独特の香りが食欲をそそる香菜(シャンツァイ)。中華料理やエスニック料理には欠かせない存在ですが、「パクチー」や「コリアンダー」といった名前でも親しまれています。これらの違いは何なのでしょうか?実はすべて同じものを指しているのです。この記事では、そんな香菜の基本的な情報から、知っておくと料理が楽しくなる豆知識までを徹底解説。さらに、香菜を余すことなく活用できるおすすめのレシピもご紹介します。香菜の魅力を再発見し、食卓をより豊かに彩りましょう。
シャンツァイ(パクチー・コリアンダー)とは?特徴と名前の使い分け
シャンツァイはセリ科の植物で、中華料理やエスニック料理でおなじみの香味野菜です。中国語が語源の「シャンツァイ」または「シャンサイ」という読み方をします。見た目は日本のミツバやイタリアンパセリに似ていますが、風味は独特で大きく異なります。その独特の香りは、「カメムシのようだ」とか「石鹸のようだ」と表現されることもあり、好みが分かれやすいです。しかし、一度その風味を味わうと、清涼感や独特の風味に魅了され、夢中になる人も少なくありません。シャンツァイは部位によって異なる特徴があり、それぞれを理解することで、より料理に活用できます。葉は香りが強く、生のまま薬味として添えたり、サラダに加えるのがおすすめです。茎は切ると香りが一層強くなり、加熱しても香りが飛びにくいので、炒め物や煮込み料理に向いています。種は乾燥させてスパイスとして使われます。葉や茎のような強い風味はなく、爽やかで甘い香りが特徴で、料理の下味やカレーのスパイス、ピクルスの香り付けに使われます。
「シャンツァイ」「パクチー」「コリアンダー」は、すべて同じ植物を指す言葉です。これらの名前は、使われる地域や用途によって使い分けられています。「シャンツァイ」は中国語の名前で、主に中華料理で使われます。タイやベトナムなどの東南アジアでは「パクチー」と呼ばれ、エスニック料理で一般的です。英語圏では「コリアンダー」と呼ばれ、特に種をスパイスとして使う場合に用いられます。日本では、エスニック料理には「パクチー」、中華料理には「シャンツァイ」、乾燥させた種は「コリアンダー」と、料理の種類や目的、部位に応じて使い分けるのが一般的です。同じ植物でも名前が異なることで、利用シーンが明確になります。
シャンツァイの主な産地と旬
シャンツァイの原産地は地中海東部沿岸とされ、日本には10世紀頃に伝わったとされています。長い歴史の中で、現在では北海道から沖縄まで、日本各地で栽培されています。栽培地域は広く、それぞれの生産者が気候や土壌に合わせて工夫しながら栽培しています。日本で生産されたシャンツァイは、新鮮な状態で市場に届けられるため、手軽に入手できます。
ハウス栽培が普及しているため、シャンツァイは一年を通して手に入ります。露地栽培のシャンツァイが最も美味しい時期は、春から初夏にかけてです。この時期のシャンツァイは、太陽の光を浴びて育ち、香りが豊かで、葉も柔らかく、風味が増します。旬の時期に収穫されたシャンツァイは、独特の香りと清涼感が際立ち、料理の味を格段に引き立てます。一年中楽しめますが、旬の時期には露地物のシャンツァイを選んで、最高の風味を味わってみてください。
シャンツァイがない時の代用アイデア:苦手な人にもおすすめ
シャンツァイを買い忘れたり、独特の風味が苦手な場合でも、代用できる野菜があります。シャンツァイの風味が好きで、料理に取り入れたい場合は、同じセリ科のセリやセロリがおすすめです。特にセロリの葉は、シャンツァイに近い独特の香りがあり、料理に深みとアクセントを加えることができます。これらの野菜は、シャンツァイとは異なるものの、セリ科特有の爽やかで少し苦みのある風味が、エスニック料理や中華料理に合うことがあります。
シャンツァイの風味が苦手で、クセの少ない野菜で代用したい場合は、見た目が似ているミツバやイタリアンパセリがおすすめです。これらもセリ科の野菜ですが、シャンツァイのような強い香りではなく、マイルドで万人受けしやすい風味が特徴です。ミツバは和風料理によく使われますが、爽やかな香りはエスニック料理の薬味としても合います。イタリアンパセリは、イタリア料理でよく使われるハーブですが、見た目が似ているため、シャンツァイの代用として違和感が少なく、料理に彩りと軽やかな香りを与えます。シャンツァイの代用を選ぶ際は、料理の風味や好みに合わせて最適な野菜を選びましょう。
香菜(パクチー)を存分に楽しむおすすめレシピ
独特の風味でアジア料理に欠かせない香菜(パクチー)。そのフレッシュな香りは、サラダや炒め物、スープなど、さまざまな料理に利用できます。ここでは、パクチーをメインに使ったおすすめレシピを3つご紹介します。どれもご家庭で手軽に作れるものばかりです。
① パクチーと鶏むね肉の爽やかサラダ
【材料(2人分)】 ・パクチー…1束 ・鶏むね肉…1枚 ・きゅうり…1本 ・ナンプラー…小さじ2 ・レモン果汁…大さじ1 ・ごま油…小さじ1 ・砂糖…ひとつまみ ・塩・こしょう…少々
【作り方】
- 鶏むね肉は茹でてから手でほぐし、冷ましておきます。
