お菓子作りに使うラム酒とは?種類や選び方・風味の違いをわかりやすく解説
お菓子のレシピに「ラム酒」と書かれているけれど、どんなお酒なのかよくわからない……そんなふうに感じたことはありませんか?ラム酒はサトウキビを原料とした蒸留酒で、バニラやカラメルのような甘い香りが特徴。洋菓子に使えば、風味を豊かにしてくれる頼もしい存在です。とはいえ、種類もいろいろあって、どれを選べばいいのか迷ってしまうことも。 この記事では、製菓に使いやすいラム酒の特徴や種類、選び方をやさしく解説。お菓子作り初心者の方にもわかりやすく、ラム酒の魅力を丁寧にお伝えします。

ラム酒ってどんなお酒?


サトウキビから作られる蒸留酒

ラム酒は、サトウキビを原料にして作られる蒸留酒です。サトウキビの搾り汁や糖蜜(モラセス)を発酵・蒸留し、さらに熟成させて仕上げます。そのため、ほんのりとした甘さやトロピカルな香りが感じられるのが特徴です。
世界中の温暖な地域、特にカリブ海諸国や中南米で広く生産されており、その土地ごとの風土や製法によって、味わいや香りにもバリエーションが生まれています。

独特の甘い香りと豊かな風味が特徴

ラム酒の最大の魅力は、バニラやカラメル、ドライフルーツのような香りと、ふくよかな甘みのある味わいです。これは、サトウキビ由来の糖分や、樽での熟成によって引き出される成分によるものです。
この風味が洋菓子との相性抜群で、ラムレーズンやパウンドケーキ、チョコレート菓子など、香りを引き立てたいスイーツにぴったりです。

お菓子作りにラム酒を使う理由

風味づけ・香りづけとしての効果

お菓子にラム酒を加えることで、豊かな香りと奥行きのある風味を演出できます。特に、焼き菓子やクリーム、チョコレートを使ったスイーツに少量加えると、甘さに深みが出て、大人っぽい味わいになります。
アルコール自体は加熱調理や時間経過によってほとんど飛ぶため、香りだけを活かすことができ、食べやすく仕上がります。ラム酒は「隠し味」として使っても存在感があり、スイーツの印象をぐっと引き締めてくれるのです。

洋酒を使う定番スイーツの例

ラム酒は、さまざまな洋菓子に使われています。代表的なものとしては以下のようなスイーツがあります。
  • ラムレーズン:レーズンをラム酒に漬け込んだもので、アイスやクリームに混ぜると濃厚な味わいに。
  • ババロアやムース:ミルク系の優しい風味にラム酒の香りを加えることで、上品な印象に。
  • パウンドケーキやフルーツケーキ:生地に加えるだけでなく、焼き上がりにラム酒をしみ込ませることで、しっとりと仕上がります。
  • チョコレートトリュフ:ラム酒を加えると、カカオの風味がより引き立ちます。
このように、ラム酒は洋菓子において「香りの演出家」として重宝されています。

ラム酒の種類と風味の違い

ラム酒にはいくつかの種類があり、それぞれ風味や色合いが異なります。お菓子作りの目的に応じて選ぶことで、より理想的な味わいに仕上げることができます。

ホワイトラム(軽やかな香り)

ホワイトラムは無色透明で、比較的クセが少なく、すっきりとした味わいが特徴です。熟成期間が短い、または活性炭でろ過して色を取り除いたものが多く、カクテルなどにもよく使われます。
お菓子作りでは、ムースやゼリーなど繊細な風味を大切にしたいデザートに適しています。香りが控えめなので、素材本来の味を引き立てたいときにおすすめです。

ゴールドラム(まろやかなコク)

ゴールドラムは、ホワイトラムよりも少し色づいていて、軽く熟成されているタイプです。バニラやカラメルのような甘い香りと、まろやかな味わいが特徴です。
焼き菓子やクリームに加えると、リッチで奥行きのある風味に仕上がります。クセが強すぎないため、初心者にも扱いやすいラム酒です。

ダークラム(濃厚な甘みと深み)

ダークラムは長期間熟成され、色も濃く、風味が非常に豊かです。黒糖やスパイス、木樽の香りが感じられ、甘さにも深みがあります。
チョコレート菓子やフルーツケーキなど、味にしっかりとした主張があるスイーツとの相性が抜群です。大人向けのデザートを作るときに使うと、印象的な香りを残すことができます。

お菓子作りにはどのラム酒を選べばいい?

