香菜(シャンツァイ)とは?パクチー、コリアンダーとの違いからおすすめレシピまで徹底解説

独特の香りが食欲をそそる香菜(シャンツァイ)。エスニック料理に欠かせない存在として、近年日本でもその人気は高まるばかりです。しかし、「香菜」という名前は知っていても、読み方やパクチー、コリアンダーとの違いを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。この記事では、香菜の知られざる魅力に迫り、その正体から、ご家庭で楽しめるおすすめレシピまで、徹底的に解説いたします。

香菜(パクチー・コリアンダー)とは?その魅力と様々な名前

香菜はセリ科の植物で、エスニック料理や中華料理でおなじみの香味野菜です。「シャンツァイ」または「シャンサイ」と読みます。見た目は三つ葉やイタリアンパセリに似ていますが、香りは全く異なります。独特の風味は「カメムシのよう」「洗剤のよう」と表現されることもあり、好き嫌いがはっきり分かれます。しかし、一度その風味を体験すると、その魅力に取りつかれる人も少なくありません。葉は特に香りが強く、薬味やサラダなどの生食に最適です。茎は切ることで香りが立ち、加熱しても香りが飛びにくいのが特徴です。種子は乾燥させてスパイスとして利用され、葉や茎とは異なり、甘く爽やかな香りがします。料理の下味や香りづけに使われることが多いです。香菜、パクチー、コリアンダーは、すべて同じ植物を指します。「香菜」は中国語、「パクチー」はタイ語やベトナム語、そして「コリアンダー」は英語での呼び名です。日本では、エスニック料理には「パクチー」、中華料理には「香菜」、スパイスには「コリアンダー」と使い分けることが多いようです。このように様々な名前で呼ばれることからも、香菜が世界中で愛され、様々な食文化に根付いていることがわかります。

香菜の原産地と日本での栽培

香菜の原産地は地中海東部沿岸地域で、日本には10世紀頃に伝わったと言われています。現在では、北海道から沖縄まで、日本各地で栽培されています。温暖な気候を好むため、国内外問わず広い地域で栽培されています。エスニック料理人気の高まりとともに、日本での栽培量も増え、食卓でもおなじみの存在になりました。

香菜の旬と一年を通して手に入る理由

香菜は一年を通して手に入りますが、露地栽培の香菜が美味しいのは春から初夏にかけてです。ハウス栽培によって一年中入手可能ですが、旬の時期の露地物は香りが特に豊かで、味も格別です。

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香菜のおすすめの食べ方

香菜は、その個性的で爽やかな香りを最大限に味わうために、部位ごとに最適な食べ方が存在します。特に葉の部分は、香りが際立ち、清涼感にあふれているため、薬味として料理の仕上げに添えたり、サラダの材料としてふんだんに使用する生食がおすすめです。例えば、タイ料理の「ヤムウンセン」やベトナムの「フォー」に加えることで、香菜ならではの新鮮な香りが料理全体の風味を引き立てます。一方、茎の部分は、シャキシャキとした食感が特徴で、刻むことで香りがより一層広がります。加熱しても香りが損なわれにくいので、炒め物やスープ、煮込み料理など、幅広い調理法に適しています。中華料理の炒め物や、エスニックな鍋料理に加えると、料理に奥深い香りをもたらします。さらに、香菜の種子は、完全に乾燥させると「コリアンダーシード」というスパイスとして利用されます。葉や茎とは異なり、甘く爽やかな柑橘系の香りが特徴で、カレー粉の材料としてよく使われる他、ピクルス液やソーセージの風味付け、肉料理の下味など、世界中の料理で幅広く活用されています。このように、香菜は一つの植物でありながら、各部位が異なる特徴を持ち、様々な料理に利用できる万能な香味野菜と言えるでしょう。

香菜が苦手な方・手に入らない場合の代用品

香菜をうっかり買い忘れてしまった場合や、あの独特な香りが苦手という方のために、香菜の代わりになる野菜をご紹介します。香菜がお好きな方であれば、同じセリ科に属するセリやセロリがおすすめです。特にセロリの葉は、香菜に似た香りを持つと言われています。また、見た目が似ている三つ葉やイタリアンパセリも代用として使えます。これらの野菜もセリ科に属していますが、香菜に比べてクセが少ないため、香菜の風味が苦手な方でも比較的取り入れやすいでしょう。

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香菜(パクチー)おすすめレシピ

香菜(パクチー)は、その独特の香りと風味が特徴で、アジア料理には欠かせない存在です。いつもの料理に少し加えるだけで、手軽に本格的なエスニック風味をプラスでき、食卓を豊かに彩ります。ここでは、香菜の風味を存分に楽しめるおすすめのレシピを3つご紹介します。どれもご家庭で簡単に作れる人気のメニューばかりです。

