一般的に、メロンの追熟に必要な期間は収穫後3日から7日程度です。追熟が進むことで糖度自体は大きく変わりませんが、果肉がやわらかくなめらかになり、甘みをより強く感じられるようになります。また、メロン独特の上品な香りも増して、風味とコクも格段に向上します。一方で熟しすぎると内部が発酵し始めてしまうため、ちょうど追熟が整ったタイミングが最も味わい深い食べ頃となるのです。

食べ頃のメロンを選ぶためのポイントは以下のようになります。

食べ頃のサイン1：ヘタの状態

収穫時は立っていたヘタが細くしおれ、先端が茶色くなってきたら食べ頃の目安です。

食べ頃のサイン2：果皮の色

追熟が進むと緑色から黄色味がかった色合いに変化します。

食べ頃のサイン3：底のかたさ

押したときに少しへこみ、弾力が十分に感じられる程度のかたさが食べ頃です。ブニブニするほどやわらかければ過熟です。  

食べ頃のサイン4：香り

食べ頃のメロンからは特有の芳香がするので、甘い香りに注目しましょう。

食べ頃のサイン5：叩いたときの音

収穫直後は高い音がしますが、追熟が進むとくもった鈍い音になります。

これらのサインを総合的に判断し、見逃さずに食べ頃のメロンを選びましょう。

メロンには、ネット系や青肉種、赤肉種など、さまざまな種類があります。食べ頃や追熟の特性も、品種によって大きく異なります。

ネット系の代表格であるアンデスメロンは、6月下旬から8月初旬が最盛期。果皮の色や香りの変化は少ないため、重さや軽くなっている感触などから食べ頃を判断します。一方、夕張メロンなどの赤肉種は、もともと果肉がやわらかく、追熟期間が短めです。早めに食べ頃を迎えるので、サインを見逃さないよう注意が必要です。

ノーネット系のプリンスメロンやハネデューメロンは、さっぱりとした甘さと手頃な価格が人気です。香りが弱めなので、果皮に黄色味が出て、底を押したときの弾力などから食べ頃を判断するのがポイントです。

このように、メロンの種類ごとに特性があり、それに合わせて食べ頃を見極める必要があります。種類に合わせた食べ方を心がければ、メロンの魅力を十分に味わえるはずです。

メロンは傷みやすく、日持ちしにくい果物です。しかし、適切な保存環境を整えることで新鮮さをより長く保つことができます。メロンの正しい保存場所は、直射日光が当たらず風通しのよい室内の常温です。冷蔵庫に入れると糖度が落ち、風味が損なわれてしまうのです。

理想的な保存温度は15度から20度程度です。常温で保存することで呼吸を続け、新鮮さが保たれます。ただし、高温多湿の環境では早く傷んでしまうので注意が必要です。購入後は冷暗所に置き、1日1回は手で軽く押して熟し具合を確認しましょう。傷みの兆候が見られたら、すぐに食べきりましょう。

追熟を早めたい場合は、メロンをまるごとポリ袋に入れて密封保存すると良いでしょう。メロンから発生するエチレンガスの効果で、通常より早く食べ頃を迎えます。一方で、食べ頃を遅らせる方法はありません。冷蔵庫に入れると追熟が止まり、かえって傷みやすくなるためです。

食べ頃になったら数時間前に冷蔵庫で冷やすと美味しくいただけますが、長期保存は適しません。できるだけ早めに食べきり、残りは冷凍保存してスムージーなどにアレンジするのがおすすめです。

メロンの味わい最高の食べ頃は、時期を逃さず見極めることが何よりも大切。食べごろを逃せば、味は落ちてしまいます。

熟れすぎれば表面が黄色く変色し、軟らかくなり、甘みが失われてしまう一方、未熟のメロンは固く酸っぱく、おいしさは期待できません。

香りの良さ、へたの茶色さ、あおいだ時の音の濁り具合、そして重さなど、兆候を見極めましょう。これらの手がかりを総合的に判断することで、旬の味わいを堪能できるタイミングを逃さずに済みます。

新鮮で美味しいメロンを楽しむには、保存方法と食べ頃のサインを押さえておくことが重要です。出来立ての最高の味わいを堪能するため、見極め方をマスターしましょう。