メロン食べ頃

夏の訪れと共に心躍らせるのが、甘くてジューシーなメロンの旬の季節です。この瑞々しくて贅沢な風味を最大限に楽しむためにも、メロンを食べ頃に味わうことが大切なのです。しかし、果物の中でも特に繊細なメロンの食べ頃を見極めるのは容易なことではなく、正確に判断するための一定の知識と経験が必要とされます。そこでこの記事では、プロが教えるメロンの食べ頃の見極め方について解説していきましょう。
メロンの食べ頃は「追熟」が完了する収穫後3~7日目
メロンの真骨頂は、甘さとジューシネスが特徴のその味わいだと言えますが、その魅力を100%引き出すためのポイントは、食べ頃のタイミングにあります。収穫直後のメロンはまだちょっと硬く、未熟な青みが残っています。
しかし、時間の経過とともに起こる「追熟」という自然のメカニズムにより、その味と香りは大幅に向上します。メロンのこの追熟というプロセスは、収穫直後から約3~7日程度続く事が一般的とされています。
この追熟期間を通過すると、果肉はやわらかくなり、甘みが引き立ちます。ただし、糖度自体は大きく変わらないと言われています。その代わり、メロン特有の風味深い香りが加わり、全体の味わいが一層引き立てられます。
しかし注意が必要なのは、追熟が進み過ぎると果肉が発酵し始め、オーバーライプの状態になる可能性があることです。したがって、追熟がちょうど完了した時期が、最高の食べ頃と言えるでしょう。
だからと言って、ただ待つだけでなく、購入したメロンの色や香りをひとつの指標に、食べ頃をジャッジすることも重要です。もしメロンが思うような味わいにならない場合、食べるタイミングを見直すことをお勧めします。ジューシーで香り豊かな最高のメロンを味わうために、追熟の理解と、その期間の見極めが欠かせません。

食べ頃メロンを見分け方 メロンを見分ける5つのサイン
夏の味覚といえば、ジューシーで甘いメロンを思い浮かべる方も多いはず。しかし、店頭に豊富に並べられたメロンの中から、実際に食べ頃のものを見極めるのは簡単なことではありません。そこで、最高のメロンを選び取るための5つの適切な時期を見逃さないポイントをお教えします。
最初に「色」を見てみましょう。熟したメロンの皮は、緑からやや黄色味を帯びた色に変わります。鮮やかさが失われ、色が均一でない場合は未熟かもしれません。次に「重さ」をチェックします。手に取ったときに重たく感じるものは、果肉がジューシーな証拠です。また、「香り」にも注目です。独特の甘いフルーティーな香りが漂うメロンは、食べ頃を示しています。「ヘタの状態」も見逃せません。ヘタの根元がまだ青く、先端が茶色っぽく枯れているように見えれば、食べ頃のサインです。最後に「ネット(網目模様)」も確認します。均一に広がっている方がよい証とされています。
さらに、メロンの底を親指で押してみるテクニックもあります。食べ頃のメロンは、押したときに底が少しへこみ、弾力が十分感じられるくらいの柔らかさです。そして、追熟が進んだメロンには、耳を近づけて指で軽く叩くと、低い音が聞こえます。
これら全ての視覚、触覚、聴覚、嗅覚をフルに活用して、一番美味しいメロンを見つけてください。たとえば、その甘い香りだけで食べ頃だと気づく瞬間もあります。最高のメロン選びが、これからの季節をより一層楽しくしてくれることでしょう。
種類別にみるメロンの食べ頃・食べ方
メロンは果皮の網目や果肉の色によって異なる種類があり、それぞれの種類に合った食べごろがあります。以下では主なメロンの種類と、それぞれの食べごろや追熟の特性について紹介します。
アンデスメロン(ネット系・青肉種)
アンデスメロンはネット系・青肉種の代表的なメロンで、マスクメロンなどが含まれます。例えば「アールスフェボリット(アールスメロン)」系の品種や「タカミメロン」「肥後グリーン」「キスミーメロン」「鶴姫」もこの種類です。食べごろは種類によって異なりますが、果皮の色や香り、触感などに注目すると良いでしょう。特に以下のサインが見られる場合、食べごろに近いと考えられます。
果皮が香り立つ
ヘタの部分が少し沈んでいる
色が濃くなってきた
香りが増してきた
ふくらみが感じられる
夕張メロン(ネット系・赤肉種)
夕張メロンを含むネット系・赤肉種は、濃厚な甘さが特徴です。夕張メロンや「クインシーメロン」「ルピアレッド」「鶴姫レッド」などがあります。赤肉種はもともと果肉が柔らかく、追熟が比較的早いです。食べごろのサインは以下の通りです。
果皮がやや柔らかくなってきた
ヘタの部分が少し沈んでいる
色が鮮やかな橙色に変わってきた
香りが増してきた
プリンスメロン・ハネデューメロン(ノーネット系)
ノーネット系メロンは、網目がなくつるっとした外観が特徴です。プリンスメロンや「ハネデュー(ハネジュー)メロン」「ホームランメロン」「キンショーメロン」などが知られています。ノーネット系メロンは香りがネット系に比べて控えめで、食べごろの見極めが難しいこともあります。以下のサインに注目して食べごろを判断しましょう。
果皮がいくぶん黄色味を帯びてきた
底を押したときに弾力が感じられるようになった
各種類のメロンにはそれぞれ特有の特性があり、食べごろを見極めるのは楽しいものです。外観や香り、触感を大切にしながら、美味しいメロンを堪能してください。