- きゅうりは千切り、パクチーは食べやすい大きさに切ります。
- すべての調味料を混ぜてドレッシングを作り、材料とよく混ぜ合わせれば完成です。
レモンとナンプラーの風味が、パクチーの香りを一層引き立てる、食欲をそそる一品です。
② エスニック香るパクチーチャーハン
【材料(2人分)】 ・温かいごはん…茶碗2杯分 ・卵…1個 ・にんにく…1かけ ・赤唐辛子…1/2本(お好みで) ・ナンプラー…小さじ2 ・醤油…小さじ1 ・パクチー…1束 ・サラダ油…大さじ1
【作り方】
- フライパンにサラダ油をひき、みじん切りにしたにんにくと小口切りの赤唐辛子を弱火で炒めます。
- 溶き卵を加えて軽く炒め、ごはんを加えてパラパラになるまで炒め合わせます。
- ナンプラーと醤油で味を調え、最後に刻んだパクチーを加えて混ぜ合わせたら完成です。
パクチーの香りが口いっぱいに広がる、本格的なアジアンチャーハンです。
③ パクチーとエビのライムスープ
【材料(2人分)】 ・むきエビ…100g ・パクチー…1束 ・トマト…1個 ・ナンプラー…大さじ1 ・ライム果汁…大さじ1 ・水…400ml ・鶏がらスープの素…小さじ2
【作り方】
- 鍋に水と鶏がらスープの素を入れて火にかけ、沸騰させます。
- エビとざく切りにしたトマトを加え、エビに火が通るまで煮ます。
- ナンプラーとライム果汁で味を調え、火を止めてからパクチーを加えます。
爽やかな酸味とパクチーの香りが絶妙にマッチした、体の芯から温まるスープです。
パクチーは、料理のアクセントとしてはもちろん、メイン食材としても楽しめる万能な食材です。自家栽培の新鮮なパクチーを使えば、その風味は格別で、いつもの料理がさらに美味しくなります。ぜひ、ご家庭で香菜の魅力を存分にお楽しみください。
まとめ
今回は、独特の風味で好き嫌いが分かれやすいものの、多くの人々を惹きつけるシャンツァイについて詳しく見てきました。パクチーやコリアンダーといった様々な名前で親しまれていますが、これらは全て同一の植物を指していることをご理解いただけたかと思います。シャンツァイは、葉、茎、種といったあらゆる部分が料理に利用され、それぞれ異なる風味と香りを楽しむことができます。さらに、国内の主要な産地や旬の時期、もし買い忘れてしまった時のための代用となる野菜、そしてその独特な風味が苦手な方への代替案もご紹介しました。本記事を通して、シャンツァイの多様な使い方と奥深い魅力を感じていただけたなら幸いです。シャンツァイがお好きな方はもちろん、今まで少し苦手意識があったという方も、ぜひこの機会に色々な調理法に挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、新たなシャンツァイの美味しさに出会えるはずです。
シャンツァイとパクチー、コリアンダーは同じ野菜でしょうか?
シャンツァイ、パクチー、コリアンダーは全て同じセリ科の植物を指します。これらの呼び名の違いは、主に地域や用途に由来します。シャンツァイは中国語、パクチーはタイ語(とベトナム語)、コリアンダーは英語圏での名称です。日本では、料理の種類や使用する部位によって使い分けられる傾向があります。
シャンツァイはどのように発音しますか?
シャンツァイは中国語を語源とする言葉で、「シャンツァイ」または「シャンサイ」と発音します。エスニック料理の分野では、「パクチー」という名前で呼ばれることも頻繁にあります。
シャンツァイ特有の香りとは、具体的にどのような香りですか?
シャンツァイの独特な香りは、ある人には「カメムシのよう」、また別の誰かには「洗剤のよう」と表現されることがあります。これは、シャンツァイに含まれる特定の化合物に起因するもので、強い爽快感と独特の風味を同時に持っています。この香りが、好みを大きく左右する要因となっています。
パクチーの旬はいつ頃ですか?
パクチーは通年で手に入りますが、露地栽培の最盛期は春先から初夏にかけてです。この時期のものは特に香りが高く、葉も柔らかいため、風味豊かでおすすめです。ハウス栽培も盛んなため、一年を通して市場に出回っています。
パクチーが苦手な場合、代わりに使える野菜はありますか?
パクチーが苦手な方や、手に入らない時に代用できる野菜はいくつかあります。同じセリ科の仲間であるセリやセロリの葉は、パクチーに似た風味を持っています。よりマイルドな風味を求めるなら、三つ葉やイタリアンパセリも良いでしょう。これらはパクチーほどの強い香りはありませんが、料理に彩りを添えてくれます。
パクチーの葉、茎、種はそれぞれどのように使えば良いですか?
パクチーの葉は、その強い香りを活かして、生で薬味やサラダとして使うのが一般的です。茎は、刻むことで香りがより引き立ち、加熱しても香りが飛びにくいため、炒め物やスープなどの煮込み料理に最適です。種(コリアンダーシード)は、乾燥させてスパイスとして利用します。葉や茎とは異なり、柑橘系のような爽やかで甘い香りが特徴で、料理の風味付けやスパイス調合に用いられます。













