イチゴ露地栽培:甘くて美味しいイチゴを育てるための完全ガイド

太陽の恵みをたっぷり浴びて育つ露地栽培のイチゴは、格別な甘さと香りが魅力です。しかし、露地栽培ならではの難しさもありますよね。この記事では、初心者の方でも安心して挑戦できるよう、イチゴの露地栽培における基礎知識から、苗選び、植え付け、日々の管理、収穫まで、甘くて美味しいイチゴを育てるためのノウハウを徹底解説します。露地栽培ならではの注意点や病害虫対策も詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

露地栽培とは?

露地栽培とは、野菜、果物、花などを、屋外の自然環境を利用して育てる栽培方法のことです。特別な設備や温度・湿度の調整は行わず、自然の気候や土壌の条件を最大限に活用します。露地栽培の大きな特徴は、季節に応じてさまざまな作物を育て、旬の味を楽しめることです。また、作物が自然環境に適応することで、病害虫への抵抗力が高まるというメリットもあります。初期投資や維持費が施設栽培に比べて低く抑えられるため、環境に配慮した農法としても注目されています。

イチゴを露地栽培するメリット

イチゴを露地栽培することには、主に次の3つの利点があります。それぞれの利点について詳しく見ていきましょう。

1. 栽培コストを削減できる

露地栽培では、高価な温室やビニールハウスなどの設備が不要なため、初期投資を大幅に削減できます。必要なのは、基本的な農具、肥料、農薬、支柱などの資材費のみ。農地があれば、比較的簡単に栽培を始められます。施設栽培に比べて、農機具の選択肢も豊富で、安価なものや中古品も活用できるため、さらにコストを抑えることが可能です。栽培期間中の運営コストも、肥料や農薬の使用、農機具の燃料やメンテナンス費用が中心となるため、全体的に経済的な栽培が可能です。

2. 自然災害によるリスクを軽減

施設栽培では、地震、豪雪、台風などの自然災害で温室やビニールハウスが損壊した場合、修復に莫大な費用と時間を要します。実際に、地震でハウスが全壊し、復旧作業中に収入が途絶えてしまった農家も存在します。しかし、露地栽培は大規模な設備に依存しないため、災害からの立ち直りが比較的容易で、経済的な負担も軽減されます。そのため、露地栽培は自然災害のリスクを最小限に抑え、持続可能な農業を行う上で有効な手段と言えるでしょう。

3. 広大な農地での大規模栽培が可能

露地栽培は、ビニールハウスや温室といった構造物の制約を受けないため、広大な土地を利用して大規模にイチゴを栽培できます。これにより、一度に大量のイチゴを育てることができ、収穫量の増加が見込めます。大規模栽培を行うことで、大型農機による耕うん作業や、収穫後の選別・出荷作業の機械化が可能になり、省力化とコスト削減につながります。さらに、広い農地を活用することで、輪作や連作障害の抑制、異なる作物の同時栽培など、土地の有効活用も実現できます。

イチゴの露地栽培におけるデメリット

一方、イチゴを露地栽培することには、いくつかの注意点も存在します。以下に詳細を解説します。

1. 環境要因に左右されやすい

露地栽培は、自然環境下で行われるため、急な天候の変化、病害虫の発生、鳥獣による被害など、様々なリスクに影響を受けます。その年の気候条件、例えば異常な低温、酷暑、長雨などがイチゴの生育に大きく影響し、収穫量が大きく変動する可能性があります。また、イチゴの生育に適した時期に合わせて植え付けを行う必要があり、収穫時期の調整が難しいという課題もあります。さらに、雨天時には畑での作業が制限されるなど、栽培管理の面でも制約があります。

2. 出荷時期の調整が難しい

露地イチゴは、その土地の旬の時期を過ぎると市場への供給量が減少し、価格が高騰する傾向があります。しかし、露地栽培は自然環境に左右されるため、施設栽培のように環境を人工的にコントロールして収穫時期を調整することが困難です。施設栽培では、高値で販売できる時期に合わせて出荷できますが、露地栽培ではそれが難しく、市場のニーズに合わせた最適な出荷が難しいため、価格変動の影響を受けやすいというデメリットがあります。

