柿 食べ合わせ 悪い

秋の味覚として親しまれる柿ですが、「柿と食べ合わせが悪い」という話を聞いたことはありませんか? 実は、柿に含まれる成分と特定の食品が組み合わさると、消化不良を起こしたり、栄養の吸収を阻害したりする可能性があるのです。せっかく美味しい柿を食べるなら、より美味しく、そして安心して楽しみたいですよね。この記事では、柿と食べ合わせの悪い食品、その理由、そして柿を美味しく食べるためのコツをご紹介します。

柿に含まれる栄養素は、身体に嬉しい効果がたくさん!

秋の味覚として親しまれる柿は、店頭で見かけるとつい手が伸びてしまう果物の一つです。古くから「柿が赤くなれば医者いらず」と言われるように、柿には健康をサポートする様々な栄養成分が豊富に含まれています。ここでは、柿が持つ栄養効果について詳しく見ていきましょう。

柿にはビタミン・ミネラルが含まれている

柿には、体内でビタミンAに変わる「β-カロテン」が豊富に含まれています。このβ-カロテンは、粘膜を丈夫にし、外部からの侵入を防ぐことで、体の防御機能を高める効果が期待できます。また、柿の特徴的な色素成分である「β-クリプトキサンチン」も注目すべき成分です。強力な抗酸化作用に加え、脂質バランスを整えたり、骨を強くするのを助けたりする効果があると言われています。さらに、風邪の予防や肌の健康維持に役立つ「ビタミンC」、体内の塩分バランスを調整し、血圧の安定に寄与する「カリウム」などの栄養素も含まれています。

柿に含まれるポリフェノールの一種、タンニン

秋の味覚、柿。口にした時に渋さを感じたことはありませんか? その原因は「タンニン」という成分にあります。しかし、このタンニンはただの渋み成分ではありません。優れた抗酸化作用を持ち、年齢による体の変化を緩やかにしたり、生活習慣病のリスクを軽減する効果が期待されています。加えて、アルコール分解を助ける働きもあるため、お酒を飲む機会が多い方には嬉しい効果も。また、タンニンには便を固める作用があるため、下痢気味の方にもおすすめです。お腹の調子が優れない時には、自然の力で整えてくれるかもしれません。このように様々な効果が期待できる柿ですが、組み合わせによっては体に良くない影響を与えてしまう食材も存在します。いくつか例を挙げてご紹介しましょう。

柿と蟹の食べ合わせについて

薬膳の観点では、柿と蟹は相性が悪いとされています。その理由は、柿と蟹が共に「寒性」食品であるためです。寒性とは、身体を冷やす性質のこと。同時に摂取すると、身体を冷やしすぎてしまう可能性があると考えられています。ただし、冷えやすい体質の方は注意が必要ですが、少量であれば過度に心配する必要はないでしょう。

柿とさつまいもの食べ合わせ

さつまいもは食物繊維を多く含んでいるため、消化に時間がかかります。一方、柿は体を冷やす性質があり、消化器官の機能を低下させる可能性があります。便秘対策としてさつまいもを摂取する際は、柿との同時摂取は控えた方が賢明かもしれません。さらに、さつまいもが胃酸の分泌を促進することで、柿に含まれるタンニンと胃酸が結合し、結石が形成されやすくなるという説もあります。

柿と海苔の組み合わせ

海苔は、骨や歯を健康に保つために重要な成分であるカルシウムを豊富に含んでいます。しかし、柿に含まれるタンニンという成分は、残念ながらカルシウムの吸収を阻害する可能性があります。海苔でカルシウムを摂ろうとする際には、柿との同時摂取は避けた方が、効率よくカルシウムを吸収できるでしょう。

柿と鉄分の相性

柿に含まれるタンニンという成分は、残念ながら鉄分の吸収を阻害する可能性があります。したがって、貧血傾向にある方は、柿を過剰に摂取しないように注意し、食べるタイミングにも気を配る必要があります。特に鉄剤を服用している場合は、服用後1~2時間程度は柿をはじめとするタンニンを多く含む食品の摂取を控えることが推奨されます。

柿はどんな人にオススメ?

血圧が気になる方にとって、柿は積極的に摂りたい果物の一つです。豊富なカリウムが、体内の過剰な塩分を排出し、血圧の安定をサポートします。一方で、柿には便を固める作用があるため、下痢気味の方には適しています。しかし、便秘の方は、柿に含まれるタンニンの影響で症状が悪化する可能性があるので注意が必要です。甘柿はタンニンの含有量が少ないため、少量であれば問題ありません。しかし、渋柿はタンニンが豊富なので、摂取量に注意しましょう。また、タンニンは鉄分の吸収を阻害するため、貧血気味の方も同様に注意が必要です。さらに、薬膳の考え方では、柿は体を冷やす性質を持つとされています。冷え性の方や体が冷えやすい方は、柿の食べ過ぎに注意することが大切です。

実は柿の葉にも栄養が豊富!

秋の味覚として親しまれている柿。甘く熟した果肉を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、注目すべきはその葉です。驚くことに、柿の葉にはミカンの約30倍ものビタミンCが含まれていると言われています。古くから人々は、柿の葉を煎じてお茶として飲用していました。これは、免疫力アップや動脈硬化予防に繋がると考えられていたからです。さらに、柿の葉には果肉にも含まれるタンニンというポリフェノールが含まれています。このタンニンは、抗菌・抗酸化作用に優れており、その特性を活かした「柿の葉寿司」という郷土料理も存在します。柿の葉が、ご飯の乾燥を防ぎ、食品の保存性を高める役割を果たしているのです。このように、柿はその果実だけでなく、葉もまた様々な形で活用されてきた、まさに自然の恵みと言えるでしょう。

まとめ

秋の味覚、柿。豊富な栄養を含む一方で、相性の悪い食品も存在します。東洋医学では体を冷やす性質があると考えられているため、特に寒くなる季節には、食べ過ぎに注意が必要です。しかし、柿には健康をサポートする成分も豊富に含まれています。上手な食べ合わせを意識して、柿の恵みを享受しましょう。

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