あんず種類 - スイーツモール

あんず種類

あんず種類

あんずは、その芳香と酸味が特徴の果物で、加工用と生食用のさまざまな品種が日本で栽培されています。日本で見かけるあんずは、用途や味わいに応じて多くの品種があり、それぞれが独自の特徴を持っています。ここでは、日本で栽培されている主なあんずの品種と、その歴史的背景について詳しくご紹介します。

あんずの種類

日本で栽培されているあんずには、加工向け、生食向け、加工・生食両用のさまざまな種類が存在します。主な生食向けの品種を以下に紹介します。


平和

大正時代に長野県のあんず園で発見された品種です。酸味が強く、主に加工用に栽培されています。果実は橙色の円形で、40g~70g前後の大きさです。

新潟大実

新潟県産のあんずで、1930年代から全国に広く紹介されています。淡橙色の果実はやや平たい球形で、40g~70gほどの大きさです。酸味が強く、ジャムやシロップ漬け、干しあんずなどの加工用途に使用されます。

山形3号

山形県産の品種で、果実は円形で黄色がかった橙色、60g前後の大きさです。甘味がありますが酸味も強いため、干しあんずやジャムの加工に用いられます。種を取らずにシロップ漬けにすると特有の風味が楽しめます。

信州大実

長野県産で、果実は80g~100g前後と大粒で円形、果皮も果肉も橙色です。香りが強くて糖度が高く、酸味は比較的少ないため、生食や加工用途に両方で使われます。同じく長野県産の「信陽」や「信月」も人気があります。

信山丸(しんざんまる)

酸味が強く、ジャムやシロップ漬けにしても生で食べても美味しい万能タイプの品種です。楕円形で橙色の果実で、果肉は緻密で40g~50g前後のやや小ぶりなサイズです。生産数は少ないものの高級品として評価されています。

ハーコット

カナダ生まれの品種で、日本には1979年に導入されました。果実は大きめの楕円形で、80g~100gの大きさで橙色です。甘味が強いため生食用として栽培されており、購入後は早めに食べることがおすすめです。

ゴールドコット

アメリカ生まれの品種で、酸味が少なく糖度が高いため生食に向いています。果実は円形で黄色がかった橙色で、50g前後の大きさです。

あんず種類

あんずの歴史

中国北部の山岳地帯が「あんず」の故郷とされており、紀元前2世紀から3世紀にかけて栽培がスタートしたと言われています。あんずは中国では五果(桃、李、棗、栗とともに)として尊ばれ、特に種の中の杏仁が漢方薬として利用されていました。そして、あんずはその後、2つのルートで世界に広がっていきます。一つはヨーロッパルート。中央アジアからイラン、トルコを経由し、地中海気候に適応したヨーロッパ系品種となりました。


もう一つは、アジアルート。中国北部から東アジアへと広がり、アジア系品種になったのです。このアジア系品種が日本にやって来たのは平安時代のことで、その当時は「唐桃」と呼ばれ、種を取るために特に栽培されていたようです。たとえば、その種は咳止めの薬として使われていました。


実際にあんずの果実を食べる習慣が浸透したのは、明治時代にヨーロッパ系の甘酸性が低い品種が導入された後のことです。そして、大正時代には日本国内で本格的なあんずの生産が始まったとされています。

まとめ

あんずは、古くから薬用として利用されてきた歴史ある果物で、日本でも多様な品種が栽培されています。生で食べることができる品種から、加工向けに適した品種まで、それぞれの特徴を理解することで、あんずをより楽しむことができます。あんずの歴史は中国から始まり、長い旅を経て日本に根付いたことが分かります。これらの情報を参考に、お好みのあんずを見つけて、その豊かな風味を堪能してみてください。