南国のフルーツとして広く知られるパイナップルは、その甘酸っぱい味わいとジューシーな果肉で多くの人々に愛されています。実は、パイナップルには数多くの種類が存在し、それぞれに独自の特徴を持っています。本記事では、パイナップルの多様な種類について紹介し、その特性について詳しく探ります。あなたの食卓に新たな風を吹き込む、一風変わったパイナップルの楽しみ方を見つけてみませんか。
パイナップルとは
様々な場面で登場するパイナップルは、缶詰や酢豚、夏祭りの屋台でも見かけます。一口サイズに切って冷凍すると、シャーベットのような食感を楽しむこともできます。日本で流通している多くのパイナップルは輸入品で、特にフィリピン産が全体の8割を占めています。国内では主に沖縄で生産されており、5月から8月にかけて出回ります。酢豚にパイナップルが入るのは、ヨーロッパの人々の味覚に合わせたためとされています。過去に当サイトで、パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素「ブロメライン」が肉を柔らかくするという説を紹介しましたが、この酵素は熱に弱く、調理の熱で効果がなくなることがわかっています。
パイナップルの起源と発展
パイナップルはブラジル南部からアルゼンチン北部、そしてパラグアイの地域において、1000年以上前から栽培されていました。1493年、コロンブスの第2回探検において西インド諸島でこの果物が発見されました。大航海時代を経て、16世紀にはスペインをはじめ、アフリカやアジア、フィリピンなどへと広まりました。日本では、江戸時代の終わりにオランダ船によって持ち込まれ、本格的な栽培が始まったのは1930年頃とされています。
パイナップルの賢い選び方と保存のポイント
1. ふっくらとした下ぶくれの形を持っているもの。2. フルーツには甘い香りがあり、底には少しの弾力があるもの。3. 追熟しないですが、酸味が減ることがあります。4. 果皮が緑色でも、完熟していると甘さがあります。1. 新聞紙で包み、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。2. 追熟しないため、早めに消費することをお勧めします。3. カットした部分はラップで包み冷蔵してください。4. 冷凍してシャーベットとして楽しむことも可能です。5. 逆さに置いておくと甘味が増すという説もあります。
パイナップルの栄養価と健康効果
主要な栄養素(可食部100g当たり) マンガン(0.76mg)、ビタミンB1(0.08mg)、カリウム(150mg) 注目される成分 ブロメライン 期待される効果 疲労回復、高血圧予防、動脈硬化防止、脳卒中予防、心筋梗塞予防、消化促進 パイナップルはマンガンとビタミンB1を豊富に含んでいます。マンガンは骨や関節の形成、エネルギー生成に寄与し、ビタミンB1は疲労回復に有用です。また、カリウムが豊富で、高血圧や動脈硬化の予防にも期待されています。さらに、パイナップルの果汁には「ブロメライン」というタンパク質を分解する酵素が含まれており、肉を柔らかくし消化を促進します(※加熱によりブロメラインは失われます)。未熟な果実には「シュウ酸カルシウム」の針状結晶が多いため、舌の刺激や口内の荒れに注意が必要です。
パイナップルのバリエーション
1.スムースカイエン 世界的に人気のあるスムースカイエン種は「N67-10」としても知られ、ハワイ種と呼ばれています。沖縄本島や石垣島で育てられ、酸味と甘みのバランスが抜群です。豊富な果汁と滑らかな食感が魅力で、生食に適しています。サイズは1~1.5kg程度です。
2.ボゴール 「ボゴール」という名の台湾発祥のパイナップルは、手でちぎって食べられるユニークなフルーツです。酸味が少なく糖度が高く、芯も柔らかで食べやすい点が特徴です。沖縄県では4~8月に市場に出回り、サイズは700g~1kgです。
3.ピーチパイン 「ソフトタッチ」という沖縄県生まれの品種で、豊かな甘みと白っぽい果肉、特有の香りから「ミルクパイン」とも呼ばれています。未熟な時は黄色味を帯び、熟すと赤くなります。600~800gの小ぶりなサイズで、4~7月が収穫期です。
4.ゴールドバレル 2009年に沖縄県で育成された品種で、クリームパインとMcGregor ST-1から生まれました。果肉は鮮やかな黄色で非常に甘く、酸味が少ないのが特徴です。重さ約1400gとやや大きめで、主に6月末から7月にかけて収穫されます。
5.サマーゴールド 2004年に登録されたパイナップルで、形状は円筒形、サイズは約1000gです。果肉が柔らかく果汁が豊富で、甘味が強く、酸味は控えめです。沖縄本島や石垣島で栽培され、7月から8月にかけて出荷されます。
6.デルモンテゴールド デルモンテ社によって開発された甘味の強い品種で、濃い黄色の果肉から香りが漂います。サイズは1~1.5kgで、ジュースにも適しています。こうして「ゴールドパイン」とも呼ばれることがありますが、正式名称は「デルモンテ ゴールド」です。
7.スウィーティオパイナップル ドール社が日本市場に向けて開発したブランドで、酸味控えめで甘味豊か、香りも良いフィリピン産のパインです。スイーティオパインや黄金パインとも称されます。
8.芳香パイン 香水パインと呼ばれるほどの豊かな香りを持ち、台湾原産の品種です。外見がスナックパインに似ており、トゲのない葉が魅力です。サイズは700g~1.3kgで、生産量は少ないですが6~7月に市場に出回ります。