アイスクリームは太る?その真相を探る!

暑い夏の日やスイーツが恋しい瞬間に、アイスクリームは誰もが手軽に楽しめる至福のデザートです。しかし、「アイスクリームを食べると太る」という声も少なくありません。では、本当にアイスクリームが体重増加の原因となるのでしょうか?この記事では、アイスクリームの栄養成分やカロリーを分析し、楽しみながら健康を維持する方法を探ります。アイスクリームとの付き合い方を見直し、罪悪感なく味わうためのヒントをお届けします。

アイスクリームは体重増加につながる?

アイスクリームが体重増加につながるかどうかについて賛否両論が存在しますが、結論から言えば「アイスクリームは太りやすい食品」です。すべての食品に共通しているのは、過剰に摂取すれば肥満を招く可能性があるということです。しかし、太りにくいタイプのアイスが存在することも間違いありません。

まずは、なぜアイスが体重増加につながるのか、その理由とメカニズムを理解しましょう。

糖質と脂質が太る原因になりやすい

多くのお菓子には糖質や脂質が多く含まれていますが、冷たい食べ物は甘みを感じにくくなります。このため、アイスクリームには砂糖が多く含まれることがあり、高糖質なものです。糖質を過剰に摂取すると、中性脂肪として体に蓄積され、体重増加の原因になることがあります。

さらに、乳脂肪分の多い濃厚なアイスクリームには、脂質がたくさん含まれており、カロリーも高めです。一例として、脂肪分の多いアイスクリームは100gあたり212kcalのカロリーを持っています。

一般的には、1日に間食から摂取してよいカロリーは200kcalとされています。したがって、高脂肪のアイスを100g食べると、その基準を超えてしまいます。ちなみに、ショートケーキ1個のカロリーは約400kcalです。

吸収が速く、脂肪に変わりやすい

食べ物が体内に吸収される速度は、その食べ物がエネルギーとして使われるかどうかに影響を与えます。吸収されるのがゆっくりであれば、摂取したカロリーや糖質は効率よくエネルギーに利用されます。しかし、速く吸収されると、エネルギーとして使い切れない分が脂肪として蓄積されることになります。

吸収速度は「分解のされやすさ」に関係しており、例えばすぐに液体に溶けるアイスクリームは、そのため吸収が早い食品と言えます。

体温低下が代謝の低下を招く

アイスクリームを食べることで、体が冷えて一瞬に脂肪燃焼が増えると考える人もいるかもしれませんが、実際には逆効果になることがあります。体温が1℃下がるだけで基礎代謝は12%も低下するとされており、その結果、体は痩せにくくなるのです。そのため、アイスクリームを食べる際には量や頻度に注意する必要があります。

つい過剰に食べてしまう

暑い時期になると、アイスクリームが恋しくなることが多いです。特に夏の日差しが強く、気温が高い日には、冷たいデザートが一段と美味しく感じられるものです。暑さを和らげたいという思いから、アイスクリームに手が伸びる人も多いでしょう。

しかし、気温が上がるたびにアイスばかり食べていると、これは明らかに食べ過ぎです。高カロリーや糖分の摂取過多になってしまうため、適量を心がけることが大切です。

アイスは太らないという意見も

アイスが太りやすい食べ物だという意見がある一方で、太らないと考えている人もいます。

炭水化物量が少ない

アイスが太りにくいとされる理由の一つに、含まれる炭水化物の量が少ない点があります。

一般に、炭水化物を過剰に摂取すると体重増加の原因となることはよく知られています。体内で炭水化物は糖質に変わり、この糖質が引き金となって血糖値が上昇します。高血糖は健康に良くないため、体は糖質を脂肪として蓄積することで対処します。この過程が体重が増えるメカニズムです。

炭水化物が少ないアイスなら大丈夫と思うかもしれませんが、アイスは基本的に甘い食品です。つまり、炭水化物以外の形でも糖質を摂取しているのです。特に濃厚なアイスクリームの場合、脂肪分が多いため、糖質と脂肪の組み合わせを体に取り込むことになります。

冷えた体温を戻すため

別の視点ですが、アイスクリームが太らないのではないかと言われる理由があります。

それは、アイスの冷たさに関連しています。冷たいアイスクリームを食べることで体温が低下し、それを元に戻すために体内で脂肪が燃焼される可能性がある、というわずかな期待があるようです。確かに体温が下がると脂肪の燃焼率が上がるかもしれませんが、アイスクリームによるその効果はごくわずかであり、摂取したカロリーを相殺できるほどではありません。

