チョコレートと聞いてまず思い浮かべるのは、その豊かな香りと口溶けの良さでしょう。そんなチョコレートの魅力をさらに引き立てる食材がトリュフです。この高級食材として知られるトリュフがチョコレートと出会うことで生まれる、贅沢なハーモニー。その深い味わいと芳醇な香りは、一度味わったら忘れられない体験を提供します。今回は、トリュフとチョコレートが織り成す甘美なコラボレーションの魅力について探っていきましょう。
トリュフショコラ
トリュフチョコレートとは、英語でChocolate truffleと呼ばれる種類のチョコレート菓子です。このデザートは、通常「トリュフ」として知られています。ガナッシュを3センチほどの球形にし、クーベルチュールチョコレートで包んだ後に、粉砂糖やココアパウダー、クラッシュしたヘーゼルナッツやアーモンド、ココナッツなどをまぶして作られます。これ以外にも、ガナッシュの代わりにクリームや生チョコレート、キャラメル、さまざまなナッツやベリー類を使うバリエーションもあります。また、ガナッシュの中にフルーツやヌガー、ファッジ、トフィー、ミント、チョコレートチップ、マシュマロ、酒類を混ぜることもあります。
その名前の由来は、高級食材のトリュフに形が似ているためです。

サマリー
1895年12月、フランスのシャンベリでN.Petruccelliがトリュフチョコレートを創作しました。このスイーツが世界中で知られるようになったのは、1902年にアントワン・デュフールが創業したチョコレートショップ『プレスタ』で取り扱われるようになってからです。『プレスタ』では、今もオリジナルレシピのトリュフを『ナポレオン三世のトリュフ』として提供しています。現在、アメリカントリュフ、ヨーロピアントリュフ、スイストリュフの3種類が人気です。
さらに最近では、ココナツオイル、生カカオ、ヤーコンシロップやアガベシロップを組み合わせた生トリュフも登場しています。
トリュフのガナシュには、しばしばウォッカ、ラム、ワイン、ブランデーなどのアルコールが香りづけとして加えられます。
トリュフチョコレートの大量生産では、ガナッシュを手作業で丸める工程の機械化が課題とされてきました。海外ではガナッシュを棒状に押し出して切り分けたり、ホイップクリームを絞るように平たい場所に落としてコーティングを施す方法などがありますが、これらは本来のトリュフの形状にはならないのです。日本では1990年代、ブルボンが先にハードチョコレートの殻を作り、ガナッシュを詰め込んでから貼り合わせることで球体のトリュフを商品化しました。