3. 施設栽培以上の経験と知識が求められる

露地栽培では、季節の変化に合わせて栽培する作物を変える必要があり、幅広い農業知識が不可欠です。加えて、年ごとに異なる気象条件の中で最適な栽培方法を選ぶには、専門的な知識と長年の経験が求められます。これは、常に一定の環境下で作物を育てる施設栽培と比較して、より複雑で深い理解が必要とされることを意味します。安定して高品質な作物を大量に生産するためには、露地栽培特有の課題に対応できる豊富な知識と経験が欠かせません。

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基本情報

イチゴは冬の果物というイメージがありますが、それは主にハウス栽培によるもので、家庭菜園での一般的な収穫時期は5月から6月頃です。イチゴは一度収穫した後も、株から次々と子株が出てくるため、株を増やして長期間栽培することができます。家庭菜園でイチゴ栽培を始める場合は、秋に苗を植え付け、翌年の春に収穫するのが一般的です。その後、収穫した株から育つ子苗を育てて、次の栽培に活かすのが基本的な流れです。イチゴには果実の形状や生育特性が異なる様々な品種がありますが、初心者には、旬の時期に収穫できる「一季なり」品種が特におすすめです。

栽培時期

イチゴの栽培時期は、地域や品種によって時期が異なります。近年は気候変動による高温や大雨などにより、従来の栽培時期が適さない場合もあるため、状況に応じて時期をずらす、品種を変更するなど柔軟な対応が必要です。イチゴは冷涼な気候を好むため、温暖な地域では秋に植え付けて翌年の5月から6月に収穫する、夏を避ける栽培方法が適しています。植え付け時期が早すぎると、暑さで株が弱ってしまう可能性があるため注意が必要です。収穫後は、次シーズンの栽培のために子株を育てて活用します。

栽培方法

イチゴを露地で栽培する際は、以下の手順で進めていくのが一般的です。

土作り

イチゴ栽培における土作りは、苗が順調に生育するための土台となる、非常に重要な作業です。植え付けを行う前に、イチゴが育ちやすい土壌環境を整える必要があります。 植え付け予定日の約3週間前から準備を始め、堆肥、石灰、元肥を適切な順序で土に混ぜ込みます。 まず、堆肥を混ぜて土壌に馴染ませ、その1週間後に石灰を施し、さらに翌週に元肥を加えるのがおすすめです。 イチゴ栽培に適した土壌酸度(pH)は、5.5~6.5程度です。石灰を使用することで、土壌酸度を調整します。 堆肥を混ぜて丁寧に耕すことで、ふかふかの土壌を作り、元肥によって、生育初期に必要な養分を補給します。 良質な土壌を作るには、時間と手間を惜しまず、これらの資材を土によく馴染ませることが大切です。 イチゴは肥料焼けを起こしやすいため、元肥は植え付けの2週間前までに施しておくと安心です。 肥料は、バランスの取れた配合肥料がおすすめです。 また、苗の植え付けに適した土の形状に整えるために、畝を立てます。 畑の土を細長く盛り上げることで、イチゴの苗が根を張りやすく、深く成長しやすい環境を作ることができます。

苗の準備

イチゴの苗は、通常10月頃から種苗店やホームセンターなどで販売されます。 自家栽培の場合は、翌年以降、親株から発生した子株を苗として利用することも可能です。 イチゴ栽培では「苗半作」という言葉があるように、苗の良し悪しが収穫量に大きく影響します。 特にイチゴは「苗八作」とも言われるほど、苗の品質が重要です。 できるだけ生育が良く、健康な苗を選ぶようにしましょう。 苗を選ぶ際は、根がしっかりと張っていて、葉の色つやが良く、大きめの苗を選ぶのがポイントです。 苗が日陰に長時間置かれていたり、水不足で弱っていたりしないか確認しましょう。 店頭に長く置かれている苗は、肥料不足や老化が進んでいる可能性があるため、入荷直後の新鮮な苗を選ぶようにしましょう。

