カヌレといえば、外はカリッと香ばしく、中はしっとりとした独特の食感が魅力のフランス伝統菓子。難しそうに感じるかもしれませんが、実はポイントを押さえれば家庭でも美味しく再現できます。今回は、ラム酒を使わないノンアルコールバージョンのレシピをご紹介。お子様やアルコールが苦手な方でも安心して楽しめる、やさしい味わいが特徴です。特別な道具がなくてもOK。初心者の方も気軽にチャレンジできる作り方で、あなたもカヌレマスターを目指してみませんか?
カヌレってどんなお菓子?

カヌレ(Canelé)は、フランス・ボルドー地方発祥の伝統的な焼き菓子です。正式には「カヌレ・ド・ボルドー」と呼ばれ、古くから修道院で作られていたといわれています。
最大の特徴は、外側がカリッと香ばしく焼き上がり、内側はしっとりもっちりとした食感のコントラスト。その独特な食感と、バニラやラム酒の芳醇な香りが魅力です。
その美しい焼き色と波打つ形状は、銅型で高温で焼き上げる伝統的な製法によるもの。現在では日本でも専門店が増え、おしゃれなスイーツとしてカフェやギフトでの人気も高まっています。
一見すると難しそうに見えるカヌレですが、材料は意外とシンプル。ポイントさえ押さえれば、家庭でも十分に美味しいカヌレを焼くことができます。
ラム酒なしでもカヌレは美味しい?
カヌレといえば、バニラとともにラム酒の香りが特徴的なお菓子ですが、実はラム酒を使わなくても十分に美味しく仕上がることをご存知でしょうか?
ラム酒の役割とは?
ラム酒は本来、焼き菓子にコクと芳醇な香りを加えるために使われます。カヌレにおいても、独特の甘くスパイシーな風味がアクセントとなり、大人向けの味わいに深みを与えています。
ノンアルコールでも楽しめる理由
ラム酒を使わない場合でも、バニラや牛乳、生地の焦がし香が合わさることで、十分に風味豊かに仕上がります。とくに焦げ目の香ばしさや、もっちりとした中の食感が際立つため、シンプルな味わいがより引き立つという声もあります。
代用できる香りの工夫
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バニラエッセンス:定番で失敗しにくく、香りに品があります。
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紅茶(アールグレイなど):風味に華やかさが出て、少し上品なアレンジに。
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キャラメルソースやはちみつ:コクを加える目的で少量混ぜ込むのも◎。
ラム酒なしのカヌレは、お子様や妊娠中の方にも安心して楽しめるレシピとしても人気。次は、そんなノンアルコールの簡単カヌレレシピをご紹介します。
初心者でも安心!ラム酒なしの簡単カヌレレシピ
カヌレは一見難しそうに見えますが、材料はとてもシンプル。ここではラム酒を使わない、やさしい味わいのレシピをご紹介します。基本を押さえれば、家庭のオーブンでも外はカリッ、中はしっとりの本格カヌレが作れます。
材料(約8個分)
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牛乳 … 250ml
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無塩バター … 15g
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薄力粉 … 50g
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グラニュー糖 … 100g
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卵黄 … 1個
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全卵 … 1個
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バニラエッセンス … 数滴(またはバニラビーンズ1/2本)
下準備
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牛乳とバターを鍋に入れ、沸騰直前まで温める。
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薄力粉はふるっておく。
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オーブンは230℃に予熱しておく。
生地作りのポイント
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ボウルに卵黄と全卵を入れ、砂糖を加えて泡立てないように混ぜる。
