一日の終わりにふと訪れる静寂の中、心と体を穏やかに整える時間があります。それが「夜の紅茶」です。心地よい眠りの準備として、多くの人に親しまれているこの習慣。心を落ち着かせ、温かみを帯びた紅茶の香りに包まれながら、ほっとするひとときを過ごすのはいかがでしょうか。ティータイムの魅力は、単なる飲み物以上に、身も心も癒す力を持っています。夜の紅茶がもたらすリラックス効果を、一緒に見つけてみませんか。
夜に紅茶を飲んでも大丈夫?
夜に紅茶を飲むと、カフェインの影響で目が冴えると思われる方も多いかもしれません。
コーヒーや紅茶のカフェインは覚醒効果がありますが、紅茶に含まれる適度なカフェインの摂取はストレス軽減や疲労回復に効果があり、気分を落ち着けてくれるとも言われています。
また、紅茶の中のテアニンがカフェインの吸収を抑制するため、大量にさえ飲まなければ、眠れないほどの影響は少ないようです。ただし、カフェインに敏感な方もいらっしゃいますので、その場合は注意が必要です。一般的には過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
カフェインは摂取後すぐに吸収され、30分から1時間ほどでピークになりますが、その後数時間かけて分解されるため、睡眠を妨げたくなければ夜の紅茶を飲む際は就寝1時間以上前が良いかもしれません。
夜の紅茶が体に与える影響とは?
夜の紅茶を飲むと眠れなくなると考える方も多いかもしれませんが、実は寝る前に紅茶を楽しむことにはいくつかのメリットがあります。る前に紅茶を飲むことで得られる利点について詳しくご紹介します。
リラックス効果
夜に飲む紅茶には、テアニンと呼ばれるアミノ酸が含まれており、これは甘さや旨味の元となり、リラックスへと導いてくれる成分です。単なるリラックス効果にとどまらず、集中力を高める効果もあります。
また、紅茶にはカフェインも含まれており、この成分は眠気を覚ますだけでなく、集中力を高める効果も持っています。テアニンとカフェインを一緒に摂取すると、長時間の集中が可能になることが知られています。
テアニンの効果
テアニンは、リラックスを促し、緊張感を解く成分です。さらに、手足の血流を改善する効果があるため、冷えの改善や体の疲労回復に役立ちます。また、睡眠の質を向上させる効果があるので、リラックスタイムに最適です。
テアニンは、紅茶のほか、緑茶やウーロン茶にも含まれています。特に茶葉の新芽に多く含まれており、抹茶や玉露、旬の紅茶の新芽に豊富に含まれる成分です。
リラックス効果だけじゃない!夜の紅茶がもたらす健康への嬉しい効果とは?
夜に紅茶を飲むと、リラックス効果と共に健康に良い様々な作用を得られます。
抗菌効果
夜の紅茶には、渋みのもととなるカテキンが含まれており、抗菌作用を発揮します。食中毒や感染症の原因となる細菌にも効果的です。さらに、ウイルスの感染力を弱める働きも持っています。
この紅茶には、カテキンが結合して形成されるテアフラビンという赤い色素も豊富で、より強力な抗菌・抗ウイルス作用があります。
夜に紅茶を飲むことで、口内や食道に付着した病原菌やウイルスを洗い流し、感染予防を図りましょう。カテキンは緑茶やウーロン茶にも多く含まれるため、これらを習慣的に飲んだり、うがい用に使用するのも推奨されます。
高血圧予防と脂肪吸収抑制
テアニンとカテキンは紅茶に含まれる血管拡張成分であり、血管を広げて血圧を下げる効果があります。これにより、紅茶は高血圧を予防するのに役立ちます。さらにテアフラビンも、高血圧を持つマウスで血圧低下が確認されています。
また、カテキンとテアフラビンは、脂質分解酵素の働きを抑え、体内の脂肪吸収を減少させます。これにより、紅茶を飲むことで血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールのレベルが下がることが期待できます。
さらに、カテキンとテアフラビンは脂肪の分解を促進します。テアフラビンの脂肪分解効果はカテキンの8倍以上であるため、テアフラビンを豊富に含む紅茶は体脂肪の減少に大きな効果をもたらします。
糖尿病予防
カテキンとテアフラビンは、炭水化物を分解するアミラーゼやグルコシダーゼの活動を妨げます。その結果、糖質の吸収がゆっくりになり、血糖値の急激な上昇を防ぐ効果があります。
さらに、カテキンは血糖値を調整するインスリンの効果を抑えるタンパク質の働きを抑制します。夜の紅茶を飲むことで血糖値の変動が抑えられ、糖尿病予防が期待できます。
ストレス軽減効果
アールグレイはフレーバーティーの中で非常に有名で、ベルガモットのシトラス香が特徴です。この香りにはストレスを和らげる効果があり、リラックスにも適しています。
また、ピーチティーも多くの人に愛されているフレーバーティーで、甘い桃の香りには心を落ち着ける効果やイライラを軽減する効果があります。
疲労回復効果
夜に楽しむ紅茶の中には、疲労回復を助けるフレーバーティーがあります。特にレモンの香りがついた紅茶であれば、レモン果汁を加えなくても簡単にレモンティーが楽しめます。
レモンの香りはリフレッシュ効果や血流の促進をサポートするため、紅茶本来の疲労回復特性と相まって、さらなる疲労回復が期待できます。
夜に紅茶を飲むことの欠点
夜の紅茶を楽しむ前に、その利点と欠点を把握しておくことが重要です。寝る前に紅茶を飲む際は、これらを慎重に考慮して決断しましょう。
カフェインの影響で浅い眠りになることがある
紅茶に含まれるテアニンはカフェインの効果を軽減してくれる一方で、カフェインの覚醒作用により眠りが浅くなる可能性があります。そのため、夜に紅茶を飲む際には注意が必要です。習慣的にカフェインを摂取している方は、入眠に問題が出る可能性が高まるため、夜に飲む紅茶の量を減らすか、カフェインレスの紅茶に切り替えることをおすすめします。
カフェインが利尿作用を促し、トイレが近くなる可能性
カフェインには利尿作用があるため、夜に紅茶やコーヒーを飲むとトイレに行きたくなることが多いです。夜中にこの作用で目が覚めると、睡眠不足になりかねません。カフェインの影響を受けやすい方は、寝る前にカフェインの摂取を控えるよう心がけましょう。
夜におすすめの紅茶
最近では、カフェインを抜いた紅茶もスーパーで手に入るようになっていますので「カフェインが気になる」という方にはカフェインの入っていない「デカフェ紅茶」や「カフェインレス紅茶」を選んでみるのはいかがでしょうか?
こういったカフェインレス紅茶は、香りが普通の紅茶に比べて劣るものもありますが、ほとんど普通の紅茶と変わらない高品質なものも多く出ています。
「極上はちみつ紅茶」はカフェインレスではありませんが、ティーバッグにたっぷり含まれたはちみつが低血糖を防ぎ、睡眠の質を高めてくれる効果があり、就寝前のリラックスタイムにぴったりです。
はちみつと紅茶の香りが体と心をさらにリラックスさせてくれ、はちみつと紅茶の疲労回復効果も期待できるので、翌朝の目覚めもスッキリしますよ。