ひしもち 食べ方

ひな祭りといえば、華やかな雛人形やちらし寿司、甘酒などが思い浮かびますが、忘れてはならないのが「菱餅(ひしもち)」です。菱形で3色に分かれた美しいこのお餅には、見た目だけでなく、しっかりとした意味や由来が込められています。本記事では、菱餅の意味から食べ方、アレンジレシピまで、ひな祭りをより楽しむための知識を紹介します。
ひな祭りの「菱餅(ひしもち)」とは?
菱餅とは、ひな祭りの際に雛人形とともに飾られる伝統的なお餅で、赤・白・緑の3色が層になった菱形をしています。その形や色には意味があり、古くから女の子の健やかな成長と幸せを願って用いられてきました。
その起源は中国の「上巳節」に由来するとされ、古代には母子草を使った餅が健康祈願の食べ物とされていました。日本に伝わると、女の子の厄を雛人形に託し、その感謝の気持ちとして菱餅を供える風習が広まったといわれています。
色ごとにも意味があり、赤は魔除けやご先祖様への敬意、白は清らかさや長寿、緑は健康や厄除けの象徴です。こうした背景を知ることで、菱餅がより特別なものとして感じられるでしょう。
菱餅(ひしもち)」食べ方【準備編】
菱餅は見た目が美しいため、飾りとして楽しむだけでなく、ひな祭り後にはぜひ味わいたい伝統食です。食べる際のマナーや下準備を知っておくと、より丁寧に味わうことができます。
まず食べるタイミングですが、雛人形へのお供え物であるため、基本的には3月3日のひな祭りが終わってから食べるのがよいとされています。
次に、縁起の良い食べ方としては「角を立てずに食べる」ことが挙げられます。角をちぎるようにして食べたり、焼く・煮ることで自然に角が取れるのもおすすめです。
包装された菱餅は、そのまま飾った後、開封して3色ごとにカットします。カットの際は、包丁で層の間に沿って切り分けるときれいに仕上がります。食べるときには必ず加熱するようにしましょう。市販の菱餅の多くは生餅のため、焼いたり煮たりして柔らかくする必要があります。

「菱餅(ひしもち)」食べ方・アレンジレシピ【実食編】
菱餅はそのままでも美味しいですが、調理方法を工夫することで、さらにバリエーション豊かな楽しみ方が広がります。以下では、簡単に試せるアレンジレシピを紹介します。
1つ目は、定番の焼き餅スタイル。オーブントースターで軽く焼き、あんこや砂糖醤油、きな粉などを添えると、ほっとする和の甘味に。
2つ目は、お雑煮の具材にする方法。色鮮やかな菱餅が、見た目にも楽しいお吸い物に仕上がります。特によもぎ風味の緑の層が、香りを豊かにしてくれます。
3つ目は、おかき。適当な大きさに切ってから数日乾燥させ、油で揚げて塩を振れば、お茶うけにもぴったりな一品になります。
さらに、フライパンで揚げ焼きしてだし汁に入れる「揚げだし餅」や、餅ピザとして洋風アレンジするのもおすすめ。明太子や海苔、チーズなどの具材と相性抜群です。
まとめ
菱餅は見た目の美しさだけでなく、女の子の健康や成長を願うという意味が込められた大切な存在です。飾って楽しむだけでなく、行事が終わった後には美味しくいただくことも、季節の行事を楽しむ大切な一環です。
本記事では、菱餅の由来や意味、準備の仕方から実際の食べ方、アレンジレシピまでをご紹介しました。年に一度のひな祭り、伝統の味と心を感じながら、菱餅を囲んで家族とともに過ごすひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。