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薄力粉を加えて粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
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温めた牛乳を少しずつ加えながら混ぜ合わせる。
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バニラエッセンスを加え、こし器で漉す。
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生地を冷蔵庫で一晩休ませる(最低12時間)。
※この「生地を寝かせる時間」が美味しいカヌレの最大のポイントです。
焼き上げと型の工夫
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型にバターをしっかり塗り、生地を7〜8分目まで流し込む。
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230℃で10分焼き、表面がふくらんできたら200℃に下げてさらに50〜60分焼く。
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表面がしっかりとキャラメル色に焼けたら取り出し、型から外す。
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粗熱を取って完成。外はカリッ、中はもっちりのカヌレが味わえます。
ラム酒なしで広がるアレンジアイデア
ラム酒を使わないカヌレは、シンプルだからこそアレンジがしやすいのが魅力です。バニラの優しい香りをベースに、さまざまな素材を組み合わせることで、オリジナリティあふれるカヌレを楽しめます。
ミルクティー風カヌレ
牛乳を温める際にアールグレイなどの茶葉を加えて香りを移します。華やかな紅茶の香りが漂う、上品な味わいのカヌレに仕上がります。
チョコレートカヌレ
薄力粉の一部をココアパウダーに置き換え、生地にチョコレートを混ぜることで濃厚な味わいに。バレンタインやプレゼントにもおすすめです。
抹茶カヌレ
和風にアレンジするなら抹茶がおすすめ。苦味と香りが加わり、甘さが引き締まります。黒豆や小豆を添えるとさらに和テイストに。
キャラメルカヌレ
生地にキャラメルソースを少量混ぜ込むと、香ばしい甘みが加わり、焦がしカラメルの風味が際立ちます。
カヌレを美味しく仕上げるコツとは?
カヌレは材料自体はシンプルですが、仕上がりの美味しさを左右するのは「工程の工夫」です。初心者でも本格的に仕上げられるためのポイントをまとめました。
生地をしっかり休ませる
カヌレの生地は作ってすぐに焼くのではなく、最低でも12時間、理想は24時間冷蔵庫で休ませることが大切です。休ませることで粉と卵がなじみ、焼き上がりのしっとり感や香りが引き立ちます。
高温から低温へ温度を調整
最初は高温(約230℃)で表面を一気に焼き固め、その後200℃前後に下げてじっくり火を通すことで、外はカリッと、中はもっちりの理想的な仕上がりになります。
型の選び方と扱い方
本格的な銅型が理想ですが、シリコン型やアルミ型でも十分に作れます。型にはしっかりバターを塗ることが重要。バターの香ばしさが加わると同時に、焼き上がり後に型からきれいに外れやすくなります。
焼き色を恐れない
カヌレは表面がしっかりと焦げ茶色になるまで焼き込むのが正解です。見た目が少し濃いかな?と思うくらいが、カリッと香ばしく、風味豊かに仕上がります。

まとめ:ラム酒なしでも満足!気軽に楽しむカヌレ作りのすすめ
カヌレは、外はカリッと、中はしっとりもっちりとした食感が魅力のフランス菓子。ラム酒を使わなくても、バニラや紅茶などで風味を引き立てれば十分に本格的な味わいに仕上がります。生地を休ませる時間や温度管理など、ちょっとしたコツを押さえれば、初心者でも家庭で楽しめる贅沢スイーツに。
今日からあなたも、おうちで気軽に“カヌレ作り”に挑戦してみませんか?
ラム酒なしで作ると風味が物足りなくなりませんか?
バニラや紅茶、キャラメルソースなどを加えることで十分に風味豊かに仕上がります。むしろ素材のシンプルな甘さが際立ちます。
生地を休ませる時間は短縮できますか?
可能ですが、12時間以上寝かせた方が粉と卵がしっかりなじみ、食感も香りも良くなります。時間に余裕があるときはぜひ一晩休ませましょう。
型は銅製でないとダメですか?
銅型が理想ですが、シリコンやアルミの型でも十分作れます。大切なのは、バターをしっかり塗ってから生地を流すことです。
焼き時間が長くて焦げそうで心配です。
カヌレはしっかりとした焦げ茶色に焼き上げるのが正解。焦げるのではなく「カリッと香ばしい仕上がり」になります。表面が濃い色になるまでじっくり焼きましょう。
保存方法はどうすればいいですか?
常温では翌日まで、冷蔵で2〜3日程度が目安です。トースターで軽く温めると外側のカリッと感が戻ります。