犬と餅:愛犬に餅を与える際の注意点

犬を家族として迎えると、日常の食事やオヤツに気を遣うことはとても大切です。特に日本の伝統食である餅は、美味しいながらも愛犬にとって思わぬ危険を孕んでいます。もちもちとした食感や香ばしい香りに惹かれてしまいがちですが、適切な与え方を知らなければ健康に悪影響を及ぼすことも。この記事では、愛犬に餅を与える際の注意すべきポイントを詳しく解説し、安全で幸せな食事の時間をサポートします。

犬に餅を与えても良い?

お餅は犬にとって有害な成分は含まれていないため、与えても問題ない食品です。しかし、のどに詰まらせるリスクがあるため、犬に与える際には注意が必要です。特に食べ物をあまり噛まない犬には、お餅を与えないほうが安全です。

犬が餅を食べたときの影響

餅は、脂質やタンパク質に比べて迅速にエネルギーを供給する炭水化物を豊富に含んでおり、身体と脳の活動をサポートします。さらに、少量でも満腹感が持続するため、ご飯を多く求める犬に少し与えるのが良い選択です。

犬に与えても安全な餅の量とは?

小型犬には1センチ角に切った餅を3~5個あげるのが適切です。中型犬の場合は1センチ角に切った餅を7~9個、大型犬では13個が理想的です。子犬には消化器官が未発達であるため与えないようにしましょう。同様に老犬も飲み込む力が弱まっているため与えるのは避けるべきです。

犬に餅を与える際の注意点と適切な与え方

犬に餅をあげるときの注意事項とおすすめの方法をご紹介します。

そのまま与える・餅米を与える

人間がそのままで餅を食べることは少なく、多くの場合、味付けや他の食材との組み合わせで楽しみます。しかし、犬にはそのまま与えることも避けた方が良いです。醤油やあんこは、犬にとっては塩分や糖分の過剰摂取につながります。特にお雑煮に入った餅は柔らかく、喉に貼り付いて呼吸を妨げる恐れがあります。窒息を防ぐためにも、小さく切って味付けなしで与えることが大切です。また、生だと消化に悪いので、必ず熱を加えてください。餅米をお粥にして与えると、より消化しやすくなりますよ。

脱酸素剤に注意

餅の保鮮のために使われている脱酸素剤を犬が誤食すると、消化管にダメージを与える恐れや、のどに詰まって窒息の危険性があります。特に餅にくっついている場合があるため、一緒に与えないよう注意が必要です。

脱酸素剤の主成分は鉄であり、使用されているものは公的機関で安全性が確認されていますので、毒性は心配いりません。しかし、犬は好きな食べ物を前にすると興奮しやすく、誤って脱酸素剤を口に入れ、そのまま飲み込んでしまうことが考えられます。また、飼い主の手元から脱酸素剤が落ちた際にそれを拾って食べる犬もいるかもしれません。保存のために必要な脱酸素剤ですが、犬が誤食しないように注意しましょう。

発見されない場所に保管

ペットの犬は、飼い主の行動を意外と注意深く見ていることが多いです。おやつの保管場所をしっかりと記憶しているかもしれませんので、犬が簡単に手を伸ばせる位置に餅を置かないように注意が必要です。万が一、餅を見つけて大きな塊のまま食べてしまった場合、喉に詰まらせて呼吸困難を引き起こす恐れがあります。命に関わる危険も考えられるため、保存場所をしっかり考えましょう。

餅が詰まってしまった場合

愛犬が餅を誤って飲み込んでしまった場合、まず最初に動物病院への連絡を考えてください。専門家から指示を受けることができます。ただし、緊急の際は、待っている時間がないかもしれません。その状況では、犬を四つん這いにさせて少し前傾姿勢をとらせると良いでしょう。これにより、餅を吐き出しやすくすることができます。また、背中を軽く叩くことで、餅を排出させる手助けになることがあります。強引に口を開けて取ろうとすると、さらに深く詰まってしまう危険性もあるため、注意が必要です。こうした処置を行っても改善が見られないか、もしくは餅が出ても犬がまだ苦しそうな場合、直ちに動物病院での診察を受けてください。

犬に餅をあげてはいけない状況

アレルギーのある犬には、餅を避けたほうが良いでしょう。下痢や嘔吐、かゆみなどのアレルギー反応が現れる可能性があります。一度アレルギーが出ると、再発しやすいとされていますので、その後の食事にも細心の注意を払いましょう。もし、餅をやめても症状が改善しない場合は、直ちに獣医師に診てもらうことをお勧めします。