柿の実が落ちる

秋の訪れとともに、庭や道端で見かけるオレンジ色に染まった柿の実。その重みで枝から解き放たれる瞬間、静寂の空気が一瞬にして破れます。この小さな出来事は、自然の中で繰り返される大きな循環の一部です。柴の中に消える音とともに、柿の実は土壌に養分を返し、新たな生命の礎を築くのです。秋の風物詩であるこの光景を通じて、私たちは自然の美しさとその営みの豊かさを改めて感じ取ることができるでしょう。

柿の特徴

柿は家庭で育てやすく、おすすめの果物の一つです。しかし、ヘタムシや落葉病への対策が大切です。また、柿の花芽は枝の先端につくため、先端を剪定しすぎると実がつきにくくなるので注意が必要です。柿には甘柿と渋柿があり、甘柿はさらに完全甘柿と不完全甘柿に分類されます。完全甘柿はタネがあるかないかに関わらず甘いですが、不完全甘柿はタネがない場合は渋いので、甘くするためには‘禅寺丸’や‘筆柿’などの雄花がつく品種を隣に植えたり、枝に雄花がつく品種を接ぎ木したりする必要があります。

柿が落果する理由

生理的に果実が落ちる現象は、受粉が不足している場合や過剰な結実、日光の欠如、肥料のバランスが崩れていることなどが原因で、自然に樹木が果実の数を調整します。カキのヘタムシガによる被害では、果実や芽が食べられ、幼虫の存在により果実が落ちることがあります。落葉病に対しては、6月初旬の梅雨に入る前にジマンダイセン水和剤などの殺菌剤を散布することで被害を軽減できます。不安定な天候により、5月下旬の開花期から7月の幼果が発育する時期にかけて曇りや雨の日が続くと、果実の落下が多くなります。

柿の果実の落下を防ぐためには

適切な時期に蕾や果実の間引きを行いましょう。窒素肥料は多用せず、注意深く使用する事が大切です。日照が不足している場合は、剪定により対策を講じるましょう。カキノヘタムシガによる被害を抑えるため、6月中旬から7月上旬と7月下旬から8月中旬に殺虫剤を散布すると効果的です。落葉病を防ぐには、6月上旬、梅雨に入る前にジマンダイセン水和剤などの殺菌剤を用いるとよいので実践してみて下さい。

柿の実