桜餅とは

桜餅とは

桜餅とは

桜の花が咲き誇る春季に欠かせない一つの風物詩が「桜餅」です。それは、見た目も美しく、口どけの良いアンコと爽やかな桜の葉の風味がマッチした日本人の心を揺さぶる和菓子。しかし、一体どのような歴史を持ち、どういった製法で作られているのでしょうか。そしてその魅力は何なのでしょうか。それらを詳しく探り、桜餅の奥深さを一緒に紐解いていきましょう。

桜餅とは

桜餅は、小麦粉やもち米を主成分とした生地と、甘さ控えめの小豆餡、そして少々の塩を加えた桜の葉を用いて作られる伝統的な和菓子で、食べるその時に春の到来を感じさせてくれます。この和菓子は、桜色に着色されることが一般的で、桜の一片のような美しい色合いと、桜の葉から香る春の香りが特徴的です。


この桜餅は全国どこでも見かけられ、地元の名物として名を馳せるお菓子屋さんも少なくありません。フレッシュな桜餅が並ぶ光景は、確かな春の証であり、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも春の訪れと共に目にすることができます。

お茶うけにもなりますし、お花見のお供としても欠かせません。春の期待感と共に広がる桜餅の香りを楽しみながら、日本の美しい春を満喫してみてはいかがでしょうか。

桜餅とは

桜餅の2つの種類

桜餅には関東風と関西風の2つの種類があります。それぞれ地域によって異なる特徴を持っています。


関東風桜餅(長命寺餅)

生地: 小麦粉に白玉粉や糯米粉、砂糖を加え、薄く焼いた生地を使用します。この生地はしっとり感を残す程度に軽く熱を通します。

餡: こしあんを使用。

桜の葉: 塩漬けにした桜の葉を3枚使うのが一般的。

包み方: 生地でこしあんを丸めて包み、2つ折りにして桜の葉で包みます。生地を筒状にする場合もあります。


関西風桜餅(道明寺餅)

生地: 道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させたもの)を使用。道明寺粉を水で戻し、蒸してもち米の粒が残る状態にします。

餡: つぶあんまたはこしあんを使用。

桜の葉: 塩漬けにした桜の葉を1枚使うのが一般的。

包み方: 道明寺粉で餡を包み、桜の葉で包みます。

それぞれの桜餅は地域や家庭によって作り方や材料が若干異なることがありますが、基本的にはこのような違いがあります。関東地方では関東風桜餅が、関西地方では関西風桜餅が一般的に食べられています。

桜餅とは

関東風桜餅の歴史・由来とは

関東風桜餅(長命寺餅)の起源は、東京都墨田区の長命寺に由来します。隅田川沿いの美しい桜並木は古くから人々を魅了してきましたが、桜が散った後の掃除が大変でした。この問題を解決するために、塩漬けにした桜の葉を利用して餅を包み、販売することが始まりました。


もともとは長命寺に墓参りに来る人々へのおもてなしとして作られていたこの桜餅は、隅田川の桜並木が増えるにつれて、花見の季節の名物となりました。この関東風桜餅が桜餅のルーツとされています。

関西風桜餅の歴史・由来とは

関西風桜餅は、江戸で人気のあった長命寺の桜餅を参考にして作られました。道明寺粉を使ったこの桜餅は「道明寺餅」として知られています。1800年代前半に、大阪の北堀江にある土佐屋というお店で売り出されたのが始まりです。


関東風桜餅がルーツではありますが、現在では関西風桜餅も東日本で見かけることがあります。一方で、西日本(山陰地方を除く)では長命寺餅がほとんど売られていません。そのため、西日本の人々が関東で長命寺餅を「桜餅」として見ると驚くことが多いです。

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桜餅の葉っぱは食べても大丈夫?

桜餅に使われる桜の葉は独特の香りがあり、そのまま食べるかどうかで意見が分かれます。家庭によって、「お餅についている葉っぱだから食べられる」と教わる場合もあれば、「桜の葉は食べられないから食べてはいけない」と教わる場合もあります。


実際には桜の葉を食べても問題はありませんが、食べ過ぎない方が良いでしょう。桜の葉には特定の成分が含まれており、過剰摂取は避けるべきです。

桜餅のカロリーはどれくらい?

桜餅1つのカロリーは約200〜250kcalです。これはご飯茶碗1杯分のカロリーに相当します。2つ食べるとご飯茶碗2杯分にもなりますが、桜餅は甘くて美味しいため、ついつい食べ過ぎてしまうことがあります。


関東風桜餅と関西風桜餅ではカロリーが異なることもありますし、桜餅の大きさや使用する素材によっても変わります。そのため、カロリーはあくまで参考程度に留めておきましょう。桜餅はほとんど糖質からできているため、食べ過ぎには注意が必要です。

桜餅はどれくらい日持ちするの?

一般的に桜餅は製造された当日中に食べるのが最良です。なぜなら、新鮮で自然な材料から作られる和菓子は、時間の経過と共に味が劣化しやすく、その美味しさが損なわれ易いからです。

特に桜餅の特徴である桜の葉は、劣化しやすい素材の一つ。その新鮮な香りは時間と共に失われてしまいます。また、桜餅のもう一つの魅力であるもちもちとした食感も、時間がたつほど口当たりが固くなり、美味しさが半減します。

しかし桜餅をその日のうちに全ていただくのが難しい場合でもご安心ください。冷蔵庫で適切に保管すれば、その美味しさを2〜3日程度は保つことが可能です。ただし、食べる際には室温に戻してからお召し上がりいただくと、もちもちとした食感と桜の香りを十分に楽しむことができます。

春の訪れと共に味わう桜餅。最良の状態で、その誘惑的な桜の香りとあんこの甘さをしっかりと味わっていただきたいと思います。
桜餅とは

まとめ

桜餅は古くから続く日本の伝統と製法、そしてその深い魅力を持つ和菓子であり、その味わいは春の訪れを感じさせます。歴史的背景と共に育まれた製法、そして桜の葉の繊細な香りとあんこの優しい甘さが絶妙に絡み合う美味しさは、まさに日本人の情緒と季節を愛でる心を表していると言えるでしょう。一度食べればその魅力に引き込まれ、桜餅がもつ奥深さをぜひ味わってみてください。