秋の味覚を楽しむ:あけびの食べ方ガイド

秋が訪れると、自然の恵みが私たちの食卓に豊かに彩りを添えてくれます。その中でも特に珍しい果物として知られる「あけび」は、その独特な甘みと風味で多くの人々を魅了しています。しかし、どうやって食べればいいのか迷う方も少なくありません。本記事では、あけびの見た目や味わいから、具体的な食べ方やレシピまで、秋の味覚をさらに楽しむためのガイドをお届けします。

あけびとは

あけびはアケビ科に属する植物で、東アジアを原産地とし、日本、中国、韓国に自生しています。この植物には「ミツバアケビ」「アケビ」「ゴヨウアケビ」の3つの種類があり、日本の多くの地域で自然に見られますが、特に山形県で多く栽培されています。漢字では「木通」と書かれます。9月から10月の秋にかけてが旬で、そのころには果皮が紫色に変わり、自然に割れ始めます。未成熟の実は緑色で、卵形をしています。

あけびの楽しみ方

あけびは、実のみならず皮やわたなど全ての部分が楽しめる果実です。ここからは、それぞれの部位の風味やおすすめの食べ方について詳しくご紹介いたします。

あけびの皮は調理すれば美味しく食べられます。ただし、生の状態では渋みと苦味が強いため、食べるには向いていません。数時間水に浸してアクをしっかり抜いた後、料理に用いると良いでしょう。油を使った料理、例えば天ぷらや炒め物、きんぴらなどにすると、あけび特有の風味を楽しむことができます。

果実

果肉は白いゼリーのような質感で、種を包み込んでいるのが特徴的です。熟した柿を思わせる風味で、酸味が控えめで優しい甘味があります。生食はもちろん、種を取り除いてムースやアイスクリームの材料として使うこともできます。種が多いことが難点で、食べにくさがあり、調理には工夫が必要です。

あけびの果肉には多くの種が含まれていますが、種は食べないように気をつけてください。果肉をスプーンや手で取って食べ、種は吐き出すのが理想的な食べ方です。

あけびの若い芽は「木の芽」として親しまれ、春の訪れを感じられる食材です。お浸しや炒め物にすると、その独特の風味とほろ苦さが楽しめるのが特徴です。あく抜きが必要なため、塩を加えた熱湯で茹でた後、しっかりと水にさらすのがポイントとなります。ただし、「三つ葉あけび」のみが食用可能なので、注意する必要があります。

あけびは初春から晩春にかけて白い花を咲かせ、花そのものは食用には向きませんが、庭を彩る観賞用として人気があります。

 

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