植え付け(定植)

ポットから苗を取り出す際は、根を傷つけないように優しく行いましょう。 株間を30~40cm程度空けて、苗を植え付けます。 この時、葉の付け根部分にある「クラウン」と呼ばれる部分が土に埋まらないように、浅植えにすることが重要です。 クラウンは、新しい芽が出てくる大切な場所なので、土で覆ってしまうと、生育不良の原因となります。 植え付け後は、株元にたっぷりと水をやり、根と土を密着させます。 植え付けの際は、根を広げるように植えると、活着が良くなります。 イチゴには、ランナーが出ている方向と反対側に花房(果実)がつく性質があります。 そのため、2列植えにする場合は、ランナーが畝の内側を向くように植えることで、収穫の際に果実が通路側に出てきて作業がしやすくなります。 市販の苗は、親株側のランナーが長めに残されていることが多いですが、自家製の子株を植える際も同様にすると、植え付け時の目印になります。 ランナーの向きが分からない場合は、苗がわずかに反っている方向を確認しましょう。 一般的に、反っている側に果実がつきやすいとされています。

冬の管理

気温の低下と日照時間の短縮は、イチゴの株の中心部で花芽を形成するサインです。さらに寒さが厳しくなると、イチゴは成長を停止し、休眠状態に入ります。この時、葉を地面に広げてロゼット状にすることで、冷たい風から身を守ります。休眠期に早く花が咲き始めることがありますが、これらの花は摘み取り、株を充実させるために栄養を集中させましょう。

追肥・マルチング

苗が活着した後と、冬の休眠から目覚める2月中旬から3月上旬にかけて、株の周辺に追肥を行います。化成肥料を株間に「1平方メートルあたり50グラム」を目安に施しますが、イチゴの根は肥料焼けを起こしやすいため、肥料が直接根に触れないように注意してください。肥料が直接触れると根が傷み、苗が枯れる可能性があります。追肥後、地温を上げて花芽の成長を促すためにマルチを施しましょう。マルチフィルムを畝の上に覆い、苗の部分に十字の切れ込みを入れ、苗を傷つけないように茎葉を引き出します。マルチングは、地温上昇のほか、雨水の跳ね返りを防ぎ、病気や果実の腐敗を抑制する効果があります。雑草対策としては、黒色マルチが効果的です。イチゴは冬の低温にさらされることで休眠から覚める性質があるため、通常は冬の間マルチをせずに植え付け、春先にマルチを敷きます。これにより、休眠から目覚めた株が勢いよく成長します。

ランナー摘み・わき芽かき・摘果

適切な管理を行うことで、イチゴは実に効率良く栄養を集中させることができます。生育が旺盛になると、イチゴの株からランナー(匍匐枝)が伸びてきます。ランナーは株元から伸びる新しい苗の芽であり、放置すると栄養がランナーに奪われ、美味しい実が育ちにくくなります。そのため、ランナーはこまめに株元から摘み取ることが重要です。同様に、主幹の周りからわき芽が出てくることもあります。ランナーと同様に、わき芽も放置すると葉や実の数が増えるものの、イチゴ一粒一粒が小さくなってしまいます。量よりも質を重視する場合、芽の数を制限することで、栄養を大きな実に集中させ、品質の高いイチゴを収穫できます。また、受粉が不十分で変形した実や小さい実も、そのままにしておくと栄養の無駄になるため、早めに摘み取ることが望ましいです。ランナー摘み、わき芽かき、摘果を適切に行うことで、イチゴの露地栽培における収穫量と品質を向上させることができます。

