日本の伝統的なスナックといえば、あられとおかきが思い浮かぶことでしょう。外はカリッと、中はもち米の豊かな風味が広がるこれらの美味しいお菓子は、どちらも米から作られていますが、その違いをご存知でしょうか?見た目や食感、そして製法に至るまで、それぞれに独自の特徴があります。本記事では、あられとおかきの違いを深掘りし、伝統の味わいについて詳細に解説します。これを機に、さらにお菓子の世界を探求してみませんか?
せんべい、あられ、おかきの違いとは?うるち米について知っていますか?
せんべいやおかき、あられは米を使った菓子で、これらは米菓と総称されています。これらを作るのには「うるち米」や「もち米」といった米が主に使用されています。では、うるち米とは一体どのような米なのでしょうか。うるち米の特性を理解することで、せんべい、おかき、あられの違いについても深く知ることができます。
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日常で何気なく親しんでいる身近なうるち米
日本の米には、さまざまな品種が存在し、たとえばコシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれなどが有名です。それぞれ独自の食感と風味を持っています。これらの米は一般に「うるち米」と呼ばれ、日本の主食として広く親しまれています。
一方で、餅やおこわに用いられるのは「もち米」です。この米は、うるち米に比べて粘りの強さが特徴で、もちもちとした特有の食感を生み出します。これは、米の主成分であるデンプンの構成によるものです。
デンプンは元々ブドウ糖が連なってできており、アミロースとアミロペクチンの2種類の成分から成り立っています。アミロースはブドウ糖が直線に約1, 000個続くもので、アミロペクチンは枝状に約10, 000個続く構造です。
アミロースが多い米はさっぱりとした食感を持つ一方で、アミロペクチンが豊富な場合、粘り強い米となります。
もち米は、ほぼアミロペクチンのみでできています。一方、うるち米はアミロースが約20%、アミロペクチンが約80%の割合で含まれています。このように米の粘りの度合いは、これらの成分の割合に依存しています。※1※2
せんべい・おかき・あられの素材として用いられるお米とは?
うるち米やもち米は、主食だけでなくお菓子の材料としても広く使われています。米を使用したスイーツには、米菓、だんご、おはぎなどがあり、それぞれの特徴を活かして様々に活用されています。
例えば、上新粉に加工されたうるち米を用いたお菓子には、だんごや草餅、柏餅があり、もちっとしながらも歯切れが良い独特の食感が楽しめます。
一方、白玉粉やもち粉として使われるもち米を材料にしたお菓子には、白玉団子や大福の求肥などがあり、独特の粘りがあり、伸びる性質があるのが特徴です。それでは、米菓であるせんべい・おかき・あられの原料にはどの米が適しているのでしょうか。
せんべいは、粘りの少ない「うるち米」を使っており、比較的平べったく膨らまない形になります。対して、「もち米」を使うおかきやあられは、加熱することで膨らみやすく、サイズに基づいて分類されています。おかきは大きめ、あられは小さめとされています。
製造工程の違いも注目すべき点です。せんべいは、うるち米を粉末にして熱湯を注ぎ、練り上げた生地を蒸した後、ついたものを薄く伸ばし形を整えて焼きます。
おかきやあられは、もち米を蒸して餅にし、冷やし固めたものを適切なサイズに切り、乾燥させてから焼き、味を付けます。この工程が、それぞれに特有の食感と風味を生み出す要因です。
以上のようなデンプンの性質や製造工程の知識は、せんべい・おかき・あられの違いを理解する上で重要な要素です。
多種多様!せんべい・おかき・あられの魅力
せんべいやおかき、あられはそれぞれが持つ独特の食感と多様な味付けが魅力で、食べるたびに新鮮な発見があります。さまざまな種類があり、例えば厚焼きせんべい、ぬれせんべい、揚げせんべい、さらには柿の種といったラインナップも豊富です。
厚焼きせんべいは、その分厚さとバリッとした硬さが特徴的で、シンプルな塩や醤油、素焼きなど、シンプルな味付けが一番人気です。ぬれせんべいは、千葉県銚子市の特産品として有名で、焼き立てを醤油に漬け込んだ柔らかい食感が楽しめます。揚げせんべいは、油で揚げることでサクサクとした食感と濃厚な風味が絶品です。柿の種は、ピリッとした辛さが特徴の醤油味がベースで、ワサビや梅味、チョコレートでコーティングされたものなど、多様なバリエーションがあります。このように、多種多様なお菓子が揃っており、その日の気分に応じて選ぶ楽しみも満載です。
長期間楽しめる米菓の美味しさ
お菓子には長期間おいしさを保つことができるものが多く存在します。せんべい、おかき、そしてあられもその代表例です。これらの米菓は水分含量が少ないため、腐敗しにくいという特性があります。
米菓の賞味期限は種類によって異なるものの、通常は60日から180日ほど持ちます。なお、ぬれせんべいのように醤油に漬けたものは水分が多いため、賞味期限が15日から60日と短めです。
これらの米菓は袋を開けるだけでそのまま食べられる手軽さも魅力です。さらに常温保存が可能なので、非常時の食料としても役立つでしょう。慣れ親しんだ米菓が非常時にあると、安心感を得られるかもしれません。
米菓はバリエーションが豊富なので、飽きずに楽しむことができます。休息中のお供にせんべい、おかき、あられをぜひお試しください。
☆おせんべいの中には、米以外に小麦を原料とするものもあります。詳細はこちらをご確認ください。