りんごは世界中で愛される果物ですが、その中でも特に注目されているのが「さんさ」品種です。果肉のシャキシャキとした食感と、甘さと酸味の絶妙なバランスが一度食べたら忘れられないと評判です。この記事では、さんさりんごの魅力とその特徴、そしてどのように楽しむことができるのかを探ります。りんご好きな方も、そうでない方も、その美味しさに魅了されることでしょう。
さんさの魅力
「さんさ」は、「ガラ」と「あかね」から生まれたりんごの一種です。この交配は1969年にニュージーランドの科学産業研究所で行われ、果樹試験場盛岡支場が用意したあかねの花粉が用いられました。ニュージーランドで得られた種子は後に日本に送られ、盛岡で育成されました。そして、1988年に正式に品種登録されました。さんさは、8月下旬に収穫される早生種で、その重さはおよそ200~250gと小さめです。鮮明な赤色の果皮を持ち、果肉は少しかためです。甘さと酸味がバランスよく、果汁が豊富で、歯ごたえも良いため、非常に美味しいと評価されています。この名前は、岩手県盛岡市で毎年8月に開催される「盛岡さんさ踊り」という祭りにちなんでいます。
さんさを選ぶ際のポイントと見極め方
さんさはコンパクトなリンゴ品種なので、大きさにはそれほど注意を払わなくても問題ありません。手に取った際に重さを感じ、皮に張りのあるものが理想的です。色付きが良好な品種のため、できるだけ赤みが均一なものを選ぶと良いでしょう。色ムラが少しあっても、底の部分が黄色がかっていれば熟れている証拠です。
さんさを長持ちさせる方法
乾燥を防いで食感を保つためには、まず新聞紙で包んでからポリ袋に入れる方法が効果的です。保存する環境としては、冷蔵庫の野菜室や温度が一定している冷暗所がおすすめです。さんさが市場に出始める頃はまだ気温が高いため、特に長期保存を考える場合は冷蔵庫を利用すると安心です。冷蔵庫に保管する際に注意が必要なのは、エチレンの影響で他の野菜の成長が促される点です。この影響を避けるため、リンゴはラップで包むかポリ袋で密封して保存しましょう。
さんさの楽しみ方
生のまま味わうのはもちろん、スムージーやサラダに加えるのもおすすめです。大量にあるときには、加熱してジャムやリンゴバター、コンポートにしてみるのもよいでしょう。これらはトーストやヨーグルトと相性抜群です。皮にはポリフェノールや食物繊維などが豊富に含まれているため、なるべく皮をむかずに丸ごと食べるのが理想です。特に真っ赤なさんさを「リンゴウサギ」形にすると、見た目の楽しさが増します。
さんさがの収穫時期と主な生産地
8月の終わりから、市場には早生種のさんさが登場します。「さんさ」の栽培面積が最も広い県は岩手県です。その面積は約48.3ヘクタールで、全国の半分以上を占めています。続くのが青森県で、こちらは約22ヘクタールの面積で、全体の約25%に当たります。3番目は北海道で、約6.4ヘクタールです。