切山椒とは - スイーツモール

切山椒とは

切山椒とは

切山椒は、砂糖や山椒、上新粉を主成分とする伝統的な郷土菓子で、特に冬の時期に楽しむことが多い和菓子です。色とりどりのカラフルな見た目と、山椒の独特な風味が特徴で、地域によっては根強い人気を誇ります。この記事では、切山椒の基本的な特徴や歴史、風味について詳しく紹介し、その魅力に迫ります。

切山椒とは

切山椒は、砂糖や山椒の汁や粉、上新粉を主な材料とする伝統的な郷土菓子です。この菓子は生地を蒸し上げ、白や赤、ピンク、薄緑、生成りなどのカラフルな色に染めてから、短冊状に切り揃えられて作られます。山椒のガクの部分を乾燥させ、細かく刻んで餅に練り込むことで、山椒の独特の風味と食感が楽しめます。紅白に染まったものが一般的ですが、黒糖を使った茶色の切山椒もあります。


切山椒は冬の時期に作られることが多く、山梨県の甲府盆地や山形県の鶴岡、新潟県の庄内地方などで古くから親しまれてきました。全国的に広く知られているわけではありませんが、浅草や新宿といった都市でも購入することができる場合があります。ただし、一年を通して販売している和菓子店は多くありません。

切山椒とは

切山椒の歴史・由来

切山椒は江戸時代から多くの人々に愛されてきた和菓子で、夏目漱石の日記にも登場するほど有名です。しかし、切山椒に関する文献は少なく、その由来ははっきりしていません。発祥地とされる山梨県でも、その歴史的背景を知る人は少ないようです。山椒の強い香りは古くから厄除けとして使われており、一年の厄祓いと無事な新年を願って、年末の風物詩として食されてきたとされています。


また、短冊状の形が火災予防を意味する「柏子木」に似ていることから、冬の火災が多い時期に火の用心として作られていたとも言われています。山椒の実が一度にたくさんつくことから、子孫繁栄の縁起物としても知られています。茶人の小堀遠州も切山椒を好んで食べていたと伝えられており、「山椒餅」とも呼ばれていました。江戸時代後期には現在のような算木形になったと言われています。

切山椒の風味と味は?

切山椒は、柔らかくふんわりとした食感が特徴で、見た目もカラフルで可愛らしい和菓子です。山椒の香りがほのかに漂い、食欲をそそります。求肥やお餅が好きな方には特に魅力的な一品です。山椒の果皮を乾燥させて粉状にし、それを蒸してお餅に混ぜ込み練り上げているため、歯ごたえがとても良く、もっちりとした柔らかい食感が楽しめます。


時折感じられる山椒のピリッとした風味はシナモンにも似た感覚を与え、餅の甘さを引き立てる絶妙なアクセントとなっています。黒糖が使われている切山椒では、さらに深いコクが感じられることでしょう。一口含むと、懐かしさを感じさせる素朴な味わいが口いっぱいに広がり、飽きのこない美味しさがあります。

切山椒の和菓子分類

切山椒は製法で見ると「蒸し物」に分類され、水分量からは「半生菓子」に分類される和菓子です。
切山椒とは

切山椒の主な材料

切山椒の主な材料は、砂糖、山椒、上新粉などであり、一切れ(30g)あたりのカロリーは76kcalです。

まとめ

切山椒は、その豊かな風味と独自の食感で、多くの人々に愛され続けている和菓子です。江戸時代から続くこの郷土菓子は、山椒の香りと味わいが特徴で、色鮮やかな見た目も楽しませてくれます。発祥の地や由来については諸説ありますが、年末の風物詩として長年親しまれてきました。現在では、浅草や新宿などの都市でも見かけることができるものの、一年を通して手に入れるのは難しい場合もあります。切山椒の一口には、懐かしさとともに素朴な美味しさが詰まっており、どこか温かみを感じさせる一品です。