オレンジの皮を砂糖で煮詰めて作る「オレンジピール」は、爽やかな香りとほろ苦さが魅力の万能素材。焼き菓子やチョコレートとの相性が良く、ひと手間加えるだけで味に深みが増します。この記事では、オレンジピールを使ったおすすめレシピに加え、自家製ピールの作り方や保存方法、アレンジアイデアまで詳しく解説。お菓子作りをより楽しく、奥深いものにしてくれる活用法をご紹介します。
オレンジピールとは?基本情報と魅力

オレンジピールとは、オレンジの皮を砂糖で煮詰めたり、乾燥させたりして加工した食品のことです。ほんのりとした苦味と、果皮ならではの爽やかな香りが特徴で、古くから洋菓子やパンに幅広く使われてきました。
種類には、しっとりした砂糖漬けタイプや、表面をグラニュー糖でコーティングしたドライタイプ、チョコレートで包んだオランジェットなどがあります。市販品も豊富ですが、手作りすることで好みの甘さや苦味に調整できるのも魅力です。
お菓子に混ぜ込むと、香りのアクセントになり、見た目にも華やかさが加わります。焼き菓子だけでなく、ドリンクや料理との相性も良く、使い方次第で無限に広がる素材です。
自家製オレンジピールの作り方
市販のオレンジピールも便利ですが、自宅で作れば香りも味わいも格別。甘さや苦味の加減を自分好みに調整できるのが、手作りの大きな魅力です。材料はシンプルで、無農薬のオレンジと砂糖、水があれば始められます。お菓子作りや料理のアクセントとして、常備しておくととても重宝します。
材料(作りやすい分量)
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オレンジ(無農薬・国産が望ましい):2個
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砂糖:皮の重量と同量
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水:適量
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お好みでグラニュー糖(仕上げ用)
作り方
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オレンジをよく洗い、皮を縦に4〜6等分にむいてから細切りにする。
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鍋に皮とたっぷりの水を入れ、沸騰後3〜5分ゆでて苦味を抜く(2〜3回繰り返すとよりマイルドに)。
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ゆでこぼした皮と同量の砂糖、水100mlほどを鍋に入れ、中火で煮詰める。
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汁気がなくなり、透明感が出るまで煮たら火を止める。
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クッキングシートに広げて粗熱を取り、乾燥させる。
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乾燥後、お好みでグラニュー糖をまぶす。
保存方法
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密閉容器に入れて冷蔵保存で約2週間。
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しっかり乾燥させれば、冷凍保存で1ヶ月以上可能。
オレンジピールを使ったおすすめレシピ5選
ここでは、自家製や市販のオレンジピールを使って手軽に楽しめるスイーツレシピを厳選してご紹介します。焼き菓子やチョコレート、おつまみ感覚のアレンジまで、幅広いジャンルに活用できるのがオレンジピールの魅力。シンプルな材料でも香りや味わいに奥行きが出て、お菓子作りがぐっと楽しくなります。
オレンジピール入りパウンドケーキ
しっとりとした生地にオレンジピールがアクセントを加える定番の焼き菓子。紅茶との相性も良く、手土産にも喜ばれる一品です。
材料(パウンド型1本分)
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無塩バター:100g
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砂糖:80g
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卵:2個
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薄力粉:100g
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ベーキングパウダー:小さじ1/2
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オレンジピール:50〜60g
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牛乳:大さじ1
作り方
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バターと砂糖をすり混ぜ、卵を1個ずつ加えてよく混ぜる。
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薄力粉とベーキングパウダーをふるって加え、牛乳とオレンジピールを加えて混ぜる。
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型に流し入れ、170℃のオーブンで約40分焼く。
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粗熱を取ってからラップで包み、1日置くとしっとり。
オランジェット(チョコがけオレンジピール)
ビターなチョコレートとオレンジピールのほろ苦さが絶妙にマッチ。大人の贅沢スイーツとして人気の高い一品です。
材料(作りやすい分量)
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オレンジピール:50g
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ビターチョコレート:50〜70g
作り方
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チョコレートを湯せんで溶かす。
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オレンジピールの片面または全体をチョコにくぐらせる。
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クッキングシートの上に並べ、冷蔵庫で冷やし固める。
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チョコがしっかり固まったら完成。
オレンジピールクッキー
サクッとした食感に、オレンジピールの爽やかな香りとほのかな苦味が加わる風味豊かなクッキー。コーヒーや紅茶のお供にぴったりです。
材料(約20枚分)
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無塩バター:80g