パイやケーキと比較すると、相対的にアイスのほうがカロリーの影響が少ないかもしれませんが、決してアイスそのものが太らないデザートというわけではありません。

アイスクリームのバリエーション

アイスは、含まれる乳脂肪分や乳固形分の割合によって、氷菓、ラクトアイス、アイスミルク、アイスクリームの4つに分類されます。

これらの中でどれにあたるかは、パッケージにある「種類別」の表示を確認してみてください。以下に、各種類の特徴を詳しく説明します。

氷菓

氷菓は、脂質が少なくカロリーも控えめです。シャリシャリとした感触が特徴で、すっきりとした味わいが楽しめます。かき氷、シャーベット、そしてアイスキャンディなどが氷菓の一例に含まれます。一般的なアイスクリームとは異なり、低カロリーであることと脂質が少ないため、こってりとした濃厚さはあまり感じられませんが、それがさっぱりとした魅力でもあります。

ラクトアイス

ラクトアイスとは、乳固形分が3.0%以上含まれるアイスクリームで、その中の乳脂肪分に特に厳しい基準は設けられていません。軽やかな味わいを持ち、時にはシャリシャリとした食感があるのが特徴です。

一方で、乳脂肪分を補うために、植物油脂を使ってコクや滑らかな舌触りを演出することが多く、その結果、カロリーや脂肪分が高めになる場合があります。

アイスミルク

アイスミルクは、乳固形分が10%以上で、乳脂肪分が3.0%以上含まれるアイスカテゴリーです。そのため、アイスクリームより軽めの食感ですが、栄養価は牛乳に近いものがあります。

濃厚さを備えながらも、後味がさっぱりとしているのが魅力です。また、乳脂肪分を抑えている分を補うため、植物油脂が用いられることもあります。

アイスクリーム

アイスクリームは、乳脂肪が8%以上、乳固形分が15%以上含まれる製品です。豊富な脂肪分によって、クリーミーでリッチな口当たりが魅力的で、ミルクの深い風味を堪能することができます。

体重増加を招きやすいアイスクリームの特性

糖質と脂質を大量に含むアイスは、特に太りやすい傾向があります。また、味を良くするために植物性油脂をたくさん使用するアイスも同様です。

例えば、「アイスクリーム」や「ラクトアイス」には植物性油脂が多く含まれていることが多いので、これらのアイスは特に注意が必要です。

太りにくいアイスのポイント

体重が増えにくいアイスは、脂肪分をほとんど使わず、カロリーも低めの「氷菓」です。しかしながら、氷菓には血糖値の上昇を招くことがある「砂糖」が多く含まれる場合があるため、食べ過ぎには用心が必要です。

さわやかな風味のものが多い氷菓は、冷たいスイーツが恋しくなった時や少量で満足したいシーンにぴったりです。

減量時に注意したいアイスクリームの楽しみ方

痩身期間中のアイスの取り入れ方として、以下の4つのポイントを意識してみましょう。

ダイエット期間中でも、適切にアイスと付き合うことで、減量を邪魔することなく、気分良く続けられます。

過剰な食事を避ける工夫

いくら低カロリーや低脂肪のアイスでも、過剰に食べてしまうのはよくありません。アイスを過度に摂取すると、必要以上のカロリーや脂質を取り込むことになり、ダイエットの障害となります。

過食を避けるためには、小分けパックや少量の製品を選ぶのが賢明です。

空腹を我慢しすぎないことの重要性

空腹時に甘いアイスを摂取すると、血糖値が急激に上がります。これがきっかけで脂肪が蓄積されることになるため、注意が必要です。

まず食事をとって血糖値を緩やかに上げた後でアイスを楽しむと、空腹時に食べるよりも肥満のリスクが下がります。「アイスは食後に摂取する」といったマイルールを作るのも良い方法です。

食事のタイミングに注意を払う

アイスクリームを楽しむのに最良の時間帯は午後3時から午後6時の間です。

この時間帯は、一日の中で体に負担をかけずに甘いものを楽しむのに適しているとされています。理由は、この時間が日中で最も気温が高く、新陳代謝が活発であるためです。

新陳代謝が高い時間にアイスを摂取することで、効率よくエネルギーに変換され、体重が増えにくいと期待されます。中には、お風呂の後や寝る前にアイスを食べる習慣がある人もいるかもしれませんが、遅い時間の摂取は、内臓の働きの低下や血行が悪くなる原因となり、ダイエットの妨げになるので気をつけましょう。

原材料と栄養素を理解する

アイスでのカロリー摂取を避けたいなら、購入前に商品の成分表を確認する習慣を身につけましょう。ダイエット中には、なるべく100kcal以下のものを選ぶことが理想的です。

個々の目標や制限に応じて選ぶのが重要です。脂質を控える際は脂質が5g以下のものを、糖質を控える際は糖質が10g以下のものを選択するのが賢明です。

アイスクリーム