① パクチーたっぷりアジアン冷しゃぶサラダ

【材料(2人分)】 ・豚しゃぶしゃぶ用肉…150g ・パクチー…1束 ・きゅうり…1本 ・ミニトマト…6個 ・ナンプラー…小さじ2 ・レモン汁…大さじ1 ・砂糖…小さじ1 ・ごま油…小さじ1

【作り方】

  1. 豚肉をさっと茹で、冷水に取って水気を切ります。
  2. きゅうりは細切りにし、パクチーはざく切りにします。
  3. 全ての調味料を混ぜてドレッシングを作り、具材と和えれば完成です。

パクチーの爽やかな香りとレモンの酸味が絶妙にマッチした、暑い季節にぴったりのサラダです。

② 香菜と鶏ひき肉のエスニック炒めご飯(ガパオライス風)

【材料(2人前)】 ・鶏ひき肉…150g ・ニンニク…1かけ ・鷹の爪…1本 ・オイスターソース…大さじ1 ・ナンプラー…大さじ1 ・砂糖…小さじ1 ・香菜…1束 ・ご飯…茶碗2杯分 ・卵…2個

【作り方】

  1. フライパンに油をひき、ニンニクと鷹の爪を弱火で炒めます。
  2. 鶏ひき肉を加えて中火で炒め、火が通ったらオイスターソース、ナンプラー、砂糖を加えて混ぜ合わせます。
  3. 火を止めて、ざく切りにした香菜を加えて軽く混ぜます。
  4. 目玉焼きを乗せたご飯に盛り付ければ完成です。

香菜の爽やかな香りが食欲を刺激する、本格的なガパオライス風の一品です。

③ 香菜とエビの爽やかライムスープ

【材料(2人前)】 ・むきエビ…100g ・香菜…1束 ・トマト…1個 ・ナンプラー…大さじ1 ・ライム果汁…大さじ1 ・鶏がらスープの素…小さじ2 ・水…400ml

【作り方】

  1. 鍋に水と鶏がらスープの素を入れて火にかけ、沸騰させます。
  2. トマトとエビを加え、エビに火が通るまで煮込みます。
  3. ナンプラーとライム果汁で味を調え、火を止めてから香菜を加えます。

ライムの酸味と香菜の香りが絶妙なバランスで、心も体も温まるエスニック風スープです。

まとめ

独特の香りで多くの人々を魅了する香菜。パクチーやコリアンダーといった様々な名前で親しまれていますが、全て同じ植物を指します。本記事では、香菜の基本的な情報に加え、香菜を使った様々なレシピ、さらには香菜の風味に近い代用野菜までご紹介しました。香菜好きの方はもちろん、今まで食べたことがない方や少し苦手意識がある方も、ぜひこの記事を参考に、香菜の新たな一面を発見してみてください。

香菜、パクチー、コリアンダーって何が違うの?

香菜、パクチー、コリアンダーは、すべて同じ植物を指す異なる呼び方です。これらの言葉は、地域や料理の種類によって使い分けられています。「香菜」は主に中国語で用いられ、「パクチー」はタイ語やベトナム語でよく使われます。一方、「コリアンダー」は英語圏での一般的な名称です。日本では、エスニック料理ではパクチー、中華料理では香菜、そして種子をスパイスとして利用する際にはコリアンダーと呼ばれることが多いです。

香菜のおいしい食べ方

香菜は、部位ごとに適した調理法があります。特に香りが際立つ葉は、生のまま薬味やサラダとして味わうのがおすすめです。茎は加熱調理にも向いており、乾燥させた種はコリアンダーシードというスパイスになり、独特の香りが楽しめます。

香菜の風味はどのように例えられる?

香菜の風味は非常に特徴的で、人によって感じ方が異なります。「石鹸のよう」と表現する人もいれば、その爽やかさに魅了される人もいます。好き嫌いが分かれるものの、ハマる人はとことんハマる、そんな個性的な香味野菜です。

香菜が最もおいしい時期は?

香菜は一年を通して手に入りますが、露地栽培されたものが最もおいしい旬は、春から夏の初め頃です。この時期の香菜は、香りが一段と強く、風味も豊かです。

香菜の代わりになる野菜は?

香菜の風味が苦手な場合、セリ科のセリやセロリで代用できます。特にセロリの葉は香菜に似た風味を持っています。また、三つ葉やイタリアンパセリも比較的クセが少なく、見た目も似ているためおすすめです。

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