準強力粉 代用
準強力粉がパン作りに不可欠とされる一方で、スーパーマーケットの棚を見渡すと、必ずしもそれが揃っているわけではありません。準強力粉がない場合はどうすればいいのか困り果てている方へ、今回は「準強力粉の代用」について詳しくご紹介します。すでに家にあるもので代用可能なものから、準強力粉本来の風味や食感を可能な限り再現したい方向けの情報まで、多角的に見ていきましょう。
準強力粉とは
強力粉・中力粉・薄力粉と準強力粉の違いは?
強力粉、中力粉、薄力粉、それぞれの特性をご紹介しましょう。
強力粉は、タンパク質(特にグルテン)の含有量が高く、理想的な率は11.5~13.0%とされています。主素材となるのは硬質小麦で、その特性から、グルテンが強靭に結びつきます。そして、準強力粉よりもタンパク質量が多く、灰分量は比較的少ないです。なので、パン作りに適しており、特に食パンやテーブルロール、菓子パンにおいて、ふんわりとしたボリューム感を求める際には最適です。
中力粉は、タンパク質含有量が8.0~10.5%という中間質の小麦を主原料としたもので、強力粉と薄力粉の中間的な性質を持っています。これにより適度な弾力と伸展性が特徴となり、特にうどんなどの麺類作りに適しています。
そして、薄力粉はタンパク質含有量が6.5~8.0%で、その主原料はタンパク質量が低い軟質小麦になります。これによりグルテンの形成が少なく、ふんわりした柔らかい食感が特徴です。また、スポンジケーキやクッキーなどの菓子作りや、天ぷらなどの料理に適しています。
日本独自の準強力粉はこれらとは少し異なり、強力粉に似ていますが、グルテン含有率が少し低く、もちもちとした食感のうどんやパスタに適しています。
それぞれの特性を理解し適材適所で使用することで、料理の仕上がりをより良いものにすることが可能です。
準強力粉と強力粉でフランスパンを焼いてみた
「準強力粉」と「強力粉」によってどのような違いがあるのでしょうか。
まず、両種の小麦粉を題材に200グラムを用意し、これにモルトパウダー0.5グラム、水135グラム、ドライイースト1.2g、そして塩4gを混ぜ込みました。準強力粉と強力粉を筆者がそれぞれ使ってみた結果を見てみましょう。
準強力粉の特徴は「たんぱく質」が少なく、焼くと弾力性に欠けますが、口溶けが良いパンが作れます。外面は サクッとしていて香ばしさがあり、中はもっちりとして食べやすい一品となりました。
一方、強力粉は名前通り「たんぱく質」が豊富で、パンには弾力があります。パリッとした外面とモチモチとした食感の中が特徴で、それぞれの特質を引き出すことができました。
なお、味付けについては「塩4g」以外にも工夫が可能です。さらに華やかさを加えたい場合には、ご自身の好みに合わせてアレンジを加えたり、または新たなスパイスを加えることで、さまざまな風味を楽しむことができます。
他の小麦粉で準強力粉は代用できる?
「準強力粉がない場合、どう対処すれば良いのか?」という疑問に答えてみましょう。準強力粉は幅広い料理シーン、特にお菓子やパン作りに重宝される小麦粉です。それは強力粉と薄力粉の中間的な特性を備えていて、適切な粘り気ともちもち感を引き立てます。
しかし、もし手元に準強力粉がない時にはどのように対処すれば良いのでしょうか?その答えは、他の小麦粉をうまく組み合わせて使用することです。具体的には、強力粉と薄力粉を7-8:2-3の割合でブレンドすることで、準強力粉の性質に近い小麦粉を作ることができます。この比率はあくまで一例で、その時の料理や好みによって調整可能です。
しかし、他種の小麦粉を混ぜて準強力粉の代用を試みる場合、重要なのは作りたい料理の特性を理解することです。強力粉はパン作りに利用されることが多く、薄力粉は焼き菓子作りに向いています。したがって、どの小麦粉をどれだけ使用するかは、完成する料理の食感や風味に影響を与えます。
まとめ
準強力粉がない場合でも、全粒粉や薄力粉を混ぜた自家製の準強力粉、またはパン専用粉を用いることで、近い食感と風味を再現することができます。これらの代用品を使うことで、準強力粉と同等の美味しいパンが焼き上がるでしょう。