お盆のお供え物として選ぶお菓子の金額相場は、一般的に3000円から5000円程度とされています。この範囲であれば相手に気を遣わせず、適度な礼儀を示すことができます。ただし、特別な事情がある場合や地域の習慣によって金額が変わることもあります。たとえば、初盆（新盆）などの特別な法要の際には、より丁寧なお供え物が求められることもあるため、5000円以上のものを選ぶこともあります。

また、高額なお菓子を選ぶと相手が気後れしてしまう可能性もあるため、慎重に検討しましょう。特別なシーンでは、白や淡い色を基調としたフラワーアレンジメントをお菓子と一緒に贈ると、より華やかで心のこもった印象を与えられます。贈り物には相手の気持ちを思いやる心遣いが大切です。

一方、近親者でない場合や軽いご挨拶を目的とした場合には、2000円台の手頃なお菓子でも失礼にはあたりません。相手との関係性や場の雰囲気に合わせて金額を決めるとよいでしょう。贈り物は金額だけでなく、選んだものに気持ちが込められていることが大切です。

お盆のお供え物としてお菓子を用意する際、熨斗紙（掛け紙）の選び方やマナーにも注意が必要です。熨斗紙は場面や時期に応じて適切なものを選びましょう。

四十九日前

四十九日を迎える前のお供え物には、白黒の水引が描かれた熨斗紙を使用します。この時期は、故人がまだこの世に留まっていると考えられるため、表書きには「御霊前」と記載します。

四十九日後

四十九日を過ぎた後のお供え物には、白黒、黄白、または双銀の水引を使用します。表書きは「御供」や「御供物」とするのが一般的で、宗派や地域の習慣に合わせて選びます。この表記は、お盆や法要、七回忌などさまざまなシーンで使用できるため便利です。

包装の工夫

熨斗紙は基本的に包装紙の外側にかけますが、郵送の場合は内側にかけて傷つかないよう配慮するのが一般的です。掛け紙の選び方や表書きに迷った場合は、専門店に相談するのも一つの手です。

お供え物としてのお菓子を選ぶ際には、以下の5つのポイントを意識しましょう。

長期間保存できるものを選ぶ

お供え物は仏壇にしばらく置かれるため、日持ちが良く常温保存が可能なものを選びましょう。アイスクリームや生菓子など、冷蔵が必要なものは避けます。

分けやすい個包装タイプを選ぶ

供えた後に親族や知人で分けることが多いため、個包装のお菓子が適しています。アソートタイプの詰め合わせは、量や種類が調整しやすい点でもおすすめです。

故人や親族の好みに合わせる

故人が生前好きだったお菓子や、幅広い年代に受け入れられるお菓子を選ぶと良いでしょう。アソートタイプなら、さまざまな好みに対応できます。

落ち着いたデザインのものを選ぶ

派手な色合いやデザインのお菓子は避け、落ち着いた包装のものを選びましょう。特に赤や金などのお祝いの色は不向きです。

縁起の良い個数を選ぶ

詰め合わせの個数にも配慮が必要です。不吉とされる「4」や「9」が含まれるものは避けるのが一般的です。

お盆のお供え物には適さないお菓子もあります。たとえば、要冷蔵のケーキや生菓子は、仏壇に長期間供えることが難しいため避けるべきです。また、赤や金の包装が施されたお菓子や、香りが強すぎるものも不向きとされています。

さらに、お祝いの席で贈られるような紅白饅頭や派手なデザインのものは、お盆の厳粛な雰囲気にはそぐわないとされます。香辛料の強いお菓子や、故人や参列者に不快感を与える可能性のあるものも控えましょう。

要冷蔵のお菓子を選びたい場合は、相手に事前に伝えた上で適切な保管方法を案内するのがマナーです。お盆のお供え物は、故人への感謝や供養の気持ちを込めたものであるため、慎重に選ぶことが大切です。

お盆のお供えのお菓子は、故人を偲び、親族や参列者への思いやりを伝える機会でもあります。心を込めた選択で、相手に感謝や気持ちをしっかりと伝えましょう。