人工授粉

イチゴの露地栽培では、ミツバチなどの昆虫や風による自然受粉が期待できます。しかし、開花時期が早い場合や昆虫が少ない場合には、花を軽く揺らしたり、人工授粉を行うことで受粉を促進しましょう。特に開花が早い時期は、昆虫の活動が活発でないことが多いため、午前中に柔らかい筆を使用し、花の中を優しくなでるように人工授粉を行います。イチゴの花は、雄しべと雌しべの両方を持つ両性花であり、同じ花の中で受粉することで実を結びます。花の中心にあるのが雌しべ、その周りを取り囲んでいるのが雄しべです。人工授粉を行う際は、柔らかい筆や綿棒を使って雄しべの花粉を採取し、中心にある多数の雌しべ全体に優しく、満遍なくつけます。花粉は小さく目に見えにくいですが、丁寧に行うことでしっかりと付着します。受粉が不十分だと、実が肥大せずに奇形になり、硬くて美味しくない奇形果になる可能性があります。そのため、自然受粉に頼らず人工的に授粉させることで、品質が高く美味しいイチゴを育てることが可能です。受粉がうまくいかなかった実や、部分的に受粉不良を起こした実があれば、早めに摘み取ることが推奨されます。

収穫

イチゴは開花後、およそ1ヶ月から1ヶ月半で成熟期を迎えます。完熟のサインは、果実を覆っていたヘタが反り返ることです。ただし、表面が赤くなっただけではまだ酸味が強いため、ヘタの近くまで鮮やかな赤色に染まり、完全に熟しているかを見極めることが大切です。収穫に最適な時間帯は、気温が低くイチゴの品質が維持しやすい午前中です。収穫が遅れると、鳥やナメクジによる食害のリスクが高まるだけでなく、熟しすぎて品質が低下する恐れがあります。イチゴは収穫後に糖度が増すことはないため、完全に赤く熟したタイミングで速やかに収穫しましょう。収穫する際は、果梗を指で摘むか、清潔なハサミで丁寧に切り取ります。傷ついたり、形が崩れた果実は、他の果実の生育に悪影響を及ぼす可能性があるため、速やかに取り除き、残りの実が健全に育つように管理することが重要です。品種、栽培環境、特に日照時間や肥料の管理が、収穫されるイチゴの甘さに大きく影響します。

苗作り

イチゴは、ランナーと呼ばれるつるの先にできる子株を利用することで、翌年の苗を容易に作ることができます。

子株を育てる

収穫を終えた親株から伸びるランナーをそのまま伸ばし、その先にできる子株を育てます。親株が病気の場合、子株にも病気が伝染する可能性があるため、健康な親株を選ぶことが非常に重要です。親株は元の場所で育て続けても、別の場所へ移植しても構いません。ランナーが密集しないように、適切な方向に誘引することで、効率的に子株を育成できます。一般的に、親株から最初に伸びる子株は病害のリスクが高いと考えられているため、苗として利用する場合は、2番目または3番目にできた子株を選ぶことを推奨します。健康な親株であれば、複数のランナーが伸び、1本のランナーに3~4個の子株が育つため、1つの親株から20~30個の子株を得ることも可能です。

苗床へ移植

7月から8月頃、子株が本葉を3~4枚程度展開したら、親株からのランナーを切り離します。根を傷つけないように丁寧に子株を掘り上げ、事前に準備しておいた苗床に移植し育てます(株間は約15cmが目安です)。子株を切り離す際、親株側のランナーを少し長めに残し、反対側のランナーを短く切り詰めておくと、翌年の果実が実る方向が分かりやすくなり、定植作業がスムーズに行えます。苗床を作る際は、肥料焼けを防ぐため、植え付けの2週間前までに堆肥と元肥を土に混ぜ込み、土壌を十分に耕しておきましょう。

ポットでの育苗

苗床を使わず、ポットで苗を育成することも効果的な方法です。培養土を入れた適切なサイズのポット(7.5~9cm程度)にイチゴの子株を植え付け、U字ピンや園芸用の針金などで固定し、株が動かないようにします。子株がポットにしっかりと根を張ったら、親株から伸びているランナーを切り離し、そのままポットで育成を続けます。

