はちみつカビ

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はちみつは人類が最古から親しんできた自然の恵みの一つですが、時に思わぬ事態に見舞われることがあります。はちみつの中で発生する"はちみつカビ"は、そのような好ましくない現象の代表例です。この記事では、はちみつカビの原因と対策について解説していきます。

はちみつの白い斑点(はんてん)の正体

はちみつが結晶化し、白い斑点が現れることは品質の問題ではありません。むしろ、新鮮で純度が高いことの証しなのです。

主成分のブドウ糖が低温で結晶化し、この白い斑点になります。外気温が15℃を下回ると、ブドウ糖の結晶化が始まりやすくなります。温度の変化が大きいと、より結晶が進行します。

高い糖度のため、はちみつにはカビが生えにくい環境です。カビが存在してもその活動は抑えられます。
結晶化の程度ははちみつの種類によって異なります。果糖が多いアカシアはちみつは結晶しにくい傾向にあります。

結晶が大きくなりすぎて食べづらくなった場合は、湯せんや電子レンジで加熱して溶かします。ただし、過度な加熱は風味を損ねる可能性があります。

結晶化したはちみつは、新鮮で品質の高さを物語っています。白い斑点を気にすることなく、美味しいはちみつをお楽しみください。
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はちみつが結晶する原因は?

はちみつに含まれる糖分は主にブドウ糖と果糖の2種類です。新鮮なはちみつでは、ブドウ糖が約38%、果糖が約31%を占めています。この割合が変化すると、過飽和状態になり、余分な糖分が結晶として現れます。

結晶化の主な要因は次の通りです。
・温度が低下すると、ブドウ糖が結晶化しやすくなります。特に13度以下では、ほとんどのブドウ糖が結晶化します。
・はちみつ中のブドウ糖の割合が高いものほど、結晶化しやすくなります。レンゲはちみつやナタネはちみつなどがその例です。
・振動によっても結晶化が促進される傾向があります。

結晶化したはちみつは品質に問題はありません。加熱すれば結晶は溶け、液状に戻ります。ただし、長期保存は避け、冷暗所に密閉保管するのが賢明です。常温保存が推奨されます。
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カビないはずのはちみつにカビが発生する原因とは

はちみつは一般的にカビが発生しにくい食品ですが、完全にカビが発生しないわけではありません。はちみつにカビが発生する主な原因は、水分過多や汚染です。カビの発生を防ぐためには、以下の点に注意が必要です。

はちみつには世界的な規格があり、水分量は20%以下(国産品は22%以下)と定められています。この基準を満たせば、カビが繁殖することはありません。信頼できるメーカーのはちみつを選ぶことが大切です。

一方、自家採取のはちみつや、規格外の製品を使用した場合、カビが発生するリスクがあります。購入後の取り扱いにも注意が必要です。中にスプーンを入れた際の汚染、水分の混入、長期の開封状態、密閉不十分、湿気の多い保存環境などがカビ発生の原因となります。

はちみつは吸湿性があるため、長期保存で水分を吸収すると、カビが繁殖しやすくなります。半透明になったり表面にカビが発生した場合は、新しいはちみつに交換しましょう。密閉容器に少量ずつ保存し、一度開封したら冷蔵庫で保管するのが賢明です。
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カビをはやさないはちみつ漬けの作り方

はちみつの持つ抗菌作用は、長年にわたり保存食の製造に活用されてきた伝統的な知恵です。果物をはちみつに漬けることで、カビの発生を抑え、新鮮な風味を長期間保つことができます。

作り方は簡単で、まずガラス瓶を煮沸消毒し、水分を拭き取った上で、底にはちみつを2~3cm入れます。次に果物を適切な大きさに切り、瓶に並べていきます。最後に果物の隙間を埋めるようにはちみつを注げば完成です。密閉して遮光した場所に保管しましょう。

はちみつ漬けは、防災の備えにも適した栄養価の高い保存食です。しかし、カビの発生を防ぐためには、容器の徹底的な消毒、材料の水分除去、風通しの良い冷暗所への保管、水分が出た際のかき混ぼなどの対策が欠かせません。

カビが発生した場合、一部なら取り除いて食べられるという意見もありますが、健康被害のリスクがあるので注意が必要です。白い塊がカビではなく結晶や産膜酵母の可能性もあるので、見分けが重要となります。
手間をかけずにおいしく安全に食べられるはちみつ漬けの作り方を心がけましょう。
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まとめ

はちみつカビは、はちみつ中の水分活性が高くなることで発生するカビの一種です。適切な保存方法を守り、密閉容器に入れて涼しい場所に保管することが重要です。カビが発生した場合は、カビの部分を取り除いて使用することができますが、大量に発生している場合は廃棄した方が安全です。品質の高いはちみつを選び、適切な管理を心がけることで、はちみつカビのリスクを最小限に抑えられます。