オーツ麦グルテン

オーツ麦は、健康志向の方々やダイエットを考える人々にとって人気のある食品です。しかし、オーツ麦に含まれるグルテンについての疑問や誤解がしばしば取り沙汰されます。この記事では、オーツ麦の栄養価やグルテンの有無、さらには健康への影響を詳しく解説し、グルテンフリーを意識した正しいオーツ麦製品の選び方を提案します。より健康的な食生活を目指すために、知っておくべき情報をここで確認していきましょう。

グルテンの基本とは

グルテンは、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2つのたんぱく質が水を加えてこねることで形成される物質です。

この成分は食品に弾力や粘りを与え、生地を伸ばしやすくして多様な食感を作り出します。

たとえば、パンのふわふわした食感やケーキの滑らかな口当たりは小麦粉中のグルテンの働きによります。

小麦粉はたんぱく質の含有量で分類され、「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の順でたんぱく質が多く、グルテンが豊富なのは強力粉です。

パスタ、ピザ、スイーツなど広く小麦粉を利用する食品が多いため、グルテンは私たちの日常に溶け込んでいます。

グルテンが健康に及ぼす影響とは?

小麦製品の美味しさを支える成分、グルテンは、時には健康への影響が懸念されることもあります。

よく耳にする問題として、小麦アレルギー、セリアック病、グルテン不耐性などがあります。

グルテンは消化が難しく、体に蓄積しやすいため、腸の状態を悪化させることがあるとされています。腸内環境の悪化は、多くの体調不良を引き起こすことにつながります。

アトピー性皮膚炎や喘息のような具体的なアレルギー症状の他にも、頭痛や腹痛、倦怠感、肌荒れといった隠れた症状をもたらすこともあります。

日常的に経験するお腹の張り、肩こり、むくみ、不眠などは、実はグルテンが関わっている可能性があります。

消費者のニーズに応えるため、産業上の効率を追求して改良された小麦が広く流通しています。日本で昔から親しまれていた小麦とは異なり、グルテンの含有量が増加し、消化が難しくなったと言われています。

グルテンを含む食品の具体例

小麦を含む食品の例として、次のものが挙げられます。

・パンやパン粉・パスタ類やうどん、素麺・餃子やシュウマイ・カレーやシチューのルウ・揚げ物の衣(から揚げ、トンカツなど)・ケーキやクッキー、ドーナツ、パンケーキ・ビールや麦焼酎・ふりかけ・調味料(ドレッシング、醤油など)

このように、グルテンはパン類や麺類だけでなく、カレーのルウやビールにも含まれることが多いため、注意していないと意識せずに摂取してしまうことがあります。

グルテンフリーとは何か?

グルテンフリーとは、食品から小麦に含まれる「グルテン」を取り除く食事方法を指します。この食事法は元々、欧米を中心にセリアック病患者のための食事管理として生まれました。

セリアック病とは、グルテンに反応して体に悪影響を及ぼす遺伝性の自己免疫疾患です。この病気は遺伝要因に加え、グルテンの蓄積によって発症することもあります。

元来は療法として存在していたグルテンフリーですが、多くの著名なアスリートやミュージシャンが実践し始めたことで注目を集め、健康的な食習慣として世界中に広がっています。

オートミールはグルテンを含まない

一般的に、オートミールはグルテンを含まない食品です。

粉末状にして水を加えても、小麦粉のようにグルテンを生成することはありません。

しかし、すべてのオートミールがグルテンフリーというわけではないようです。

オートミールに小麦が混入する可能性について

オートミールが市場に出る際、加工段階で小麦が紛れ込む可能性があります。

同種の穀類が共に取り扱われることがある工場では、オートミールにグルテンを含む小麦が混入することが考えられます。

そのため、すべてのオートミールがグルテンフリーとは限りません。

原材料の表記とコンタミネーションを確認する

小麦は、主食としてだけでなく、さまざまな食品に含まれているため、成分表示の確認が重要です。

成分表示は、使用量が多い順に記載されているため、「小麦」が後半に記載されている場合も注意が必要です。

さらに、小麦を使う製品と同じ設備で生産されていないか、混入の可能性を確認することも欠かせません。

混入とは、製造や加工中に意図しない食品やアレルゲンが入ることを指します。

小麦に対するアレルギーが強い方は、「この製品を作る工場では、小麦を含む他の製品も製造しています」といった表示がある商品を避けた方が安全です。

グルテンフリー認証シンボルを確認する

「グルテンフリー認証マーク」もひとつの確認手段です。

GFCO(Gluten-Free Certification Organization)の基準はグルテン含有量が10ppm(0.001%)以下で、国際基準の半分に当たります。

GFCOは、アメリカのセリアック病およびグルテン関連疾患の患者を支援する協会によって設立され、2020年現在で世界51か国において60,000を超える商品が認証を受けています。

厳しい基準を満たしたGFCOの認証マーク付きの食品を選ぶことで、安心感を持つことができます。

グルテンフリーの米粉認証マークを確認する

日本では、グルテンフリーの表示に関する明確な基準は設けられていませんが、「ノングルテンJAS認証」の仕組みが米粉には存在します。

米はもともとグルテンを含まないため、この認証では製造過程で外部からのグルテン混入を防ぎ、グルテン含有量が1ppm以下(0.0001%以下)となることを確認した米粉が「ノングルテン米粉」としてラベルに表示されるシステムです。

米粉を使用した食品の場合、その製品や企業のウェブサイトに次の表示があるか確認するとよいでしょう。

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