育成管理

定期的に生育状況をチェックし、月に1~2回程度、株の間に追肥を行い、丈夫な苗に育てます。古い葉をこまめに取り除くことで、常に4~5枚の新しい葉がある状態を維持すると、株全体の風通しが改善され、無駄な成長を抑え、中心部分が太くしっかりとした苗に育ちます。また、イチゴの苗は夏の暑さに弱い性質があるため、特に暑さが厳しい時期には遮光ネットなどを活用して直射日光を避け、高温によるダメージから保護することが大切です。

畑への定植

イチゴの植え付けに最適な時期である10月になったら、育てた苗を畑に植え付けます。その後は、これまで説明してきた栽培方法を繰り返します。イチゴは多年草なので、収穫が終わった親株をそのまま育て、翌年も収穫することができますが、年数を重ねるごとに収穫量は減少し、病気のリスクも高まります。そのため、一般的には親株は子株を採取し終えたら処分し、その子株を新たな親株として翌年の栽培に利用する方法が推奨されています。

連作障害について

同じ種類の野菜を同じ場所で繰り返し栽培すると、土壌中の栄養バランスが崩れ、特定の病気が発生しやすくなったり、生育が悪くなる現象を「連作障害」と言います。イチゴは特に連作障害が発生しやすい作物であり、特定の病害が発生しやすくなるため、同じ場所での栽培は2~3年程度間隔を空けることが重要です。

コンパニオンプランツ

異なる種類の植物を近くに植えることで、互いの成長を助けたり、病気や害虫を抑制したりする効果が期待できる組み合わせを「コンパニオンプランツ」と言います。イチゴに合ったコンパニオンプランツを活用することで、生育環境を向上させ、より健康なイチゴ栽培を目指せます(具体的な相性の良い植物についてはここでは言及しません)。

イチゴを露地栽培する際の注意点

続いて、イチゴを露地栽培する上で注意すべき点について説明します。各項目を詳しく見ていきましょう。

1. 害虫対策

イチゴ栽培において特に注意すべき害虫は、アブラムシとナメクジです。アブラムシは繁殖力が旺盛で、見つけ次第早急な対処が必要です。対策としては、アブラムシが黄色に引き寄せられる性質を利用し、黄色い粘着シートを株の周りに設置するのが有効です。また、ナメクジは花や実に直接的な被害を与えるため、注意が必要です。効果的な駆除方法としては、熱湯をかける方法や、ナメクジをおびき寄せて駆除する薬剤を使用する方法があります。

2. 鳥害対策

イチゴの実が赤く色づくと、カラスなどの鳥が実をついばむことがあります。実が熟し始めると鳥による食害のリスクが高まるため、畝全体を防鳥ネットで覆うのが効果的です。ただし、防鳥ネットを使用する際は、イチゴの受粉を助ける昆虫が自由に出入りできるよう、網目の粗いものを選ぶようにしましょう。ネットはイチゴが色づき始める頃に設置し、収穫が終わるまで張っておくことで、鳥による被害を効果的に防ぐことができます。

3. 枯葉の整理

冬の寒さで傷んだ下葉や、赤く変色した葉は、病害虫の温床になる可能性があります。葉の付け根から丁寧に摘み取りましょう。特に晩秋から初冬にかけて、イチゴの葉が赤やオレンジ色に染まったり、株元の葉が茶色く枯れたりすることがあります。これらの葉は光合成を行わないため、生育には不要です。そのままにしておくと、カビなどの発生を招き、病気が蔓延する原因にもなりかねません。発見したら、清潔なハサミでこまめに取り除くことが大切です。定期的な枯葉の除去は、病気のリスクを軽減し、イチゴが健全に成長するのを助けます。

