リベリカ種とは - スイーツモール

リベリカ種とは

リベリカ種とは

コーヒーを深く愛しユニークな味わいを追求するすぐれたバリスタやコーヒー愛好家たちの間で特別な評価を受けているリベリカ種。この名前を聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、コーヒー豆の種類としてアラビカ種やロブスタ種に次いで重要視されています。それでも、このリベリカ種にはまだまだ知られざる魅力がたくさん存在します。今回の記事では、そんなリベリカ種の特徴やストーリー、その豊かな味わいに迫るため、詳しく探っていきましょう。

リベリカ種とは

リベリカ種というのは、コーヒー豆の三大原種のうちの一つで、アラビカ種やカネフォラ種(ロブスタ)と並び称されます。ただし、その存在感は少なく、全世界の流通量の1%以下しか占めていません。アラビカ種やロブスタ種という大物に比べると影が薄い存在ですが、その味や香りはコーヒー愛好家の間で高い評価を受けています。

リベリカ種のコーヒーツリーは、かなり大きくなるのが特徴で、6~9mにも成長します。その結果、収穫が難しく、一般的な大量生産には適していないという特徴があります。その豆も他の種より大きく、アーモンドのような形をしています。

リベリカ種の風味は独特で、口に含んだ瞬間に感じるなめらかさ、豊かな甘みとフルーティーな香りが特徴です。この果物を思わせる爽やかさは、一度は体験すべき一級品の美味しさと言えるでしょう。

その特異性ゆえに、リベリカ種の生産量は少なく、容易に手に入るものではありません。それは逆にその魅力を増しているとも言えます。手に入れるのが難しいからこそ、より一層その風味を味わい尽くす価値があると言えるでしょう。リベリカ種のコーヒー、それはまさにコーヒー愛好家だけの特権的な享受となることでしょう。

リベリカ種とは

リベリカ種の特徴

リベリカ種のコーヒー木はその育て易さから幅広い土地での栽培が可能です。その実は熟すと美しい赤や黄色に変わり、その個性的な豆の形状は、他の有名なコーヒー豆であるアラビカ種やカネフォラ種(ロブスタ)よりも大きいとされています。

しかしながら、コーヒーの実が完全に熟するまでの時間が長く、大木のための収穫には手間がかかり、さらにはさび病への抵抗力が弱いという特性も持っております。また、豆の大きさが均一でない点も生産量を抑える一因となっています。アラビカ種やカネフォラ種(ロブスタ)との比較では、風味もやや劣るとされており、その結果、その産出量は世界全体で見ても0.05%しかないという貴重な存在となっています。

しかしその独特の風味と希少性は、一度口にしたら忘れられない味わいをもたらします。鮮烈な風味を持ちつつも、焙煎後には独特の香りが立ち上がり、その味わいは他の種類とは一線を画しております。甘さが少なく苦味が強いと感じる人もいますが、それはおそらく、本当に良質なリベリカ種を試す機会が少ないからかもしれません。その風味を最大限に引き出すための深煎りを行う事で、まるでカラメルのような甘さを感じることもあります。その特異な風味と希少性から、リベリカ種はまさにコーヒーの中の珍品とも評されるでしょう。

リベリカ種とは

リベリカ種とアラビカ種やカネフォラ種(ロブスタ)との違い

コーヒー豆は主要にリベリカ種、アラビカ種、そしてカネフォラ種(ロブスタ)の3種類が存在しますが、それぞれには大きな違いがあります。

アラビカ種は最も流通量が多く、全世界のコーヒー生産量の約70%を占めています。これは高品質かつ繊細な風味が特徴で、香りも豊かです。そのため、この種類の豆を頂く際には、柔らかな酸味とバランスの良い風味が味わえます。しかしながら、栽培地は一般的に標高600m以上の高地でなければならず、栽培は困難で手間がかかるため、価格もそれに比例します。

一方で、カネフォラ種(ロブスタ)は、全世界の生産量の約30%を占め、大量生産に適しています。そのため価格は安めですが、比較的風味は乏しく、苦味が際立つことが特徴です。しかし、耐病性が強いため、アラビカ種とは異なり標高300mの低地でも栽培が可能です。特にアジア諸国、ベトナムではこの種類の栽培が多いです。

そしてリベリカ種。全世界の生産量のわずか1%未満しかない希少な種類ですが、大きな豆からは果実のような香りが感じられ、特異な風味が楽しめます。その栽培は熱帯地方、特に高温多湿の地域で行われています。

