独特の香りが魅力的なパクチー。料理のアクセントとして葉を使うのが一般的ですが、根っこの部分は捨ててしまっていませんか?実は、パクチーの根には葉にも負けないほどの風味があり、様々な料理に活用できる万能食材なのです。この記事では、パクチーの根っこを最大限に活かすための活用術をご紹介します。今まで捨てていた部分を有効活用して、食卓をさらに豊かに、そしてサステナブルにしてみませんか?
パクチーの根の下処理と長期保存のための冷凍保存術
パクチーの根を最大限に活用するためには、適切な下処理と保存方法が不可欠です。まず、根の下処理の基本手順として、茎の根元から4~5cmのところで切り離します。次に、茎の間を広げて、土などの汚れがないか確認します。流水で茎の間についた土や汚れを丁寧に洗い流します。さらに、根の太い部分の表面を包丁の背などで軽くこすり、汚れを取り除きます。この一連の作業を丁寧に行うことで、パクチーの根本来の豊かな風味と香りを最大限に引き出すことができます。下処理を終えたパクチーの根は、すぐに使い切れない場合でも、簡単に冷凍保存が可能です。きれいに洗った根をラップで包み、冷凍庫で保存すれば、必要な時に必要な分だけを取り出して使うことができるので大変便利です。一度に大量のパクチーを使う機会は少ないため、この冷凍保存術を身につけることで、新鮮な状態を保ちながら食品ロスを防ぎ、いつでも本格的な風味を料理に加えることができます。冷凍したパクチーの根は、凍ったまま刻んだり、すり潰したりして、ドレッシング、ハンバーグのタネ、スープなどに直接加えることができます。その香りの強さと風味は加熱後も失われにくいため、さまざまな料理で活躍します。
家庭で本格的なタイの味を!パクチーの根を使った絶品タイ料理レシピ
パクチーの根(コリアンダールート)は、タイ料理では欠かせない香味素材のひとつです。葉よりも香りが濃厚で、料理に深みとコクを与えます。家庭菜園でパクチーを育てているなら、ぜひ根まで活用してみましょう。ここでは、パクチーの根を使って本格的なタイの味を楽しめるレシピを3つご紹介します。
① パクチーの根入りトムヤムクン(タイ風エビスープ)
【材料(2人分)】 ・むきエビ…150g ・パクチーの根…2〜3本分 ・レモングラス…1本(なければレモンの皮でも代用可) ・トマト…1個 ・ナンプラー…大さじ1 ・レモン汁…大さじ1 ・鶏ガラスープの素…小さじ2 ・水…400ml ・パクチーの葉…適量
【作り方】
- パクチーの根をよく洗い、包丁で軽く叩いて香りを出します。
- 鍋に水・鶏ガラスープの素・パクチーの根・レモングラスを入れて火にかけます。
- 沸騰したらトマトとエビを加え、エビの色が変わるまで煮ます。
- ナンプラーとレモン汁で味を整え、器に盛ってパクチーの葉を添えて完成。
パクチーの根がスープ全体に豊かな香りを与え、奥深い味わいに仕上がります。
② パクチーの根ペーストで作る鶏肉のタイ風グリル(ガイヤーン)
【材料(2人分)】 ・鶏もも肉…1枚 ・パクチーの根…3本 ・にんにく…1片 ・こしょう…小さじ1/4 ・ナンプラー…大さじ1 ・はちみつ…小さじ1 ・サラダ油…小さじ1
【作り方】
- パクチーの根・にんにく・こしょうをすり鉢またはミキサーでペースト状にします。
- ボウルにペースト・ナンプラー・はちみつ・油を加えて混ぜ、鶏肉を漬け込みます(30分以上)。
- フライパンまたはグリルで、皮がこんがりするまで焼きます。
パクチーの根の香りが肉の旨みを引き立て、まるで現地の屋台で食べるような本格的な味に。
③ パクチーの根で香り豊か!タイ風チャーハン(カオパット)
【材料(2人分)】 ・ごはん…2膳分 ・エビまたは鶏肉…100g ・卵…1個 ・パクチーの根…2本 ・にんにく…1片 ・ナンプラー…大さじ1 ・オイスターソース…小さじ2 ・こしょう…少々 ・パクチーの葉…適量
【作り方】
- パクチーの根とにんにくをみじん切りにします。
- フライパンに油を熱し、香りが出るまで炒めます。
- エビや鶏肉を加えて炒め、火が通ったら卵を入れて軽く混ぜます。
- ごはんを加えて調味料で味付けし、最後にパクチーの葉を添えて完成。
パクチーの根がベースの香味オイルのような役割を果たし、いつものチャーハンが一気にエスニックに。
タイ料理だけじゃない!パクチーの根で和食をもっと美味しく
独特の香りと風味を持つパクチーの根は、タイ料理はもちろんのこと、日本の食卓にも新しい魅力をもたらします。意外にも和食のテイストにマッチし、いつもの料理を格上げする隠し味として活躍します。
パクチーの根っこ入り肉そぼろ
