小麦粉と全粒粉の違いとは?

料理やパン作りに欠かせない「粉類」ですが、小麦粉と全粒粉の違いをご存知でしょうか。見た目は似ているものの、それぞれに独自の特性と用途があります。この記事では、これらの粉の製造過程から栄養価、風味、そして使用方法までを詳しく紐解きます。日々の料理をさらに美味しく、健康的にするためのヒントを見つけてみませんか?キッチンライフを豊かにする情報をお届けします。

小麦粉とは

小麦粉とは、小麦を粉末状にしたもので、料理や製菓に広く用いられる基本的な食材です。小麦粉には、パンやケーキ、クッキーなど多くの料理に欠かせない特性があり、世界中で消費されています。小麦粉の種類や用途について、詳しくご紹介します。

小麦粉は、小麦の種類や製粉の仕方により数種類に分かれます。主なものには以下のようなタイプがあります。

薄力粉(はくりきこ)
粘り気が少なく、軽い仕上がりになるため、ケーキ、クッキー、天ぷらの衣などに適しています。グルテンの含有量が少なく、ふわっとした食感を生かす料理に使われます。

中力粉(ちゅうりきこ)
うどんやそば、お好み焼きなどに使われる粉です。薄力粉と強力粉の中間的な性質を持ち、モチモチした食感が特徴です。

強力粉(きょうりきこ)
グルテンが豊富で弾力性があり、パンやピザ生地など、しっかりとした構造が必要な料理に適しています。グルテンにより生地が伸び、ボリュームが出るのが特徴です。

全粒粉(ぜんりゅうふん)
小麦の表皮や胚芽も含まれているため、香ばしく、栄養価も高い粉です。パンやクッキーに使用すると、独特の風味と歯ごたえが楽しめます。繊維質やビタミンが多く、健康志向の食品にも好まれます。

全粒粉について

全粒粉は、小麦をそのまま全て挽いて得られる粉であり、通常の小麦粉とは異なり、表皮や胚芽も含んでいます。このため、茶褐色の見た目と、表皮や胚芽による香ばしい風味、そしてしっかりとした食感が特長です。加えて、全粒粉は玄米と比較すると、食物繊維が約3.7倍、カルシウムが約3倍も多く含まれていると言われています。

小麦ブラン(小麦ふすま)について

小麦ブランには「第六の栄養素」とも称される食物繊維が多く含まれています。他の食材と比べても、その食物繊維の含有量は飛び抜けています。不溶性の食物繊維が豊富で、これには便秘の予防や大腸がんのリスクを軽減する効果があります。

小麦ブランには食物繊維のほかにも、ビタミンB1やビタミンB6、ビタミンE、さらにマグネシウム、鉄分、亜鉛といった、現代人に不足しがちなミネラルも多く含まれています。普段食べているパンやお菓子、麺類を小麦ブランに置き換えることで、これらの栄養素を効率的に摂取することが可能です。

小麦粒と全粒粉の違い

小麦の粒は主に三つの部分から成り立ちます。外側を覆う外皮、アリューロン層、そして内部の胚芽と胚乳です。小麦粉に加工されるのは、主に胚乳部分です。

強力粉は小麦の中心を挽いて得られるものであり、一方で全粒粉は胚芽や外皮ごと粒全体を挽きます。小麦のミネラルで知られる成分は、主にカリウムとリンです。さらに、外皮には多くのマグネシウムやマンガンが含まれています。

成分の差異について

全粒粉と強力粉の主な違いは、灰分量にあります。これにより、ビタミンやミネラルが豊富だとされています。

でんぷんは粒の中心に多く、中心に近づくほど蛋白質の量が減少します。そのため、一等粉と呼ばれる灰分が少ない強力粉は、一般にタンパク質の含有量が少なくなる傾向があります。しかしながら、中心部のタンパク質はグルテンの形成がしやすく、パン作りに適していると言われます。

小麦の灰分量は、品種や天候の影響を受け、通常は1.2〜1.8%の範囲に収まります。特にアリューロン層と呼ばれる薄い胚乳層に多くの灰分が含まれており、外皮や胚芽にも豊富ですが、胚乳には少量しか含まれていないとされています。

外観の相違

通常、市販されている強力粉は白色ですが、全粒粉には外皮が含まれるため、色がやや茶色味を帯びています。さらに、挽き方で見た目が変わります。粗挽きの全粒粉は、もっと茶色に見えることがあります。

異なる吸水特性

全粒粉を使用する際の水分量については、普段より控えめにするのが良いとされています。

全粒粉は水を吸収しやすい性質があります。また、外皮に近い二等粉も同様です。しかし、水を吸うという性質が必ずしも吸水が高いというわけではありません。外皮にはでんぷんが含まれていないため、それ自体が生地の膨張に寄与しません。そのため、水分を多く加えると、生地がベタつき、発酵時のボリュームも不足してしまうことがあり得ます。さらに、焼成時に水分が多いと火通りが悪くなり、粘りがちな食感を引き起こします。

したがって、全粒粉を混ぜる場合は水分量を控えることをおすすめします。ミキシング中に全粒粉が水を吸うため、追加で水を加えたくなるかもしれませんが、全粒粉の外皮部分が吸収した水分は単に蒸発するだけで、発酵や焼成に悪影響を及ぼすことがあります。

グルテン

胚乳の外側や胚芽、アリューロン層には、豊富なタンパク質が存在していますが、これらは一般的な植物性タンパク質で、グルテン形成には関与しないとされています。一方で、小麦粉の主原料として胚乳の中心部が選ばれるのは、その部分がパンや麺、または菓子に加工する際に適しているためです。中心部に含まれるタンパク質は、特にグルテンになった際の特性が優れているとされています。

生地のボリューム

全粒粉は比重が高いため、生地が小さくなりやすいです。したがって、同じ250gを使用する場合でも、通常の強力粉の方が比重が低くなります。そのため、ホームベーカリーで全粒粉を混ぜる場合には、全体の量を少し増やすことを検討しても良いでしょう。

ボリュームの違い

全粒粉に含まれる成分がグルテン膜に影響を与え、生地の膨らみが期待通りにならないことがあります。この現象は全粒粉の粒度にもよりますが、ふすまなどが発酵を阻害し、生地が十分に膨らまない原因となることがあります。

風味の差異

全粒粉は非常に香ばしく、香りが強い特徴があります。少し加えるだけでも、小麦の風味を引き立てることができます。穀物の香りを楽しみたい方には、全粒粉の使用が特に適しています。

食感

強力粉はスムーズな食感を持ちますが、全粒粉にはふすまが含まれているため、独特のつぶつぶ感が楽しめます。ただし、この食感は全粒粉の挽き方や粒の細かさによって変わることがあります。全粒粉を多く取入れたい場合には、石臼で挽かれた「はるゆたか」や「はるきらり」の細挽き全粒粉を選ぶと、より滑らかな口当たりになります。一方で、つぶつぶ感を求める方には、石臼で挽いた「春よ恋」の粗挽き全粒粉が適しています。

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