加工食品には「賞味期限」または「消費期限」のどちらかが必ず表示されています。賞味期限とは、製造者が「この日までは風味や食感が保たれ、おいしく食べられる」と判断した期間のことです。多少過ぎていても状態が良ければ食べられる場合もあります。一方で消費期限は「安全に食べられる」期限であり、これを過ぎた食品は健康へのリスクを避けるため、口にしないほうが良いとされています。保存状態によっては期限内でも傷む可能性があるため、見た目やにおいにも注意しましょう。特に未開封で適切に保存されていることが前提となる点も忘れてはいけません。

どら焼きの賞味期限・消費期限

和菓子店で販売されている手作りのどら焼きは、比較的消費期限が短く設定されています。たとえば、人気の「すずめや」では翌日、「うさぎや」は2日、「巖邑堂」では季節によって2〜3日とされています。これは保存料を使わず、素材の風味を活かして作られているからです。そのため、購入後はなるべく早めに食べ切ることが推奨されます。また、店によっては消費期限内でも「できるだけ当日に」と勧めているところもあるほど。和菓子の本来の味を楽しむためにも、フレッシュなうちに味わいたいですね。

コンビニ・チェーン店のどら焼き

コンビニや大手チェーン店で販売されているどら焼きは、10日以上の賞味期限が設定されていることが一般的です。中には1ヶ月近く日持ちする商品もあります。これは保存料だけでなく、最新の包装技術によるところが大きいです。たとえば「脱酸素剤」や「アルコール蒸散剤」を使うことで、酸化やカビの発生を防ぎ、食品の風味や食感を長持ちさせています。これにより、保存料を使わずに日持ちを実現しているのです。お手軽に購入できて、すぐに食べなくてもよい利便性が魅力ですね。

手作りのどら焼きの日持ちは？

自宅で作るどら焼きは、保存料が入っていないため日持ちしにくく、基本的には冷蔵で2〜3日以内に食べ切るのが安全です。生地には水分が多く、湿度や温度によっては早く傷む可能性もあります。もし一度にたくさん作ってしまった場合は、1個ずつラップで包み、冷凍保存するのがおすすめです。冷凍すれば約1ヶ月程度保存が可能になります。食べる際は、冷蔵庫に移してゆっくり自然解凍すると、ふんわり感を損なわずに楽しめます。

賞味期限を過ぎたどら焼きでも、未開封かつ正しい方法で保存していた場合には、すぐに食べられなくなるわけではありません。食品の安全性は「可食期間」という考え方に基づいて判断されており、これはメーカーが定める実際に食べても安全な期間を指します。賞味期限はこの可食期間に「安全係数」を掛けて決められ、多くの場合0.65〜0.8が使用されます。たとえば、12日が賞味期限なら、実際には15日程度まで安全とされる可能性もあります。ただし、消費期限が過ぎたものは別。安全性に関わるため、特に和菓子店の手作りどら焼きなどは食べずに処分しましょう。

どら焼きが傷んでしまうと、見た目やにおいに明らかな変化が現れます。たとえば、皮が硬くパサついていたり、あんこに粘りがあったり糸を引いていたら要注意です。また、酸っぱいにおいや、カビが見られる場合も腐敗が進んでいるサインです。見た目が正常に見えても、いつもと違うにおいがするようなら食べるのは避けましょう。少しでも異常を感じたら、無理に食べずに処分することが大切です。食品の安全は、見た目やにおいの「違和感」に敏感になることから始まります。

どら焼きは基本的に常温保存が適しており、直射日光や高温多湿を避けた涼しい場所で保管しましょう。ただし、冷蔵庫に入れると乾燥して皮が固くなることがあるため、クリームや生フルーツ入りの特殊な商品でない限りは冷蔵は避けた方が無難です。どうしても長期保存したい場合は冷凍保存がおすすめ。1個ずつラップで密閉し、冷凍用の袋に入れて保存します。食べる際は冷蔵庫で2〜3時間かけて自然解凍すれば、おいしくいただけます。手作り品は作った当日に冷凍するのが理想です。