みずみずしさの秘密!知られざるキュウリの特徴と魅力を徹底解剖

シャキシャキとした食感と、爽やかな清涼感が魅力のキュウリ。サラダや漬物など、食卓に欠かせない存在ですよね。でも、私たちが普段何気なく口にしているキュウリには、知られざる秘密がたくさん隠されています。この記事では、みずみずしさの秘密はもちろん、栄養価、選び方、そして意外な調理法まで、キュウリの魅力を徹底的に解剖!読めばきっと、あなたもキュウリの虜になるはず。さあ、みずみずしいキュウリの世界へ飛び込んでみましょう!

キュウリとは

一般的にキュウリとして知られる植物は、学術的にはCucumis sativusという名称で分類されます。

この植物はウリ科に属する一年生蔓草であり、その果実は野菜として広く消費されています。

かつては完熟した果実も食されていましたが、現在では未熟なものが主流です。原産地はインド北部からヒマラヤ地域とされ、日本へは平安時代に伝来し、大正時代以降に広く普及しました。

キュウリは、その長い歴史の中で、食用野菜として世界中で栽培されてきました。その果実の大部分は約95%が水分で構成されており、独特のシャキシャキとした食感と、さっぱりとした風味が特徴です。特に暑い時期や地域においては、水分を豊富に含んでいることから、水分補給源として重要な役割を果たしてきました。

原産はインド北西部のヒマラヤ山脈南麓と考えられ、紀元前10世紀頃には西アジアに根付いたとされています。メソポタミアでは紀元前4000年には既に栽培が盛んであり、その後、インド、古代ギリシア、古代エジプトなどにも広がりました。さらに時代を経て、6世紀には中国へ、9世紀にはフランスへ、14世紀にはイングランドへ、そして16世紀にはドイツへと伝わり、16世紀頃のヨーロッパで広く栽培されるようになりました。アメリカ大陸への伝播は15世紀末、クリストファー・コロンブスがハイチに持ち込んだことがきっかけとなり、普及していきました。ちなみに、ローマ皇帝ティベリウスはキュウリを非常に好んだ人物として知られています。

原産地から東方への伝播には2つのルートが存在します。中国においては、かつて東南アジアからビルマを経由して華南に伝わった、水分が少ない品種が広まっていました。その後、シルクロードを経由して華北に、みずみずしい品種が伝わるまでの間は、この水分が少ない品種を完熟させてから食べるのが一般的でした。後に、これらの品種はそれぞれ、漬物や酢の物用、生食用として使い分けられるようになりました。

日本での歴史

日本へは6世紀に中国から南伝種のキュウリが伝来し、明治時代には北伝種も導入されました。しかし、本格的な栽培が始まったのは昭和初期からです。仏教とともに遣唐使が持ち帰ったとも言われていますが、当初は薬として利用されていたと考えられ、空海ゆかりの「きゅうり加持」にも用いられました。南伝種の伝来後、江戸時代までは完熟したものが食されており、「黄瓜」と呼ばれていました。完熟キュウリは苦味が強いため、徳川光圀や貝原益軒は美味しくないと評しており、江戸時代末期までは一般的な野菜ではありませんでした。その背景には、戦国時代の医学者、曲直瀬道三の著書におけるキュウリの毒性に関する記述があったと考えられています。しかし、安土桃山時代以前にはそのような禁忌はなく、平安時代の書物には、美食家の女性が好物の一つとして「胡瓜黄」を挙げています。イエズス会宣教師ルイス・フロイスは、16世紀に日本人が未熟な果物を食べる一方で、キュウリだけは完熟したものを食べるという観察を記録しています。

キュウリが重要な野菜として定着したのは江戸時代末期のことです。当時キュウリの産地であった砂村(現在の江東区)で品種改良が進み、成長が早く、食感や味の良い品種が生まれたことがきっかけで、人気が急上昇しました。明治末期には、栽培面積がナスの3分の1強にまで拡大しました。昭和初期には栽培面積がさらに増加し、第二次世界大戦後には温室栽培が盛んになり、サラダや漬物への需要増加に伴い、生食用野菜としての重要性が高まりました。その結果、キュウリはトマトと並び、果菜類の収穫量で首位を争うほどになりました。終戦までは関東では「落合」、関西では「馬込反白」系が主流でしたが、1965年頃から各地でキュウリの産地が増え、品種改良競争が激化しました。

栄養素

食用とされるキュウリは、まだ熟していない若い果実です。淡色野菜に分類され、果皮は緑色ですが果肉は白色をしています。そのまま食べられる手軽さや、一度にたくさん摂取できることから、人気の高い野菜の一つです。

生のまま味噌やもろみをつけて味わったり、サラダや寿司、酢の物、和え物など、様々な料理に利用されます。漬物としても、かっぱ漬けや奈良漬け、ぬか漬けなど、幅広く用いられます。日本では生食が一般的ですが、中華料理では炒め物や煮物にも使われます。また、キュウリスープは世界各地で親しまれており、トルコやスペイン、ロシア、ポーランドなどで独自のレシピが存在します。イギリスでは、アフタヌーンティーに欠かせないキュウリサンドイッチがあります。

近年、キュウリの表面に見られるブルームと呼ばれる白い粉状の物質が、農薬と誤解されることがあり、ブルームレスキュウリの栽培が増えています。ブルームレスキュウリは日持ちが良い反面、ブルームのあるキュウリに比べて風味が劣ると言われています。ブルームのあるキュウリは、歯切れが良く、種が小さいのが特徴で、生食や漬物に適しており、その美味しさが見直されています。

新鮮なキュウリは表面のイボが立っていますが、時間が経つにつれて取れていきます。そのため、イボの状態は鮮度を見分ける目安となります。近年では、イボに雑菌が付着しやすいことから、イボのない品種も開発されています。

長さ10〜12cm程度の若いキュウリは「もろきゅう」と呼ばれ、味噌などを付けて食べられます。さらに未熟な花付きのものは「花丸キュウリ」と呼ばれ、料理の彩りとして利用されます。キュウリの雄花も料理の添え物として活用できます。また、品種改良により、苦味の少ないキュウリも開発されています。

きゅうり