香りが際立つパクチーの根を鶏ひき肉と合わせた肉そぼろは、和風の味付けながらもパクチーの個性的な香りが食欲をそそる一品です。ご飯のお供や麺類のトッピング、卵焼きの具材など、様々な用途で楽しめます。美味しく作るポイントは、パクチーの根を丁寧に水洗いし、清潔な状態にしてから使用することです。パクチーは一度に少量しか使わないことが多いので、余った根はきれいに洗ってラップで包み、冷凍保存すると便利です。基本の醤油ベースの味付けに加え、お好みで醤油の一部をナンプラーに代えたり、鷹の爪や刻んだ唐辛子を加えてピリ辛にアレンジするのもおすすめです。パクチーの根が持つ香りのパンチが、鶏ひき肉の旨味を引き立て、奥行きのある味わいを生み出します。
パクチー根っことごぼうのきんぴら
パクチーの根がたくさん手に入った時に試してほしいのが、食物繊維が豊富なごぼうと一緒に作るきんぴらです。土の中で育つ根菜同士であるごぼうとパクチーの根は、お互いの風味を邪魔することなく、絶妙なハーモニーを奏でます。このきんぴらでは、パクチーの根のひげ根も丁寧に洗えばそのまま使えるため、食材を余すことなく活用できます。パクチーは、葉、茎、茎の根元部分、根と、それぞれ食感や香りの強さが異なります。そのため、料理によって使い分けるのが美味しく調理する秘訣です。例えば、葉や茎はサラダや和え物に、茎の根元部分はオムレツの風味付けに、そして根はスープに入れると良い出汁が出ます。タイでは、ペースト状にしてディップソースやカレーペーストに使われることもあります。このきんぴらでは、パクチーの根特有の香りがごぼうの風味と見事に調和し、これまでにない奥深い味わいを生み出します。材料(2人分)は、パクチーの根20本程度(約80g)、ごぼう1/3本、乾燥唐辛子1本、ごま油小さじ2、そして{A}としてナンプラー小さじ2、みりん小さじ2、酒小さじ2、きび砂糖小さじ1をご用意ください。一般的なきんぴらの作り方と同様に、ごぼうとパクチーの根を炒め、調味料で煮詰めたら完成です。ひげ根もそのまま調理することで、食感のアクセントになります。
まとめ
パクチーの根は、これまであまり注目されてきませんでしたが、実は食材として非常に価値が高く、タイ料理の味を決める重要な要素であるだけでなく、和食にも新しい風味をもたらす可能性を秘めています。料理研究家が言うように、最も香りが強い根の部分は、ドレッシングや肉だね、スープなど、幅広い料理に活用でき、加熱しても香りが損なわれにくいという特徴があります。下処理を丁寧に行い、使い切れなかった根は冷凍保存することで、食品ロスを減らしながら、いつでも本格的な風味を食卓に取り入れることができます。ご紹介した肉そぼろやきんぴらなどの和食へのアレンジはもちろん、本格的なタイ料理にも活用できます。パクチーの根を積極的に料理に取り入れることで、日々の食事がより豊かなものになるだけでなく、サステナブルな食生活にも貢献できます。今日からパクチーの根を捨てずに、色々なレシピでその秘めたるパワーを体感してみてください。
なぜタイ料理でパクチーの根が重宝されるのか?
パクチーの根は、その植物の中でも際立って香りが強く、本場のタイ料理ならではの味や奥深さを生み出す上で、なくてはならない存在です。葉の部分は飾りとして使われる程度で、根こそが料理の根幹を成す材料と言えます。加熱しても香りが損なわれにくいため、スープのベースやペーストの材料として活用することで、料理全体に芳醇な香りと旨味をもたらします。
パクチーの根、上手な下処理の方法は?
パクチーの根を調理する前の下処理では、まず根元から4~5cmほどの箇所で切り分け、茎の間や根の内部に泥が付着していないかを確認します。水を流しながら、指先や包丁の背を使って丁寧に汚れを洗い落とし、太い部分は包丁で薄く削ぎ落とします。この丁寧な洗浄こそが、根が持つ本来の風味を最大限に引き出し、料理の出来栄えを左右する重要な工程です。
パクチーの根は冷凍保存できる?
はい、パクチーの根は冷凍保存に適しています。多くの情報源でも推奨されているように、丁寧に水洗いして泥を落とした根をラップで包み、冷凍庫で保存すれば、必要な時に必要な量だけを取り出して使用でき、非常に便利です。冷凍保存によって、一度に使い切れない場合でも、鮮度を維持しながら食材を無駄にすることを防げます。
タイ料理以外で、パクチーの根を使ったおすすめレシピは?
パクチーの根は、タイ料理の枠を超えて様々な料理に活用できます。当記事でご紹介している「パクチーの根入り肉そぼろ」や「パクチー根っことゴボウのきんぴら」のように、普段の和食に風味を加える使い方もおすすめです。肉そぼろでは、和風の味付けにパクチーの香りが絶妙なアクセントとなり、きんぴらではゴボウとの相性が抜群で、食物繊維も豊富に摂取できます。その他、サラダのドレッシングや炒め物の香り付けなど、アイデア次第で様々な料理に応用可能です。
パクチーの根、最も香りが際立つ箇所は?
パクチーの根において、特に芳醇な香りを放ち、風味を豊かにするのは、茎と根が繋がるあたりの、ふっくらと太くなった部分です。この部分を丁寧に砕いたり、みじん切りにしたりすることで、秘められた香りが解き放たれ、料理全体を奥深い味わいで満たします。













