夏の太陽を浴びて育ったネクタリン。そのつるりとした赤い肌と、甘酸っぱい香りは、一度食べたら忘れられない魅力があります。桃の仲間でありながら、スモモのような見た目を持つネクタリンは、口にすればジューシーな果汁が広がります。この記事では、ネクタリン初心者さんから、もっと深く知りたい!という方まで、皮ごと美味しく食べる方法、豊富な品種、気になる栄養、選び方、保存方法など、ネクタリンの魅力を幅広くご紹介します。この記事を読めば、きっとネクタリンの新たな魅力に気づくはずです。
ネクタリンとは?桃やスモモとの違いを詳しく解説

ネクタリンは、バラ科モモ属の仲間で、正式和名は「ズバイモモ」と言います。でも、一般的には英語名の「ネクタリン」の方がよく知られていますよね。ちなみに、あの甘いジュース「ネクター」の名前も、ネクタリンと同じく、ギリシャ神話の神々の飲み物に由来しているそうですよ。桃とネクタリンの一番わかりやすい違いは、実の表面。桃にはふわふわの産毛がありますが、ネクタリンにはそれが全くなく、つるつるなんです。だから、「ツバキモモ」「ヒカリモモ」「アブラモモ」なんて呼ばれることもあります。見た目は桃よりもスモモに似ているので、間違えやすいかもしれません。でも、味は桃とは違います。桃よりも酸味が強めで、甘さと酸っぱさのバランスが絶妙なんです。果肉は桃よりもしっかりしていて、崩れにくいのが特徴。シャキシャキとした食感も楽しめます。果肉の色は、黄色や赤色などがあります。香りは桃のように甘くてフルーティー。ネクタリンの主な産地は長野県で、国内生産量の約7~8割を占めています。山梨県や福島県でも栽培されています。旬は桃とほぼ同じで、7月から9月にかけて。特に8月頃によく店頭に並びます。
ネクタリンの主な品種と多様な特徴
ネクタリンは、味や見た目、収穫時期などによって、たくさんの品種があります。「サマークリスタル」「フレーパートップ」「レッドスター」「ファンタジア」「黎明」「秀峰」「メイグランド」などが代表的な品種で、それぞれ個性的な特徴を持っています。味わいはもちろん、皮の色も様々。白い皮の品種と黄色の皮の品種がありますが、日本でよく栽培されているのは、黄色の皮の品種が多いです。色々な品種を試して、自分好みのネクタリンを見つけるのも楽しいですよ。
ネクタリンの正しい食べ方と皮の扱い方
ネクタリンは、桃と同じように、そのまま生で食べられます。そのままでも十分おいしいですが、ちょっとした工夫で、もっと美味しく、そして栄養を無駄なく食べることができます。
皮は食べられる?国産と輸入物の注意点
ネクタリンは桃と違って表面がつるりとしており、基本的には皮ごと食べることができます。皮の部分にはポリフェノールなどの成分も含まれているため、風味や栄養をまるごと楽しみたい方には、皮付きでの食べ方もひとつの選択肢です。
ただし、皮の食感が気になる場合や、農薬の残留が心配な方は、皮をむいて食べると安心です。特に輸入品のネクタリンは、海外の栽培基準で管理されているため、農薬使用の実態が国産と異なる可能性もあります。そのため、皮ごと食べたい場合は、できるだけ国産を選ぶか、流水で丁寧に洗う・専用の洗浄剤を使うなど、ひと手間加えるとより安心です。皮付きで食べるかどうかは、味の好みや安全面への配慮に応じて、柔軟に判断するとよいでしょう。
簡単!ネクタリンの切り方と種を外す方法
ネクタリンの切り方は、桃とほぼ同じ手順で簡単に行えます。まず、ネクタリンにある溝に沿って、種に当たるまで包丁をぐるりと一周入れます。一周したら、ネクタリンを両手で持ち、ねじるようにすると、綺麗に半分に分かれ、種を取り出すことができます。種を取り除いた後はお好みに応じて、放射状に切ったり、皮を剥いたりしてお召し上がりください。この方法なら、果肉を無駄にすることなく、手早くカットできます。
生食だけじゃない!ネクタリンのおすすめの食べ方
ネクタリンは、そのまま食べる以外にも、様々な方法で楽しむことができます。例えば、その甘酸っぱさを活かして、タルトやケーキの材料、コンポートにするのがおすすめです。自家製ジャムにすれば、長期保存も可能で、パンやヨーグルトと一緒に味わえます。その他、ピューレにしてシャーベットにしたり、ソースやムース、フルーツカクテルにアレンジすることも可能です。ドライフルーツにすれば、栄養満点のおやつや、グラノーラ、サラダのトッピングとしても活用できます。意外なところでは、オーブンで焼いて焼きネクタリンにするのも美味しいです。加熱することで甘みが増し、香りが際立ち、温かいデザートとして楽しめます。
