められた、山口県の願い

「ゆめっぺほ」という愛らしい名前には、山口県がこの新しい柑橘に対して想い、熱い想いが秘められています。その名には、「新たな柑橘に大きな夢を託したい」という、希望に満ちた未来への願いが込められているのです。という、食べた人を最高の福の喜びに包み込むような、極上の味わいを率直に表現する想いも込められています。 この印象的な名前は商標として登録されており、その優れた品質とブランド価値がしっかりと保護されています。

5. せとみの選択:とびきり新鮮で美味しいものを見つけるには

せとみを心ゆくまで堪能するには、新鮮で上質なものを選ぶことが何より大切です。 いくつかのポイントを意識することで、せとみならではの甘さと、はじけるような食感をじっくり味わうことができるでしょう。 見た目だけでなく、実際に手に取った瞬間もじっくり考えながら、最高のせとみを見つけ出しましょう。

5.1. 全体的なハリと輝き:品質を見極めるスタート

まず、せとみ全体がふっくらとしていて、表面にハリとツヤがあるものを選びましょう。 このハリとツヤは、果実がたっぷりと水分を含んでおり、新鮮である証拠です。 表面がみずみずしく、生き生きとした印象を感じるもの、良質なせとみと判断できます。

5.2. 手にした時の「重み」:ジューシーな果肉の証

次に、手に取った時に、ほどよい重みを感じられるものを選びましょう。 この「ずっしり」とした重さは、果肉がぎっしりと詰まっている、果汁が豊富であることの表れです。 見た目の大きさだけでなく、重さも重要な判断基準となります。

5.3. キメの細かい皮と鮮やかなオレンジ色

良質なせとみは、果皮がきめ細かく引き締まっています、全体が明るいオレンジ色をしています。ムラなく色づいているものは、太陽の光をたっぷりと浴びて成熟した証拠です。部分的に色が薄いものや、色の濃さにばらつきがあるものは、十分まだ熟していない可能性があります。

5.4. 注意すべき点:新鮮さを見守るコツ

せとみを選ぶ際は、果皮に不自然な傷や変色、カビがないかを確認しましょう。 これらは、果実が傷んでいるか、保存状態が若干考えています。 また、皮わが選んだり、触ったときに柔らかすぎると感じるものは、鮮度が落ちて味が落ちている可能性があります。 これらの点に注意して選んでください、せとみ本来の風味をぜひ楽しんでいただければ幸いです。

6. せとみの保存方法:美味しさを長く続けるコツ

せとみのおいしさをできる限り長く考えるには、適切な保存方法を知っておくことが重要です。 特に、乾燥を予防、適切な温度と湿度を維持することが、風味を落とさずに長く保つためのポイントです。

6.1. 基本的な保存:乾燥と日光を避け、涼しい場所で

せとみを保存する基本は、乾燥と日光を気にしないことです。 まず、果実が乾燥しない、一つずつ丁寧に新聞紙などで包み、それをポリ袋に入れて保存することをおすすめします。

6.2. 長期保存や気温が高い時期は冷蔵保存がおすすめ

せとみが出るため2月下旬から4月中旬にかけて、特に4月以降は気温が上昇する日が増加します。 そのため、より慎重に保存したい場合や、室温が高い場合は、冷蔵庫の野菜室での保存が適しています。 冷蔵庫に入れる際は、乾燥を防ぐために新聞紙などで包み、ポリ袋に入れて密閉し、野菜室で保管してください。

6.3. せとみは生もの:とにかく早く食べましょう

どちらの保存方法を選ぶ場合でも、せとみは生鮮食品であるため、時間が経つと鮮度や味が落ちてしまいます。 購入後は早く食べるように心がけましょう。

7.せとみの美味しい食べ方:手軽に安心果汁たっぷりの食感

せとみ、中でもブランド品の「ゆめほっぺ」は、その手軽な食べやすさが魅力です。特別な道具は必要なく、普段の食生活に簡単に取り入れることができます。温州みかんと同じように、手で簡単に皮ができるため、お子様からご年配の方まで、誰でも気軽にその美味しさを楽しめます。