初心者におすすめのラム酒

お菓子作りに初めてラム酒を使うなら、クセが少なく使いやすいゴールドラムがおすすめです。バニラやカラメルのような香りがほんのり香り、焼き菓子やクリームに加えるだけで、手軽にプロのような風味に近づけます。
具体的な商品名で言えば、「マイヤーズ」や「バカルディ ゴールド」などが製菓用としても人気があります。スーパーやネットショップで手に入りやすいのも嬉しいポイントです。

製菓用ラム酒と飲用ラム酒の違い

市販されているラム酒には、「製菓用(洋酒)」として売られているタイプと、「飲用(スピリッツ)」として売られているタイプがあります。
製菓用ラム酒は、風味づけに特化していて香りが立ちやすく、価格も手頃。一方、飲用ラム酒はそのまま飲むことを前提に作られており、品質や風味に深みがあります。
お菓子作りではどちらも使えますが、特にこだわりたい場合や、仕上がりの香りに差を出したいときは飲用タイプの良質なラム酒を選ぶと、より上品に仕上がります。

アルコールを飛ばす使い方のコツ

ラム酒を使うときに気になるのが、アルコールの残り具合。お子さまやアルコールに弱い方が食べる場合は、加熱してアルコールを飛ばすのが安心です。
たとえば、ラム酒を生地に加えるときは、あらかじめ鍋や電子レンジで軽く煮立たせてから使うと、香りは残しつつアルコール分だけを飛ばすことができます。また、ラムレーズンなど漬け込み用として使う場合も、加熱処理すれば安心して使えます。

ラム酒を使った簡単スイーツレシピ

ラム酒は、お菓子に加えるだけで香りと味わいに深みをプラスできる優秀な素材です。ここでは、初心者でも手軽に作れるラム酒を使ったスイーツレシピを3つご紹介します。ちょっとした工夫で、いつものお菓子がぐっと本格的な味わいに仕上がります。

ラムレーズンの作り方

材料

  • レーズン…100g
  • ラム酒(ゴールドまたはダーク)…100ml
  • 保存瓶(煮沸消毒済み)…1個

作り方

  1. レーズンは熱湯でさっと湯通しして水気をよく拭き取る。
  2. 瓶にレーズンを入れ、ひたひたになるまでラム酒を注ぐ。
  3. 蓋をして冷暗所で保存。2〜3日から風味が馴染み、1週間以上漬けるとより美味しくなる。
※ヨーグルトやアイス、パン、パウンドケーキの具材にも活用できます。

ラム香るチョコトリュフ

材料(約15個分)

  • ビターチョコレート…100g
  • 生クリーム…50ml
  • 無塩バター…10g
  • ラム酒…小さじ1〜2
  • ココアパウダー…適量

作り方

  1. チョコを細かく刻んでボウルに入れる。
  2. 鍋で生クリームを沸騰直前まで温め、チョコに注いで溶かす。
  3. バターとラム酒を加えて混ぜ、冷蔵庫で1〜2時間冷やす。
  4. スプーンで取り分けて丸め、ココアをまぶす。
※ラム酒を加えることで、風味がぐっと大人の味に。

ラム酒入りしっとりパウンドケーキ

材料(パウンド型1本分)

  • 無塩バター…100g
  • 砂糖…80g
  • 卵…2個
  • 薄力粉…100g
  • ベーキングパウダー…小さじ1
  • ラムレーズン…50g(ラム酒ごと)
  • ラム酒(仕上げ用)…大さじ1

作り方

  1. バターと砂糖をすり混ぜ、溶き卵を少しずつ加える。
  2. 薄力粉とベーキングパウダーをふるい入れ、さっくり混ぜる。
  3. ラムレーズンを加えて混ぜ、型に流し入れる。
  4. 170℃に予熱したオーブンで約40分焼く。
  5. 焼き上がりにラム酒を刷毛で塗り、ラップで包んで一晩寝かせると、よりしっとり仕上がる。

まとめ|ラム酒でお菓子作りをもっと楽しく

ラム酒は、甘い香りと深いコクでお菓子作りをワンランクアップさせてくれる魅力的な素材です。ホワイト、ゴールド、ダークといった種類ごとに風味が異なり、スイーツに合わせた使い分けが楽しめます。初心者でも扱いやすく、ラムレーズンやトリュフ、パウンドケーキなどに少し加えるだけで香り豊かに仕上がります。アルコールが気になる方も加熱すれば安心。製菓用として手軽に使えるラム酒を、ぜひあなたのお菓子作りに取り入れてみませんか?あなたのスイーツに、ラム酒の香りというひとさじの魔法を。ぜひ今日から試してみてください。

ラム酒はスーパーでも買えますか?

はい。一般的なスーパーや酒販店、製菓材料店で購入できます。小瓶の製菓用ラム酒は手軽に試せておすすめです。

製菓用ラム酒と普通のラム酒、どちらが良いですか?

どちらも使えますが、より香りにこだわるなら飲用ラム酒がおすすめです。製菓用は価格が手頃で初心者にも扱いやすいです。

子どもが食べても大丈夫ですか?

加熱すればアルコール分はほとんど飛びますが、心配な場合は必ず加熱して使用しましょう。冷菓には注意が必要です。

ラム酒はどのくらい日持ちしますか?

アルコール度数が高いため、開封後も長期間保存可能です。直射日光を避けて冷暗所で保管してください。

他のお酒で代用できますか?

ブランデーやコアントローなどで代用は可能ですが、ラム酒ならではの甘く豊かな香りは他ではなかなか出せません。



ラム酒