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砂糖:50g
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卵黄:1個分
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薄力粉:120g
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オレンジピール:30g(細かく刻む)
作り方
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室温に戻したバターをクリーム状にし、砂糖を加えてすり混ぜる。
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卵黄を加えてよく混ぜ、薄力粉をふるい入れる。
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オレンジピールを加え、さっくり混ぜてひとまとめにする。
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生地を棒状に整えてラップで包み、冷蔵庫で1時間冷やす。
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約5mm厚さに切って天板に並べ、170℃のオーブンで15〜18分焼く。
オレンジピールとナッツのグラノーラ
ザクザク食感のグラノーラに、オレンジピールの香りとナッツのコクが絶妙にマッチ。朝食にもおやつにもおすすめの一品です。
材料(作りやすい分量)
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オートミール:150g
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ミックスナッツ(無塩):50g(粗く刻む)
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オレンジピール:30g(粗みじん切り)
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はちみつ:大さじ2
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太白ごま油(またはサラダ油):大さじ2
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シナモンパウダー:少々(お好みで)
作り方
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ボウルにすべての材料を入れ、よく混ぜる。
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クッキングシートを敷いた天板に広げ、平らにならす。
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160℃のオーブンで20〜25分、途中で混ぜながら焼く。
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冷めるとパリッとするので、密閉容器で保存。
オレンジピール入りクリームチーズディップ
甘さ控えめのクリームチーズに、刻んだオレンジピールを加えた簡単ディップ。クラッカーやバゲットに塗るだけで、香り豊かな大人のおつまみに早変わりします。
材料(作りやすい分量)
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クリームチーズ:100g
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オレンジピール:20g(細かく刻む)
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はちみつ:小さじ1(好みで調整)
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レモン汁:数滴(お好みで)
作り方
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クリームチーズを室温に戻して柔らかくする。
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オレンジピール・はちみつ・レモン汁を加えてよく混ぜる。
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器に盛り、クラッカーやパンと一緒に提供。
余ったオレンジピールの活用アイデア

お菓子作りに使ったあとのオレンジピール、冷蔵庫に少しだけ余っていませんか? 少量でも香りがしっかり残っているため、ちょっとした工夫で最後まで美味しく使い切ることができます。ここでは、手軽で実用的な活用法をいくつかご紹介します。
紅茶やホットワインに加える
温かい飲み物にオレンジピールを数片加えるだけで、香りとほんのりとした甘みが広がり、リラックスタイムが特別なものに。紅茶やハーブティー、冬場はホットワインにもおすすめです。
ヨーグルトやグラノーラのトッピングに
刻んだオレンジピールを、無糖ヨーグルトやグラノーラにのせると、甘酸っぱさと苦味のバランスが絶妙なアクセントに。朝食や軽食にぴったりです。
パンやスコーンの生地に混ぜ込む
ホームベーカリーや手ごねパン、スコーンの生地に加えると、風味豊かな焼き上がりに。オレンジピールの香りがふんわり広がります。
チーズやナッツと合わせておつまみに
クリームチーズ、カマンベールなどのチーズ類やナッツと組み合わせると、ワインのお供としても活躍。ちょっとした前菜やおつまみにも最適です。
まとめ|ひと手間で広がる、オレンジピールの楽しみ方
オレンジピールは、お菓子作りの香りづけや味のアクセントとして活躍する、万能素材です。市販品でも楽しめますが、手作りすれば風味や甘さを自分好みに調整でき、より奥深い味わいが楽しめます。焼き菓子やチョコレートだけでなく、ヨーグルトや紅茶、パン生地などさまざまな場面で活用できるのも魅力です。冷蔵・冷凍保存がきくので、常備しておくと便利な存在に。オレンジの香りを味方につけて、日常のお菓子作りにちょっとした彩りを加えてみませんか?オレンジピールで、日常のスイーツを香り高く、もっと特別なものに。
自家製オレンジピールはどのくらい日持ちしますか?
しっかり煮詰めて乾燥させたものなら、冷蔵保存で2週間ほど、冷凍なら1ヶ月以上保存できます。水分が多いものは早めに使い切るのがおすすめです。
苦味が強く感じられるのですが、どうすればいいですか?
ゆでこぼしを2〜3回行うと、皮の苦味が和らぎます。また、甘さを調整することで全体のバランスもよくなります。
市販のオレンジピールでもレシピは使えますか?
はい、使用できます。砂糖の量や水分量が異なる場合があるため、味見をしながら調整するとよいでしょう。
オレンジピールは他の柑橘でも作れますか?
レモン、グレープフルーツ、ゆずなどでも同様の方法で作れます。それぞれ香りや苦味が異なるので、使い分けて楽しめます。
どんなオレンジを使うのが良いですか?
国産で無農薬のものが理想的です。防カビ剤が使われていないことを確認し、よく洗ってから使いましょう。