マンゴー 栄養

トロピカルフルーツの代表格ともいえる「マンゴー」。その濃厚な甘みととろけるような食感は、まるで自然が作ったスイーツのようです。今回は、そんなマンゴーの基礎知識から、栄養価、効率的な食べ方、妊娠中の摂取可否、カロリー事情、そしてドライマンゴーの魅力まで、詳しく解説します。
マンゴーとは?
マンゴーは、世界中で愛されているトロピカルフルーツのひとつで、その芳醇な香りとねっとりとした舌触りが特徴です。世界三大美果のひとつとも称され、まるでスイーツのような味わいは、果物好きにはたまらない存在でしょう。原産地は南アジアですが、現在ではフィリピン、インド、メキシコなど多くの熱帯地域で栽培されています。また、葉は食用や薬用、染料としても用いられるなど、多彩な用途を持ちます。近年では日本国内でも栽培が盛んで、特に宮崎県の「太陽のタマゴ」などは高級品として知られています。さらに、温泉の地熱を利用して北海道でも栽培が行われるなど、国内の生産地も多様化しています。
マンゴーの栄養成分と効果効能
マンゴーは、甘く美味しいだけでなく、健康や美容にも嬉しい栄養素がぎっしり詰まっています。まず注目したいのは「ビタミンE」。抗酸化作用が強く、細胞の老化を防ぎ、血行促進や肌のターンオーバーを助けてくれます。そのため、エイジングケアや美肌を目指す人には特におすすめです。ただし、摂り過ぎは骨密度に影響を与える可能性もあるので注意が必要です。次に「葉酸」。これは妊娠期に欠かせない栄養素として知られ、胎児の健やかな成長をサポートします。赤血球の生成にも関わることから、「造血ビタミン」とも呼ばれています。そして「βカロテン」には、活性酸素の働きを抑える強力な抗酸化効果があり、体の内側から若々しさを保つサポートをしてくれます。さらに、不溶性・水溶性の両方の「食物繊維」も含まれているため、腸内環境を整えるうえでも理想的な果物と言えるでしょう。

マンゴーの栄養を効率的にとる方法とは
マンゴーの豊富な栄養をムダなく摂取するには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。まず、葉酸などの水溶性ビタミンは加熱に弱いため、生のまま食べるのがベストです。次に、脂溶性のビタミンEやβカロテンは、脂質と一緒に摂ることで体内への吸収率が高まります。そのため、ヨーグルトやナッツと組み合わせて食べるのがおすすめです。また、βカロテンは細胞壁が壊れることで吸収されやすくなるため、ミキサーでピューレ状にしたりスムージーにするとさらに効果的です。一方で、マンゴージュースなど加工品は手軽ですが、不溶性食物繊維が除かれていることが多いため、腸内環境の改善を期待するなら生の果実が適しています。少し手を加えるだけで、栄養効率がグンとアップしますよ。
マンゴーは、妊娠中の女性にもおすすめできる果物のひとつです。特に胎児の正常な成長に不可欠な葉酸が豊富に含まれており、妊活中や妊娠初期の栄養補給には理想的です。加えて、妊婦さんが悩みがちな便秘の予防にも役立つ食物繊維もバランスよく含まれており、腸内環境の改善にも一役買ってくれます。ただし、マンゴーは美味しさゆえに食べ過ぎてしまうことも。たんぱく質やカルシウムなど妊娠中に必要な他の栄養素はあまり含まれていないため、マンゴーだけに偏らず、主食や主菜もバランスよく摂るよう心がけましょう。適量を守れば、妊娠中の栄養補給にもピッタリなフルーツです。
マンゴーはカロリーが高い果物なのか
マンゴーは果物の中では甘みが強く、カロリーもやや高めに感じるかもしれません。実際、マンゴーの糖質量はりんごやみかんより多く、そのためエネルギーもやや高くなります。ただし、バナナほど高カロリーではないため、適量を意識すれば心配する必要はありません。注意したいのはマンゴージュースなどの加工品です。市販のジュースには砂糖が加えられている場合が多く、飲みすぎると糖質過多になりがちです。購入時には原材料表示を確認しましょう。また、厚生労働省のガイドラインでは、果物の1日摂取目標は約200g。アップルマンゴーなら半分程度が目安です。夜遅い時間に摂ると脂肪として蓄積されやすいため、食べるタイミングも重要です。糖尿病などの持病がある方は、医師と相談しながら取り入れましょう。
ドライマンゴーの特筆すべき栄養素
ドライマンゴーは、手軽にマンゴーの栄養を取り入れられる保存性の高い食品ですが、特に注目したいのが食物繊維の含有量です。乾燥工程により水分が飛び、栄養が凝縮されるため、同じ量でも生のマンゴーに比べて圧倒的に多くの食物繊維を含んでいます。たとえば、100gあたりの含有量はドライマンゴーで6.4g、生のマンゴーでは1.3gと、約5倍近くも差があります。食物繊維は腸の働きを整え、便通の改善や血糖値の上昇抑制、コレステロールの排出などに貢献します。日本人の平均的な摂取量は推奨値に届いていないため、日常の食事にドライフルーツを取り入れるのは有効です。ただし、ドライマンゴーは砂糖を加えている商品も多いため、購入時には無添加のものを選ぶようにしましょう。

マンゴーの栄養は冷凍しても大丈夫なのか
トロピカルな風味で愛されているマンゴーは、そのままであっても、また冷凍した状態でも素晴らしい栄養価を保持しております。ただし、マンゴーの栄養を最大限に活用するためには、冷凍が適切に行われているかが重要です。
まず初めに、マンゴーを冷凍する際の秘訣は、切り口が空気に触れないようにラップをされることです。鮮度を維持できれば、結果として栄養価も維持できます。大きめの一口サイズにカットされた物は、ラップで密封し、冷凍保存バッグに入れる前に空気を抜くことが欠かせません。ちょっと手間がかかる方法ではありますが、無駄に栄養素を失わないためには重要なステップです。
さらに、解凍の方法も適切に行いましょう。完全に解凍すれば、水分が多くなってしまい、うまみが損なわれる可能性があります。そのため半解凍の瞬間を見逃さずに、シャーベット状になったマンゴーをお楽しみください。この状態で食すことで、そのままの甘みやジューシーさを感じることができます。
一方、果物の甘さは温度で変動し、特に冷蔵の気温(約5℃)で一番甘さを感じます。それ以上に冷やした場合、甘味は若干弱まります。ですから、あまりに甘い果物が苦手な方は、冷凍マンゴーを試してみると良いでしょう。
毎日冷凍マンゴーを食べても体に害があるのかと問われれば、食べる分量が適正であれば問題ないです。しかし、冷たいものの摂取には注意が必要で、過度な摂取は胃腸を痛める可能性があります。市販の冷凍マンゴーは100〜200gほどのパックが一般的で、その全量を一度に摂取すると、胃腸に負担を感じるかもしれません。自身の体調と相談しながら、摂取量を調節しましょう。
まとめ
マンゴーはそのまろやかな甘さだけでなく、豊富な栄養素も魅力のひとつです。ビタミンEや葉酸、βカロテン、食物繊維など、健康と美容を支える栄養がバランスよく含まれています。食べ方を工夫すれば、さらに効率よくその栄養を摂取することも可能です。妊婦さんでも安心して楽しめる一方で、糖質量やカロリーには注意が必要。ドライマンゴーも上手に取り入れて、日々の食生活にマンゴーを賢く活用してみてくださいね。