ネクタリンの栄養と注目の成分
ネクタリンは、甘みとほどよい酸味が魅力の果物で、日々の食生活に取り入れやすい存在です。味わいだけでなく、体にうれしい成分もバランスよく含まれています。
カリウム:塩分バランスを整えるミネラル
ネクタリンにはカリウムが含まれており、体内の塩分(ナトリウム)とのバランスを整える働きが知られています。塩分の多い食事が気になる方にとって、カリウムを含む食品を意識的に取り入れるのは一つの工夫となるでしょう。
ビタミンCとビタミンE:毎日の元気をサポート
ビタミンCやビタミンEは、健康維持を支える栄養素として広く知られています。どちらも食事から摂ることが推奨されており、バランスのとれた食生活の中で意識して取り入れたい成分です。
ビタミンA:視界や粘膜の健康維持に関わる栄養素
ネクタリンには、体内でビタミンAに変換される成分も含まれています。ビタミンAは、夜間の視界や皮膚・粘膜の健康維持を支える栄養素として知られています。
銅:体内で大切な働きを担う微量ミネラル
銅は、体内ではわずかな量ながらも、赤血球の構成などさまざまな面で役立つとされるミネラルです。ネクタリンは、日々の食事でこうした微量ミネラルを取り入れる一つの選択肢になります。
※本記事は一般的な栄養情報に基づき記載しています。体調や食事に関する具体的なアドバイスが必要な場合は、医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。
おいしいネクタリンの選び方と熟し具合の見分け方

みずみずしくて甘いネクタリンを選ぶにはコツがあります。見た目や触った感触から美味しいネクタリンを見分け、最高のタイミングで味わう方法をご紹介します。
おいしいネクタリンの選び方
ネクタリンを選ぶ際には、まず色をチェックしましょう。全体が均一に色づき、濃い赤色をしているものがおすすめです。次に、形を確認します。ふっくらと丸みを帯びたネクタリンは、果肉がたっぷりと詰まっていることが多いです。また、表面の溝にも注目しましょう。溝が浅く、なめらかなものが良品とされています。溝が深いものは、生育環境の影響を受けている可能性があるため、避けるのが無難です。
ネクタリンの熟し具合を見極めるポイント
ネクタリンが食べごろかどうかは、色、香り、そして触感で判断できます。全体的に赤みが強くなり、指で軽く触れた時にほんの少し柔らかさを感じたら、食べごろのサインです。強く押すと傷んでしまうため、優しく触れるようにしてください。もし硬すぎる場合は、まだ熟していないので、常温で数日置いて追熟させましょう。また、ネクタリン特有の甘い香りがしてきたら、まさに食べごろです。食べる少し前に冷蔵庫で冷やすと、より美味しく味わえます。これらのポイントを参考に、最高のネクタリンを選んで、その美味しさを堪能してください。
ネクタリンの保存方法:美味しさを長持ちさせるコツ
追熟が必要な場合は常温で
ネクタリンはとてもデリケートな果物です。まだ硬さが残っている場合は、風通しの良い冷暗所で数日間、常温保存して追熟させましょう。新聞紙でやさしく包んでおくと、乾燥を防ぎながらゆっくりと熟成が進みます。
冷蔵保存は追熟後に
追熟前に冷蔵庫へ入れてしまうと、熟成が止まり、風味も損なわれてしまう可能性があります。食べごろになったら、食べる直前に冷蔵庫で軽く冷やすのがおすすめです。冷蔵後はなるべく早めに食べましょう。保存の目安は2〜3日以内です。
皮ごと食べる場合の注意点
皮ごと食べる際には、流水で丁寧に洗うようにしてください。農薬の心配がある場合は、専用の洗浄剤や野菜ブラシを使うとさらに安心です。
ネクタリンの冷凍保存術
ネクタリンは、冷凍保存することで、ぐっと保存期間を延ばすことができます。保存方法としては、丸ごと冷凍する方法と、カットしてから冷凍する方法の二通りがあり、どちらを選んでも、およそ1ヶ月を目安に保存可能です。少し解凍して、シャリシャリとした食感を楽しむのがおすすめです。
丸ごと冷凍のコツ