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まとめ

この記事では、家庭菜園でイチゴを露地栽培するための情報として、基礎知識から具体的な栽培方法、翌年以降の苗の準備、メリット・デメリット、注意点などを詳しく解説しました。露地栽培は初期投資を抑えられ、広い場所での栽培も可能ですが、天候に左右されやすく、栽培には一定の知識と経験が求められます。適切な土壌準備から始まり、良質な苗の選定、植え付け時の注意点、冬場の管理、追肥やマルチング、ランナーやわき芽の処理、人工授粉の必要性、病害虫や鳥への対策、収穫のタイミングまで、すべての工程が豊作に繋がる重要な要素です。さらに、子株を使った苗作りの方法、連作障害への対策、相性の良い植物(コンパニオンプランツ)の活用など、長期的なイチゴ栽培のヒントもご紹介しました。これらの情報を参考に、露地栽培に挑戦し、甘くて美味しいイチゴを育ててみてください。

よくある質問

ここでは、イチゴの露地栽培に関するよくある質問とその回答をご紹介します。

初心者でも育てやすいイチゴの品種はありますか?

はい、あります。初めてイチゴを育てる方におすすめの品種は以下の通りです。これらの品種は比較的育てやすく、味も良いので、初心者の方でも安心して栽培に挑戦できます。

イチゴを傷つけずに育てる秘訣とは?

イチゴ栽培で果実を美しく保つには、黒色マルチシートの上に藁を敷くのがおすすめです。こうすることで、イチゴが直接地面に触れるのを防ぎ、藁がクッションの役割を果たして傷つきを防ぎます。また、光合成を促すための水やりは、実の成長に必要不可欠です。適切な水分量を保つように心がけましょう。農薬を使わない栽培では、自然に花を訪れる虫たちによる受粉を期待できますが、2月など早い時期に開花した花は受粉がうまくいかないことが多いです。そのため、早咲きの花は摘み取ることをおすすめします。

イチゴの甘さを引き出すには?

イチゴの糖度を向上させるには、以下の3つのポイントが重要です。これらを意識することで、糖度が高く、風味豊かなイチゴを収穫できるでしょう。

イチゴの露地栽培、最適な植え付け時期は?

露地栽培でのイチゴの植え付けに最適な時期は、10月中旬から下旬にかけてです。この時期に苗を植え付けることで、翌年の5月から6月頃に収穫時期を迎えることができます。一般的に、イチゴは冬の果物として知られていますが、その時期に店頭に並ぶイチゴの多くは、ハウス栽培で育てられたものです。露地栽培では、秋に植え付けを行い、冬を越冬させ、春に収穫するというサイクルになります。

イチゴのランナーは切除しても良い?

実がなり始める時期にランナーを伸ばしたままにしておくと、養分がランナーに奪われてしまい、実の生育が悪くなることがあります。ランナーはその後も伸びてくるため、収穫が終わるまではこまめにランナーを切り取り、収穫が終了した後に出てくるランナーを利用して子株を育てていきましょう。

イチゴの果実が凸凹になったり、先端部分の色付きが悪いのはどうしてですか?

果実の形状が不揃いになったり、先端の着色が不十分な奇形果は、受粉が適切に行われなかったことが理由として考えられます。イチゴの花は、中心部に200~400本存在する雌しべを雄しべが囲んでいる構造の両性花です。美しい形状の果実を実らせるには、すべての雌しべが受粉する必要があるため、受粉を助ける昆虫が少ない環境では、花を軽く揺らしたり、筆などを用いて花の中心部を優しくなでるように人工授粉を行うと良いでしょう。

収穫を終えた親株は、翌年も栽培できますか?

イチゴは多年草であるため、収穫後の親株をそのまま育てれば、翌年も再び収穫することが可能です。しかし、栽培年数が経過するにつれて収穫量が徐々に減少していく傾向にあります。また、病害に侵される危険性も増大するため、一般的には、親株から子株を採取した後、親株は処分することが推奨されています。翌年以降は、採取した子株を新たな親株として育て、苗を育成していくのが一般的です。

プランターでイチゴを栽培する際の秘訣はありますか?

プランターでイチゴを栽培する上で重要なポイントは以下の通りです。これらの点に留意することで、プランター栽培でもイチゴを十分に育てることが期待できます。

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