南水梨は、その瑞々しい果肉と豊かな香りで多くの人々を魅了する果物です。特に日本で栽培される南水梨は、他の品種とは一線を画す特有の甘さとシャキシャキとした食感が特徴です。この記事では、南水梨の独特な魅力や、美味しさを引き立てる食べ方・楽しみ方について探ります。これからの季節には欠かせない南水梨の魅力を再発見し、その豊かな風味を思う存分味わってみてはいかがでしょうか。
南水の魅力
「南水」は、長野県で生まれた赤梨で、「越後」と「新水」を親に持ちます。1990年(平成2年)に品種登録されましたが、交雑が始まったのは1973年(昭和48年)です。長野県農業試験場下伊那分場で選抜育成され、その質の高さが認められました。
南水はやや扁平な形の中玉で、重さは約350gです。糖度が高く、甘さが際立ち、酸味の少ない梨で、たっぷりの果汁がジューシーな甘さを引き立てます。
収穫時期は少し遅く、9月中旬から始まります。貯蔵性が高く、翌年の3月まで店頭で見られることがあります。
南水を選ぶ際のポイント
ジューシーな梨は重みがあり、しっかりとしています。特に南水は果汁たっぷりの品種で、手に取った時に十分な重さが感じられ、丸みがあるものがおすすめです。また、皮が程よく褐色になっており、傷がないか確認すると良いでしょう。
南水を長持ちさせるための保存術
できるだけ早く食べるのが理想ですが、一度に食べきれない場合は、新聞紙で包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室や涼しい場所で保管するとよいでしょう。保存期間を延ばしたい場合は、冷蔵庫での保存が適しています。
南水は比較的保存性の高い梨ですが、高温や乾燥した場所に置くと鮮度が落ちやすくなるので気を付けましょう。
南水の楽しみ方
梨を切る際は、縦に8等分にするくし形がおすすめです。この方法で切ると、お尻側の甘さが均等に行き渡ります。
甘くて風味豊かな南水は、新鮮な状態で食べるのが一番ですが、たくさんある場合はコンポートやジャムに加工するのも良いでしょう。砂糖を加えて煮ると保存性が向上します。梨ジャムに程よいとろみと酸味を出すには、レモン汁を入れるのがコツです。
また、梨をすりおろして肉に15分ほど漬け込めば、肉がやわらかくなります。甘い南水ならではの濃厚な味わいを料理で楽しみましょう。
南水のシーズン
南水は9月中旬から市場に出回り始めます。保存が利くため、翌年になっても店で見かけることがあります。
南水の主要な生産地
南水の主要産地は長野県で、約135ヘクタールの作付面積を占め、全体の70%以上に相当します。次いで、秋田県が約10.8ヘクタール、続いて新潟県が約7.2ヘクタールです。