メロンの保存は常温が基本
メロンの価値はその香りと甘さにあり、そのためには適切な保存方法が欠かせません。日本では高級果物として扱われるメロンをどうやって長く楽しむことができるのでしょうか。
メロンの保存は、風通しの良い、日光の当たらない場所が理想的です。冷蔵庫にすぐに保管するのは避けましょう。未熟なメロンを冷蔵庫に入れると、果肉が硬くなり、香りが閉じ込められてしまい、さらなる熟成が阻害されてしまうからです。
その代わり、エアコンの直射風が当たらない適度な温度で保管するのが望ましいです。
食べ頃になったら、食べる数時間前に冷蔵庫に移すことで、香りも甘さもバランスよく引き立てられます。そして、一度カットしたら必ずラップ等で包み、冷蔵庫で保存しましょう。これは細菌の繁殖を防ぐためです。未食部分は2、3日で食べきるように計画的に消費することをおすすめします。
高級なメロンの美味しさを最後の一切れまで堪能するために、正しい保存方法を守ることが大切です。この素晴らしい果物を最大限に味わうためには、保存方法に十分な注意を払うことでその美味しさを維持し、価値ある時間と共有しましょう。
食べ頃を早めたいときは、袋に入れて密封保存
バナナやリンゴ、キウイといった果物を追熟途中で、早く食べ頃にしたいと思ったらどうしたら良いでしょうか?その方法はとても簡単です。まず、果物を一つまるごとポリ袋に入れ、口をしっかりと閉じて密封します。その後、袋ごと冷暗所に置いておきます。
こうすることで、袋の中に果物から放出されるエチレンガスが密閉されます。エチレンガスは、果物が早く成熟する働きがあるため、袋の内部をエチレンガスで満たすことにより、果物を通常よりも早く食べ頃にすることができます。ただし、腐敗の問題を避けるためには、密封した袋に小さな換気の穴を開けるのを忘れないでください。
また、トマトのような野菜も同じ方法で早く食べ頃にすることができます。袋の中でトマトがエチレンガスを発生させ、その成熟を早めることができるのです。
なお、エチレンガスと反応して腐りやすくなる果物や野菜、また病気のものは袋に入れず、適切な処理を行うことが重要です。
食べ頃を早めたいときには、ぜひこの方法を試してみてください。

食べ頃を遅らせる方法はない!
食べ頃を引き伸ばす方法として何もないと思っている方、その視点を少し変更してみはいかがでしょうか?困ったことに、私たちが気づいていないうちにフルーツや野菜はすぐに過熟してしまいます。しかし、日本の古来から続く知恵と技術を活かした保存方法が存在することを知っていますか?これは、「冷蔵庫を活用する」ことの基本的なアプローチです。
冷蔵庫を使用することで食べ物の新鮮さを長時間維持できますが、冷蔵庫でフルーツや野菜を保存する際は不可欠なアドバイスがあります。柑橘類のフルーツは寒さに弱いので、常温近くで保存することが最善です。一方、葉野菜は高温と乾燥に敏感なため、冷蔵庫の野菜室がベストです。各食品の味が最も良いと感じる温度と湿度を理解することで、食べ頃をいつでも自分で調節することが可能になります。
さらに、食品ごとに適した収納容器を選ぶことも重要なポイントです。たとえば、野菜はプラスチック袋に入れてから冷蔵庫に保管すると、湿度を維持するのが容易になります。また、特定のガスを放出する食品は他の食品と分けて保存しましょう。なぜなら、リンゴやバナナのような食品は他の食品の熟成を加速させる可能性があるからです。
一見、単純そうだけど難しそう、そう思いませんか?だからこそ、一つずつ理解していくことで、あなたの生活に間違いなく役立つ知識になるはずです。早めに食べてしまうことが難しい場合、冷凍保存してスムージーやシャーベットにアレンジするのも一つの方法です。
まとめ
メロンの食べ頃を見極めるには、「色」「香り」「重さ」「砂糖度」をチェックすることがカギです。良いメロンは色が鮮やかで、甘い香りがあり、予想より重く、糖度が高いものが一般的です。これらの要素を把握し、購入した自分だけのメロンを、適切な状態で食べることで至福の味わいを味わえるでしょう。