クランペット
イギリス料理の代表格といえば何を思い浮かべますか?フィッシュ&チップスかもしれませんし、ジャケットポテト、あるいはサンデーローストかもしれません。しかし、もしあなたが思いの外本格的な英国の朝食体験を探しているなら、クランペットは必ずリストに入れておくべきアイテムです。この黄金色に焼かれた、穴だらけのフラットブレッドは、伝統的な英国の朝食の星です。今回は、クランペットの魅力を深掘りしてみましょう。
クランペットってなに?
イギリスを代表する食文化であるクランペットは、特殊な見た目とその調理法から、世界中で注目されています。何と言っても、イギリスのティータイムには欠かせない存在です。
そもそもクランペットとはどんなものかというと、一言で「パン」と表すのは正確ではなさそうです。各国にはそれぞれ微妙に違うパンがありますが、その中でもクランペットは一風変わっています。酵母を使った目玉のような形状の生地を薄く焼き上げ、途中でたっぷりと穴を開けるのが特徴で、ここにジャムやバターを塗れば、その風味が口中に広がります。
このクランペットの製作は、非常に簡単。主要な材料は酵母で、生地をフライパンでじっくりと焼いていくだけです。焼く時間や強さによって、生地自体の風味とパン皮のパリッと感を調節することができます。一見地味な見た目ですが、その風味の豊かさと食感から、イギリス人に深く愛されています。
クランペットに合う具材は、甘めのクリームやジャム、ミントジュレップなどが主流。これに溶けるチーズをトッピングし、さらにホットティーを添えれば、本場イギリスのティータイムがここでも再現できます。
おやつやホームパーティーの一品としてもぴったりなクランペットは、最近SNSでも徐々に話題に。Twitterのレシピもあり、中には28万以上の「いいね」を獲得したものもあるそう。独特な見た目と手軽な調理法でクランペット人気は着実に高まっているようです。
クランペットの作り方
クランペットを上手に作るコツは…
「発酵」と「焼き」の二つが、クランペットを美味しく作るコツだと言えます。
素材選びから始まりますが、特に重要なのが発酵です。小麦粉の選び方や、新鮮なドライイーストの使用も忘れてはいけません。緩やかに混ぜることで、ふんわりと柔らかい生地ができ、クランペット特有の特徴を引き立てます。
焼き方も同様に重要で、落ち着くまで生地を動かさず、中火で慎重に焼き上げます。これにより、カリッとした外側ともっちりとした中身を実現します。
焼き立てのクランペットにバターやジャムを塗ると、香りが一体化し美味しさが倍増します。ベーキングパウダーがない場合は重曹を使用し、適切な発酵時間を掛けることでしっかりとした食感を得られます。
サクッとした食感を楽しむためにも、焼き上げてからすぐに食べることをオススメします。トーストとバターやジャム、それに目玉焼きやベーコン、キャロットラペを加えた朝ごはんの一品としても最適です。
手間は必要ですが、その分美味しいクランペットが楽しめます。一見簡単そうに見えるクランペット造りですが、実は繊細な工程が必要となります。しかし、その手間がクランペットの格別な味わいを生み出します。
クランペットならアレンジいろいろ
クランペットは甘さ控えめの焼き菓子で、ゆえに目玉焼きやベーコンといった具材とも絶妙にマッチします。これらを乗せてサラダと一緒にワンプレートにするだけで、元気な一日のスタートにふさわしい朝の食卓が完成します。
また、クランペットはまとめて焼き上げ、それをナンやトーストのように軽く再加熱することで、焼き立ての香ばしさを取り戻すことができます。
クランペットの特徴は、その表面にある無数の穴から、ハチミツやメープルシロップといったトッピングがゆっくりと滲み込むこと。その結果、クランペットから溢れ出る甘味に、たとえばパンケーキよりも虜になるかもしれません。
甘味で楽しむ場合、焼きたてのクランペットにバニラアイスとベリーソースを添えるのは言うまでもありません。アイスが少しずつとろけ出し、その溶け液がソースがわりになり、クランペットをもっと美味しくしてくれます。
その他にも、バナナやイチゴといったフレッシュフルーツ、あるいはホイップクリームをトッピングするなど、シンプルでありながらも様々なアレンジに対応するクランペットは、その楽しみ方も無限大だと言えるでしょう。
まとめ
クランペットの楽しみ方は無限大。バター、ジャム、ハニーなど、お好みのトッピングと一緒に頬張れば、口の中で広がる幸せな味わい。馴染みのない名前かもしれませんが、一度味わえば病みつきになること間違いなし。さあ、イギリス料理の新たな一面を、クランペットとともに発掘しませんか。