ケーキ作りは誰にとっても楽しい料理体験ですが、中でもクリームの塗り方は多くの人が苦手に感じる部分です。しかし、ちょっとしたコツさえ掴めば、見た目も味わいもプロ顔負けの出来栄えを実現することができます。このガイドでは、初心者でも簡単にマスターできるクリームの塗り方の極意を徹底解説。必要な道具や基本テクニック、さらに仕上げに差をつける裏技まで、誰でも成功を手にできるポイントを紹介します。
【ショートケーキのデコレーション】最初にマスターしたい！クリームの基本的な塗り方
ショートケーキの外側をクリームで覆う作業は「ナッペ」と呼ばれています。
ケーキ作りの中でも、特に難易度が高いプロセスです。
この部分で行き詰っている方も少なくないでしょう。
塗り重ねても均一にならなかったり、なめらかさに欠けたりといったことも起こりがちです。
ここでは、経験を重ねた中で見つけた、仕上がりを美しくするための基本的なポイントをご紹介しましょう。
ナッペ作業に必要なツール
クリームを塗るための必須アイテムをご紹介します。
このツール、私は「スパテラ」として使っていますが、「スパチュラ」や「パレットナイフ」とも呼ばれることがあります。
このブログでは一貫して「スパテラ」という名前でご説明させていただきますね。
写真の中央にある木製のハンドルのものです。
最近では100円ショップで小さめのサイズも販売されていますね。小さい方が使いやすいと感じる方もいるので、まずは手に入りやすいもので試してみるのも良いかもしれません。
そして、もう一つの道具が回転台です。
以前は回転台がなくても大丈夫とお伝えしましたが、あると作業の効率が格段に上がります。
ケーキを回しながらクリームを塗ると、全体に均一にクリームを塗りやすくなるという利便性があります。
千円台から購入できるものもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
スパテラを用いたケーキトップへのクリームの塗り方
ここからはクリームの塗り方をご紹介します。
まず、ナッペを始める際にはケーキのトップからクリームを塗り始めます。トップにクリームを広げた後、余ったクリームを側面に使うイメージを持ちましょう。
このショートケーキの間に挟むクリームの塗り方も同様です。ぜひ一緒に覚えていただければと思います。
私がナッペを行う際、最も大切にしているのはスパテラの持ち方です。スパテラを安定して持ちながら、仕上がりを意識して力を加減するためには、人差し指を上に添えた握り方が重要です。
また、スパテラを動かす時は常に回転台と平行に保つことが、美しい表面を作るコツです。
スパテラを平行に構え、ケーキの中心から動かし始めます。
動かす際は、スパテラを進行方向に少し傾けながら進めます。
スパテラをケーキ端まで斜めに動かし、次に向きを変えてケーキ右端に進ませます。
右端まで到達したら、再び向きを変えて左へ。その後、中心で力を抜いて飛行機が離陸するようにスパテラをケーキから離します。
この中央からの左→右→中央の動きが基本です。
動きを見てみましょう。手首を柔らかく動かすのがカギです！
クリームを触りすぎると仕上がりが汚くなるので、まず中心を帯状に広げ、次に回転台を90°回して広げることで動きを減らしてクリームを全体に塗ります。
側面に落ちたクリームはそのまますぐ使えるので心配無用です。
もう一つ大事なのは、ケーキの形に合わせてスパテラを動かさないこと。クリームで凹凸を埋め、スパテラを真っ直ぐに動かして平らな面を作る意識を持ってください。どんな形でもこの方法で真っ直ぐに仕上げられます。
ケーキの側面にクリームを塗る方法
次に、ケーキの側面にクリームを施していきます。
重要なのはスパテラの持ち方です。
トップ部分にクリームを塗った際にもお話ししましたが、スパテラが真っ直ぐであることが、美しい面を作るために必要です。この瞬間も、ケーキに合わせるのではなく、回転台にスパテラが垂直であるかどうかを意識してください。
もしスパテラが傾いてしまうと、
ケーキが台形になったり、
上部が重たい形になってしまうことがあります。
少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際に作業すると意外とこうなります。
したがって、スパテラは常に回転台に対して垂直を保ち、側面全体にしっかりとスパテラが当たっているか確認しつつ進めることが肝心です。
スパテラの位置は、ケーキを時計に模して8時辺りが基準になります。
この時、スパテラを手前に広げた状態で保持しつつ、回転台を奥へ回してクリームを拡げます。
スパテラの持ち方としては、奥の部分がケーキに接触し、手前を少し離した状態にします。
実際の作業を確認してみましょう。
側面も仕上げは力を抜き、進む方向へスパテラを軽く引き離すようにします。
映像ではカメラの位置で斜めに見えるかもしれませんが、実際は回転台に対して真っ直ぐで、スパテラがきちんと側面に接することで、クリームにラインが残らず美しい仕上がりになります。
総括
クリームをケーキの上部や側面に塗る際には、スパテラをどのように持つかが非常に重要です。
ケーキの形に応じて動かすのではなく、スパテラを常に一定の角度で真っ直ぐに動かすことで、クリームが凹凸をカバーし、平らな表面を作ってくれます。適度な力を加えながら、平らな面を意識してスパテラを使ってみてください。
自分でスパテラを操作して、平らな面を作ろうという気持ちで塗るだけで、仕上がりに大きな変化が現れます。
力加減の調整が難しいかもしれませんが、スパテラを正しく扱うことが美しい仕上がりの基礎となるので、ぜひ練習してみてください。