彼岸団子

彼岸団子

彼岸団子

春の訪れを告げる行事の一つとして、旧暦3月3日に行われる「雛祭り」があります。この日、家族の健康と子供の成長を願って、ひな人形を飾る習慣がありますが、その際に供えられる一口サイズの団子が「彼岸団子」です。軽くて口当たりの良いこの団子には、昔から様々な意味合いが込められており、日本の伝統的な食文化を感じさせる一品です。

お彼岸とは

お彼岸は、仏教の教えに由来する日本独自の行事です。私たちの世界を""此岸""、先祖の魂が宿る世界を""彼岸""と表現し、春分の日と秋分の日前後にこの両界が最も近づくと考えられてきました。そのため、この時期に先祖供養をして故人との絆を確かめる習慣が生まれました。


春のお彼岸は3月20日前後、秋は9月23日前後の約1週間が期間とされています。春分の日は自然の循環を喜び、秋分の日は収穫への感謝と先祖への敬意を表す日でもあります。お供え物には、おはぎやぼたもちなどの和菓子や、季節の花が用いられます。ぼたもちは牡丹の花を、おはぎは萩の花を模した形をしています。


現代でもお墓参りや法要を通じて先祖を偲び、良き伝統を継承する大切な機会となっています。言い伝えによれば、此岸と彼岸が近づく期間には、故人への思いが通じやすいとされているのです。

彼岸団子

なぜお彼岸に団子をお供えするのか

お彼岸には、先祖供養の意味を込めて、団子をお供え物として供えることが一般的な慣習となっています。団子の丸い形は、ご先祖様の魂がこの世に宿ると考えられていた由来があります。また、古くは収穫の喜びを先祖に報告する意味合いもあり、豊作や豊穣への感謝の気持ちが込められています。特に白あんを使った団子は、先祖の清らかな魂を表しているとされています。


お盆やお彼岸には、亡くなった方への供養を通じて、生きている者への感謝の気持ちを新たにする期間でもあります。団子を供えることで、先祖への感謝の念を改めて込めているのです。このように、食べ物をお供えするという行為を通じて、先祖を敬い、命の尊さを感じられるのがお彼岸の意義なのです。

いつ団子をお供えするのか

日本には古くから受け継がれる素晴らしい伝統行事がたくさんあります。その一つが「お団子供え」です。先祖や神々への感謝の気持ちを込めて、大切な節目や期間に団子を供える行為です。


お彼岸に団子をお供えするタイミングは、地域によって違いがあります。一般的には、お彼岸の初日である春分の日や秋分の日の3日前に「入り団子」と呼ばれる団子を供え、お彼岸最終日の春分の日や秋分の日の3日後に「明け団子」をお供えます。両日に供える場合や、お中日となる春分の日や秋分の日にお供えする地域もあるようです。


正月やお盆、彼岸の他にも、五月人形やひな祭りの際には子どもの健やかな成長を願い、大切な節目には感謝の気持ちをこめてお団子を供える風習があります。日本人は古来より、大切な行事の際に心からの感謝をお団子に込めて供えてきたのです。

団子の数と供え方

お彼岸にお供えする団子の個数には、様々な意味が込められています。一般的な団子の数と意味、供え方を紹介します。


6個の団子は、仏教における6つの世界への生まれ変わりを表しています。5個を円状に並べ、真ん中に1個のせて2段に供えます。


7個の団子は、6つの世界から抜け出し極楽浄土へ行けますようにとの願いが込められています。また、亡くなった日から7日ごとに行われる裁判にちなんでいます。ピラミッド型に積み上げて供えましょう。


13個の団子は、十三仏信仰に由来します。死者の審判を行う十王に基づいた、日本発祥の信仰です。7個で1つ目の円を作り、その上に5個で2つ目の円を作り、最後に1個のせて供えるとよいでしょう。


団子の数には様々な由来と意味があり、供え方にも決まりがあります。お彼岸における団子は、日本の伝統文化と精神性が込められた大切な存在なのです。

お供えものには、おはぎやぼたもち

お供え物に欠かせない伝統の和菓子、おはぎとぼたもち。これらには長い歴史と深い意味があります。白米と小豆で作られたおはぎは、丸い形から祖先への敬意を表し、餅米から作られたぼたもちは、神々への供物として古くから重んじられてきました。


お盆やお彼岸には、家族で手作りのお供え物を用意する習わしがあります。一つひとつの菓子に祈りを込め、愛情を持って丁寧に作ることで、祖先への感謝の気持ちを新たにできます。子供たちにこの伝統を継承させ、日本の心豊かな文化を次世代へと受け渡すことができるでしょう。


おはぎとぼたもちは、家族の絆を深め、心を一つにする機会を与えてくれる存在です。先人への感謝を忘れずにいるためにも、これらのお供え物を通じて、日本人の心に古くから根付いた大切な伝統を守り続けていく必要があります。

お彼岸の団子はご先祖様への感謝を込めて

お彼岸の時期には、日本全国で先祖を敬うさまざまな風習が行われています。なかでも、おはぎや団子などの和菓子をお供え物として用意する習慣が広く知られています。この行事の由来は古く、仏教の教えが影響しています。お彼岸は、春分の日と秋分の日を境に、先祖の霊が家族のもとを訪れる期間とされてきました。そのため、感謝の気持ちを込めて、お供え物を用意するのが慣わしとなったのです。


丸い形をした団子やおはぎは、代表的なお供え物の一つです。その形状は、「円満」や「家族の絆」を象徴しているからです。また、餅米で作られるお供え菓子には、粘り強さと絆の深い家族関係が表されているともいわれています。  


このように、お彼岸の団子は先祖への敬意と感謝の念、そして家族の絆を大切にする思いが込められています。一口ごとに、祖先への感謝を新たにしながら、供え物に託された意味を噛みしめることができます。伝統の味わいを堪能しつつ、先人への恩返しの心を感じられる良い機会なのです。

彼岸団子

まとめ


かつては幸せや健康を象徴するとされ、子供の成長を祝して供えられる彼岸団子。団子を口にするごとに、日本の伝統と文化、そしてふるさとの思い出が甦ります。懐かしい味わいと共に、日本の四季を感じさせる彼岸団子は、時代を経ても色あせることのない日本人の心の拠り所となり続けているのです。