和紅茶とは
広大な茶畑が広がるインドやスリランカ、世界的に名高いダージリンやアッサム。紅茶と言えば、こうした海外の産地を思い浮かべる人が多いことでしょう。しかし、最近では桜の美しい国、日本でも紅茶が作られていることをご存知でしょうか？その名も「和紅茶」。ここでは、その和紅茶について深く掘り下げて見ていきましょう。
和紅茶とは
和紅茶の特徴
和紅茶は、日本国内で丹精に栽培された茶葉から製造される、独特な風味と香りを持つ紅茶で、日本文化の精神性を豊かに表現しています。ふくよかな香りと風味の深さが特徴であり、各茶葉の持つ個性と魅力が一杯一杯に凝縮されています。
西洋の紅茶がフルーツのような華やかな香りと甘さを放つのに対し、和紅茶は渋さが少なく繊細で落ち着いた風味が特徴で、そのマイルドさからストレートで楽しむことができます。和紅茶の醍醐味は、茶葉本来の甘みを感じられることで、日本食にも良く合います。
また、茶葉の収穫から製茶まで全てが日本国内で一貫して行われており、生産者の手間暇と愛情が詰まった逸品です。その中に日本の風土が息づき、日本人の心情が反映されています。
和紅茶はその風味と香りの深さが引き立つことから、西洋のスイーツだけでなく、和菓子にも相性抜群です。甘さを控えめにしてある和菓子とともに楽しむと、和紅茶の風味が一段と引き立ちます。
和紅茶を知ることで新たな発見があります。一度、味わってみてはいかがでしょうか。和紅茶の奥深さをぜひご体験ください。
和紅茶の産地と歴史
和紅茶は日本が誇る伝統的な紅茶で、その生成に至る流れは、約150年前、明治の時代に洋学の流入とともに始まりました。当初は西洋から伝わった紅茶作りを模倣する形でしたが、時代は流れ、昭和から始まる真剣な研究期間を経て、今日では日本独自の特性を引き立てる製法が確立され、それが和紅茶となりました。その香りや口当たりは、日本人の美意識を反映したもので、他には無い日本らしさが感じられます。
この和紅茶を最も豊かに生産しているのは鹿児島県で、日本の紅茶生産の過半数を占めていますが、その他にも産地は全国に広がっています。中でも静岡県は日本の和紅茶生産量のおおよそ7割を手掛けています。また、九州全土でも多くの和紅茶が生産されています。
数々の製法が研究され、紅茶だけでなく緑茶として加工されることも多く見受けられます。
和紅茶の効果・効能
「和紅茶」という日本独特の紅茶は、まさにその名の通りの優雅な風味と、多面的な健康効果を誇ります。日本の緑茶文化が主流である中、和紅茶の存在は新鮮であり、適量のカフェイン含有によってリラックス効果が引き立てられます。
また、和紅茶は、緑茶と同じく高濃度のポリフェノールを有しています。この成分は抗酸化作用に優れ、美容や老化防止を後押しします。さらに抗菌効果も期待され、口腔内環境の改善を手助けします。
特筆すべきは、和紅茶に含まれる多糖体の存在です。これは整腸作用に秀でていて、腸内環境のバランスを整える助けとなる一方、ヒト体内の善玉菌のエサとなり、健康維持の重要なパートナーとなります。
その独自の香りと深みを秘めた和紅茶は、美味しさ以外にもさまざまな健康効果を持ち合わせています。健康に配慮したライフスタイルを目指す方々にとって、和紅茶は日本生まれのスーパーフードと言えるでしょう。
和紅茶の美味しい淹れ方
和紅茶の美味しい淹れ方をご紹介します。
ホットで
1.
お湯を70~80℃の適度な温度に準備します。
2.
用意したホットカップに大さじ1杯の茶葉と200mlの①のお湯を注ぎます。
3.
3~5分間待ったら、ゆっくりと美味しさを引き立てるために注ぎます、
そのままでも十分美味しいですが、甘味を追加したい場合はお砂糖やハチミツを加えても美味しいですよ。
アイスで
1.
お湯を使わずに500ccの水を用意します。
2.
大さじ1杯の茶葉を①に入れます。
3.
冷蔵庫に入れて3~5時間待ったらゆっくりと注ぎます。
これも同様に、お好みでフルーツや砂糖、ハチミツを加えてアレンジするのもおすすめです。和紅茶の深い風味と、フルーツの甘酸っぱさが絶妙に組み合わさって、さらに美味しく楽しめます。
まとめ
和紅茶は、日本国内で栽培した茶葉から生産され、製法や風味に独自性を持つ日本発の紅茶です。一般的な紅茶とは異なる繊細な香りと深い味わいは他に類を見ない、日本だからこそ生まれた紅茶の魅力とも言えます。芳醇な香りと独特の風味が楽しめ、ダージリンやアッサムといった既存の紅茶とは一味違った個性を持つ和紅茶。是非日常に取り入れてみて下さい。