柚子はその独特な香りと風味で料理や飲料に広く使用される一方、日本でも一部の人々にアレルギー反応を引き起こす可能性があります。柚子アレルギーは比較的珍しいものの、一度発症すると日々の生活に影響を及ぼすことがあります。本記事では、柚子アレルギーの注意点とその対策について、基本的な知識を紹介し、安全に柚子の魅力を楽しむための方法を探ります。特にアレルギーを疑う場合には、早期発見と適切な対応が重要です。
ユズとアレルギー 柚子アレルギー
バレンシアオレンジや温州ミカン、グレープフルーツに共通する抗原性が示唆されていますが、ユズによるアレルギーについても以下のような報告があります。
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ユズ アレルギーの影響と注意事項
1歳の女児が、ユズシャーベットを食べて30分後に嘔吐と下痢を起こし、ユズ入りのポン酢を摂取した2時間半後にも嘔吐しました。別の日には同様の食品を食べた30分後に嘔吐が起きました。特異的IgE抗体価(ELISA法)ではオレンジ、グレープフルーツ、トマトに陽性反応が認められ、ユズの皮膚試験(プリックテスト)では7×7mmの膨疹が現れ陽性となりました(出典: ユズアレルゲンの解析)。
ユズは密に植えられた状態であり、作業中に枝や葉と接触することが多いため、ユズに寄生するミカンハダニなどがアレルゲンとなる場合があります。これらのダニによって栽培者にアレルギー症状が起こることがあります。特にミカンハダニの虫体や脱皮殻、フンなどの吸入によりアレルギーが引き起こされると考えられていますが、ミカンハダニにはコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニと共通するアレルゲン成分が存在することも示唆されています。ダニ防除によってこれらの暴露量を減らすことが対策の一つです。
なお、ユズは英語圏でも "yuzu" と表記されることが一般的です。