3種類のコーヒー豆それぞれには個性があり、栽培条件も異なります。それぞれの特性を理解して、一杯のコーヒーを選んでみてください。

リベリカ種の主な生産地

リベリカ種はその特異な香りと風味で一部のコーヒー愛好家に愛される種類のコーヒービーンで、アフリカのリベリアが原産地であるにもかかわらず、現在ではそこでの生産はほとんど行われていません。それではこれから、主要な生産地であるマレーシアとフィリピンのリベリカ種について詳しくご紹介します。

マレーシア

マレーシアでは一部の地域、特にジョホール州などで多くのリベリカ種が栽培されています。厳しい自然環境に適応したリベリカ種は、湿度の高い熱帯雨林で豊かな風味を発揮します。マレーシアのリベリカ種はその深みと独特の風味から、「エレファントコーヒー」というブランド名で市場に出され、日本でも一部で販売されています。

フィリピン

しかし、フィリピンもリベリカ種の主な生産地の一つです。ここでは一部地域でリベリカ種のコーヒーが栽培されており、その中でも特に有名なのが「バラココーヒー」です。このコーヒーはルソン島のバタンガス州や場所によって限定的に収穫されており、"強い"という意味を持つバラココーヒーは、バタンガス州で栽培されたリベリカ種だけが名乗ることが許されています。

リベリカ種のコーヒービーンは、その独自の風味と香りからこれらの地域特有の味わいが楽しめ、一部のコーヒー愛好家やプロの評価を引きつけています。特定の地域でしか体験できないこの味わいは、「味の宝石」のような貴重なものと言えるでしょう。

リベリカ種とは

フィリピンのリベリカ種「バラココーヒー」とは

フィリピン産のコーヒービーン「バラココーヒー」は、世界的に4つだけ存在すると言われる主要なコーヒービーンの種類「リベリカ種」に属し、他のアジア産のコーヒービーンとは異なった魅力をもっています。その大きく粗い形状はリベリカ種の特徴的な姿であり、さらにバラココーヒーは、その風味と香りに独特の印象を与える存在として、コーヒーファンたちからその特別性が認められています。

バラココーヒーには甘さを思わせるフルーツの香りがあり、その一方で酸味はほとんど感じられず、それでいて地味ながら強烈な苦味が特徴的です。また、他のコーヒーに比べてカフェインの含有量が少ないため、多くのコーヒーファンから手軽に楽しまれています。その独特な味わいは、フィリピンの火山性土壌と熱帯気候が生み出したものであり、この国の豊かな自然が見事に反映されています。

フィリピン独特のコーヒービーンであるバラココーヒーは、その風味は一度体験すれば忘れられません。まるで現地に訪れたような感覚を味わえます。その独特な魅力に一度、触れてみてはいかがでしょうか。

マレーシアのリベリカ種「エレファントコーヒー」

"エレファントコーヒー"と名の付く、マレーシア原産のリベリカ種コーヒー豆は、その象のような形状と一度飲んだら忘れられない味わいで親しまれています。世界ではわずか1%の生産量しかないとされるこのリベリカ種ですが、それこそがこのコーヒーの評価と人気の秘密でしょう。

このエレファントコーヒーは15~16世紀にインドネシアからマレーシアに渡り、1875年頃にはマレー半島南部での栽培が始まりました。地域の人々によって丁寧に栽培された彼のコーヒーは、その独特の風味が評価され現代でも息長く飲まれています。
エレファントコーヒーの風味はスパイシーでありながら、その口当たりはまろやかで甘みが感じられるなど深みのある一杯となります。深煎りすることでその風味とコクがひきたち、豊かな味わいが更に引き立ちます。
マレーシアでの一般的な飲み方も注目です。コーヒーブレンドは2度の焙煎が行われ、1度目は通常通りの焙煎、2度目は砂糖とマーガリンを加えて焙煎されます。その後ネルドリップで抽出し、砂糖とコンデンスミルクを加えるとエレファントコーヒーの真髄を味わうことができます。
ただし、エレファントコーヒーは日本への輸入が少量なため、なかなか出会うことは難しいかもしれません。一部のオンラインコーヒーショップで購入することができますが、必ず原産国がマレーシアで、コーヒー豆の種類がリベリカ種であることを確認の上、購入しましょう。

まとめ

リベリカ種のコーヒーは、その独特な風味と豊かな歴史により特別な評価を得ています。消費量は少ないものの、その持つ芳醇な香りと力強い味わいはコーヒー愛好家にとって新たな発見となるでしょう。まだ知らない、リベリカ種の世界へ、一歩踏み入れてみませんか?