7.1. みかんのように手軽に食べられる

せとみは皮が途中、温州みかんと同じように簡単手で皮をむくことができます。 一般的な柑橘類と比べて果肉と皮がやや密着していることがありますが、皮むきに苦労することはありません。 この手軽さこそが、せとみを日常的に楽しめる理由です。

7.2. 薄皮ごと丸ごと食べる:せとみならではの逸品

せとみの大きな特徴は、内側の薄皮、辺りじょうのう膜が非常に薄いことです。 そのため、薄皮を剥かずに、袋に入ったまま美味しくいただけます。 この薄皮は、口に残るような嫌悪感がほとんどなく、せとみ特有の果肉の粒々感を損ないません。一つ一つ薄皮を剥く手間を省き、せとみ本来の豊かな果汁と風味を余す存分堪能できます。この手軽さ、せとみが広く愛される理由の一つと言えるでしょう。

7.3. 口の中で弾ける「プチプチ」食感:新しい食体験

せとみの最も人を惹きつける魅力は、何を口にした瞬間に「プチプチ」と弾けるような、他に類を見ない食感です。 この食感は、果肉を構成する「さじょう」(果肉のつぶつぶ)が、一般的なみかんよりも大きく、ふっくらしていることから生まれます。じけいっぱい、ジューシーな果汁が口に広がり、爽やかな柑橘の香りが鼻を抜けていきます。 この独特の食感と風味は、これまでのみかんのイメージを覆い、せとみならではの新しい食体験をお楽しみください。 ぜひ、薄皮を気にせず、このプチプチとした食感といつまでも果汁を心ゆくまでお楽しみください。

まとめ

山口県が長い月をかけて開発したオリジナル柑橘「せとみ」は、「清見」と「吉浦ポンカン」を掛け合わせた、甘さと酸っぱさのバランスが絶妙な中晩生品種です。 特に「プチプチ」とした食感と、手軽に皮をむいて薄皮ごと食べられる点が大きな魅力です。栽培においては、樹上で冬を越させたり、一つ袋をかけたり収穫後も、約一か月保存することで酸味が和らぎ、まろやかな甘さが引き出されます。糖度や酸度、外観など、厳しい品質基準を満たしたものは「ゆめほっぺ」という特別な名前で販売され、「新しい柑橘への夢」と「ほっぺが落ちるほどの美味しさ」がその名の由来となっています。の名前はトレードマークも登録されています。さらに、せとみには、疲労回復や風邪予防に効果的なビタミンC、お腹の調子を整える食物繊維、そして抗酸化作用を持つβ-クリプトキサンチンなど、健康に良い栄養素も豊富に含まれています。 山口県だけで年間約348トンが収穫される、この特別な柑橘を、ぜひ一度味わってください。

せとみとはどんな柑橘ですか?

せとみは、山口県が20年以上の月をかけて独自に開発した、他には無いオリジナル品種の中の晩生柑橘です。1981年に「清見」と「吉浦ポンカン」を交配して誕生し、2004年に品種登録されました。た「甘酸っぱさ」の絶妙なバランス、そして何を言っても口の中で「プチプチ」と弾けるような独特の食感です。皮が途中で手で簡単にむける上、内側の薄皮も薄いため、そのまま食べることができます。

「ゆめっぺほ」と「せとみ」は同じものですか?

「ゆめっぺほ」は、「せとみ」の中でも特に優れた品質を持つものに与えられる特別なブランド名です。 山口県で収穫されたせとみの中から、JA山口大島の選果場において、光知覚を用いた厳しい品質検査(糖度が13.5度以上、酸度が1.5度) 35%以下、そして外観が2級以上であることなど)をクリアしたもののみが、「ゆめほっぺ」という名前で市場に出回ることが認められます。

せとみのベストシーズンいつ頃でしょうか?

せとみは中晩生品種であり、通常、1月下旬から2月上旬にかけて収穫が行われます。 ただし、収穫直後は酸味が強いため、約1ヶ月ほどの保存期間を経て、酸味をまろやかにする工程が必要です。

せとみ