ネクタリンを丁寧に洗い、水気を拭き取ったら、一つずつラップでしっかりと包み込みます。もし保護用のキャップがあれば、さらにその上から被せると、より丁寧に保護できます。その後、冷凍保存用の袋や密閉容器に入れ、中の空気をできるだけ抜いて封を閉じ、冷凍庫で保存します。食べる際は、流水に30秒ほどさらせば皮が剥きやすくなり、シャーベットのような食感で美味しくいただけます。
カットして冷凍する裏技
ネクタリンの皮を剥き、お好みのサイズにカットします。変色を抑えたい場合は、ボウルに水とレモン汁(または塩水)を少量混ぜ、カットしたネクタリンをさっと浸します。しっかりと水気を切ったら、平らなバットなどに並べて一度冷凍庫で仮凍結させます。凍ってから保存容器や冷凍用保存袋に移し、しっかりと密閉して冷凍庫へ。こうすることで、ネクタリン同士がくっつきにくくなり、使いたい分だけ取り出せるので便利です。スムージーや自家製ジャムなどに活用できます。
まとめ
ネクタリンは、桃のような甘さとほどよい酸味、なめらかな果皮が特徴の夏の果物です。生で味わうのはもちろん、ジャムやコンポートなどアレンジも多彩。特に国産品は皮ごと食べやすく、栄養価も豊富です。旬は7〜9月で、ふっくらと色づき甘い香りのものが食べ頃。常温で追熟し、早めに楽しむのがおすすめです。今年の夏は、ネクタリンの美味しさと栄養をまるごと味わってみませんか?
ネクタリンは皮ごと食べられますか?
国産のネクタリンは、表面が滑らかで産毛がないため、基本的に皮ごと食べても大丈夫です。果皮にはポリフェノールが豊富に含まれており、健康維持に役立つ抗酸化作用が期待できます。しかし、輸入ネクタリンの場合は、残留農薬が気になる場合もあるため、皮を剥いて食べるのがおすすめです。
ネクタリンの美味しい時期はいつ頃ですか?
ネクタリンが最も美味しく食べられるのは、果皮全体が鮮やかな赤色に染まり、軽く触れた時に少し柔らかさを感じられる頃です。また、甘い香りが漂っていれば、まさに食べ頃と言えるでしょう。もし購入時にまだ硬いようであれば、常温で数日置いて追熟させてください。食べる少し前に冷蔵庫で冷やすと、さらに美味しく味わえます。
ネクタリンと桃の違いは何ですか?
ネクタリンは桃と同じバラ科モモ属に分類される果物ですが、一番の違いは果皮の表面にあります。桃には産毛がありますが、ネクタリンの皮はツルツルとしています。また、ネクタリンは桃に比べて酸味がやや強く、果肉はしっかりとしていて、煮崩れしにくいという特徴があります。
ネクタリンにはどんな栄養が含まれていますか?
ネクタリンには、カリウム、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンA、そして銅などの栄養素が豊富に含まれています。カリウムは血圧を下げる効果が期待でき、ビタミンCとEは抗酸化作用によって老化を防ぐ効果が期待できます。ビタミンAは視力や皮膚の健康を維持するのに役立ち、銅は赤血球の生成を助ける働きがあります。
ネクタリンの保存方法について
硬めのネクタリンは、直射日光を避けた涼しい場所で、新聞紙などに包んで常温で保管し、追熟させるのがおすすめです。冷蔵庫に入れると風味が損なわれ、追熟も止まってしまうため避けましょう。完熟したネクタリンをすぐに食べない場合は、風味を維持するために、食べる少し前に冷蔵庫で冷やすのが良いでしょう。冷蔵保存の目安としては2~3日程度です。長期保存を希望する場合は、丸ごと、またはカットして冷凍保存することも可能です。冷凍保存した場合の目安は約1ヶ月です。
ネクタリンの冷凍保存方法
ネクタリンを丸ごと冷凍する際は、しっかりとラップで包み、冷凍保存用の袋に入れて冷凍庫へ。召し上がる際は、流水に30秒ほどさらすと皮が剥きやすくなります。カットして冷凍する場合は、皮を剥いてお好みの大きさにカットし、レモン水に軽く浸して変色を抑え、水気をしっかりと拭き取ってから保存容器や保存袋に入れて冷凍します。どちらの場合も、半解凍の状態でも美味しくいただけます。
ネクタリンの国内主要産地と旬の時期
日本国内におけるネクタリンの主な産地は長野県で、国内生産量の7~8割程度を占めています。その他には、山梨県や福島県などでも栽培されています。旬の時期は桃とほぼ同時期で、7月から9月にかけての夏から秋にかけて収穫・出荷のピークを迎え、特に8月頃に市場に多く出回ります。