南国の楽園を思わせる、甘くエキゾチックな香りを放つフェイジョア。その独特な風味は、一度味わうと忘れられない魅力を秘めています。キウイのような爽やかさと、パイナップルのようなトロピカルな甘さ、そしてほのかな酸味が織りなす複雑な味わいは、まさに自然が生み出した芸術品。今回は、そんなフェイジョアの味を徹底的に解剖し、その奥深い魅力に迫ります。まだ見ぬ味の体験を、ぜひご一緒に。
フェイジョアとは
南米を原産とするフェイジョアは、フトモモ科の植物で、パイナップルグァバとも呼ばれます。主な産地はウルグアイ、パラグアイ、ブラジル南部です。日本では、香川県、福岡県、福島県、神奈川県などが栽培地として知られています。収穫時期は10月中旬から11月下旬で、追熟期間を経て11月から12月中旬に食べ頃を迎えます。海外ではニュージーランドやオーストラリアで親しまれており、アメリカでも栽培されています。フェイジョアの特徴は、果実だけでなく花も食用にできることです。肉厚の白い花びらは、苦みやえぐみが少なく、ほのかな甘みが楽しめます。家庭でも育てやすく、花と実の両方を楽しめる果樹として人気があります。
フェイジョアの味わい
フェイジョアは、鶏卵程度のサイズで、卵型または楕円形をしています。その外皮は深緑色をしており、内部は乳白色からオレンジ色へと変化します。果肉の中心部はゼリー状で、切ると花のような独特の模様が現れます。まだ熟していない実は酸味が強く、梨のようなざらつきのある食感があります。しかし、熟成が進むにつれてバナナやパイナップルを思わせる芳醇な香りを放ち、果肉は柔らかく甘みが増します。
フェイジョアの選び方・食べ頃
フェイジョアを選ぶ際は、まず表面に傷がないか確認しましょう。そして、そっと押してみて少しへこむ感触があり、甘く濃厚な香りがするものが食べごろです。もし日持ちさせたいのであれば、まだ硬めの実を選ぶと良いでしょう。フェイジョアは追熟させることができます。
フェイジョアの食べ方
フェイジョアを美味しくいただくための様々な方法をこれからお伝えします。
そのまま
フェイジョア本来の風味を堪能したいなら、生のまま味わうのが一番です。キウイフルーツのように真ん中から切り、スプーンで果肉をすくってお召し上がりください。
お菓子に
フェイジョアは、お菓子作りにも活躍します。砂糖と一緒に煮詰めてジャムにしたり、パウンドケーキやパンケーキといった焼き菓子の材料としても最適です。
花びらも食べられる
フェイジョアは、その実だけでなく、花もまた格別な味わいを提供してくれます。ヨーグルトやアイスクリーム、お菓子のデコレーションとして活用すれば、見た目も風味も一層豊かになるでしょう。ただし、食せるのは花びらのみで、中心部の赤い部分は苦味があるため避ける必要があります。