柏餅由来

柏餅由来

柏餅由来

春の訪れを告げる風物詩として、柏餅は日本人に広く親しまれています。その柏餅には、古くから伝わる由緒ある由来があり、単なる食べ物以上の意味を持っています。柏餅の歴史と文化的背景に思いを馳せながら、その由来にスポットを当ててみましょう。

端午の節句の食べ物、西は「粽(ちまき)」・東は「柏餅(かしわもち)」

大空に鯉のぼりが泳ぐ頃、日本には地域によって異なる端午の節句の食文化があります。東日本では柏餅(かしわもち)が、西日本では粽(ちまき)が代表的な節句の食べ物として親しまれています。

この違いは、端午の節句が平安時代に中国から伝えられた際に、粽が全国に広まったことに起因します。その後、江戸時代に五節句のひとつとして定着した際、縁起物の柏餅が江戸を中心に広がりました。一方で、伝統を重んじる上方地方では粽が引き続き受け継がれました。幕末頃には、関東で柏餅、関西で粽を食べる傾向が確立されていたことが、当時の文献からも窺えます。

しかし、東西でその形態は異なるものの、粽や柏餅を食べる背景には共通した思いがあります。それは、男児の健やかな成長を願う心です。粽は力強さと健康の象徴、柏は育ちを守る木として、どちらも男児の成長を祈る大切な存在なのです。地域による多様性はありますが、その根底にある日本人の心は一つなのです。
柏餅由来

季節を感じる和菓子、春夏秋冬それぞれの代表をご紹介

見た目と味で四季を感じられる和菓子の魅力が凝縮されています。

春の桜餅、夏の涼やかな水無月や葛まんじゅう、秋の栗きんとんやおはぎ、冬の柚子餅や亥の子餅など、季節の移り変わりが味わい深く表現されています。和菓子は日本人の自然への畏敬の念が宿る、日本文化の粋を体現する存在です。旬の素材を活かした見た目の美しさと、素朴ながらも心温まるおいしさが魅力的です。四季折々の自然の恵みを味わえる、日本の伝統の粋を映す和菓子の世界がよくわかります。

季節を感じる和菓子とともに、ほっと安らぐティータイムを!

和菓子には、四季折々の趣が凝縮されています。春の柔らかな色調を宿した上生菓子、夏の暑さを忘れさせる涼やかな水羊羹、秋の豊穣の恵みを映した栗や柿の甘味、そして冬の清らかさを映す白雪のような求肥など、和菓子は季節の移ろいを愉しませてくれる存在です。

時の流れと共に旬の和菓子と一緒にひと息つくティータイム。苦渋の調和した煎茶と、彩りと味わいを添える和菓子を組み合わせれば、五感で日本の四季を堪能できます。風雅な茶釜と茶碗を用いれば、非日常の雰囲気も味わえ、極上の時間が過ごせるでしょう。ゆったりと時が経つ中で、行事や自然の景色を想起しつつ、日本人ならではの伝統の味に触れることができます。
柏餅由来

まとめ


柏餅は、柏の木の若葉を丸め、白米の糊で固めた伝統的なお菓子です。古来より、柏は邪気を払う力があると信じられ、正月や節句に供えられてきました。柏餅を食すことで、一年の無事と家内安全を願う風習がありました。日本人の心に根付く柏餅には、自然への畏敬と家族の繁栄を祈る崇高な想いが込められているのです。