エチオピアは「アラビカ種の起源」として知られ、コーヒー発祥の地とされています。ここではコーヒーが日常生活に深く根付いており、数多くの伝説や文化とともにその歴史が紡がれてきました。特に有名なのは、山羊飼いのカルディがコーヒーの興奮作用を発見したという物語です。エチオピアの南西部、カファ地方がアラビカ種発祥の地とされ、「コーヒー」の名前の由来にもなったと言われています。この国は、コーヒーの歴史と文化を語る上で欠かせない重要な場所です。
コーヒー発祥の地、エチオピア
エチオピアは「アラビカ種の起源」と呼ばれるコーヒー発祥の地であり、コーヒー文化はエチオピア人の生活に深く根付いています。キリスト教圏では、山羊飼いのカルディがコーヒーの興奮作用を発見した伝説が有名で、この地で初めて発見されたアラビカ種は世界中に広がりました。南西部のカファ地方がアラビカ種発祥の地とされ、「コーヒー」の語源になったという説もあります。エチオピアは、コーヒーの歴史を語る上で欠かせない国なのです。
エチオピアという国について
エチオピア連邦民主共和国は、アフリカ大陸の北東部に位置する内陸国で、エリトリア、ジブチ、ソマリア、ケニアを含む周辺地域を指して「アフリカの角」と呼ばれています。国土面積は日本の約3倍で、平均標高約1,700mのエチオピア高原(アビシニア高原)が国土の半分を占めています。グレートリフトバレー(大地溝帯)によって高原は東西に二分され、コーヒーの産地は主に南西部ですが、北東部のハラールでも古くから生産されています。人口は約1億1,787万人とアフリカ大陸ではナイジェリアに次ぐ規模で、オロモ人、アムハラ人、ティグライ人、ソマリ人など約80の民族からなる多民族国家です。公用語はアムハラ語、オロモ語、英語などが使われています。
エチオピアの歴史的背景
1936年から1941年を除き、エチオピアはイタリアによる植民地支配を受けませんでしたが、独立を維持し続けました。19世紀にアフリカの多くの国が植民地化される中で独立を保ったため、エチオピアは「一度も植民地になったことがない国」とされ、国民の誇りとなっています。
エチオピアの食文化とコーヒー
エチオピアの人々の主食は「インジェラ」です。粉末にしたイネ科の穀物「テフ」を水と混ぜて3日間発酵させ、クレープ状に焼き、具材をつまんで食べる国民食です。独特の香りと乳酸菌による強い酸味が特徴で、肉や野菜を辛く煮込んだスパイシーなシチュー「ワット」などとともに味わいます。また、エチオピアのコーヒー文化を語る上で欠かせないのが、コーヒーセレモニー「カリオモン」です。「カリ」は「コーヒー」を、「オモン」は「一緒に」を意味し、客をもてなすエチオピア流のお作法です。女性が中心となって行うコミュニケーションツールとして古くから大切にされてきました。
エチオピアコーヒーの特徴
エチオピアはアフリカNo.1のコーヒー生産国であり、2020年の生産量は年間58万トンで世界第5位です。代表的なブランドは、ハラール、シダモ(イルガチェフェ、グジを含む)、リム、ジンマ、カファ、レケンプティの6つです。これらの地域で栽培されるコーヒーは、それぞれ独特の風味と特徴を持っています。南部のオロミア州ジンマ地方にある手つかずの自然森「ベレテの森、ゲラの森」では、品種改良がなされていないコーヒーが自生しており、これらの森で収穫されるコーヒーは「フォレスト・コーヒー」と呼ばれています。また、21世紀に入ってからオークションで高値が付くなどして注目が集まった品種「ゲイシャ」は、エチオピアのゲシャ村が原産です。

栽培方法と精製方法
エチオピア高原は平均標高1,700m、高いところでは2,000mを超えるエリアでもコーヒーが栽培されています。農園ではなく、「ガーデンコーヒー」と呼ばれる庭先にコーヒーの木を植える小規模生産者が多いことが特徴です。品種が混在しているため、豆の形や大きさにばらつきが見られます。一般的に、エチオピア・モカはコーヒーチェリーの果肉を付けたまま天日乾燥させる伝統的な精製方法「ナチュラル」が用いられます。乾燥に2週間以上を要しますが、雨季と乾季がはっきりと分かれているエチオピアでは、コーヒーの収穫期に乾季を迎えるため、品質が安定します。「ナチュラル」で精製されたコーヒーは、ベリーや赤ワイン、スパイスなどの風味が感じられます。果肉を剥き水洗したのちに乾燥させる「ウォッシュド」という製法も用いられ、「ウォッシュド」で精製したコーヒーは、ブラックティーやジャスミンなどの繊細な風味になります。
味わいと等級
エチオピア・モカは、独特の風味と香りが特徴で、フルーティーな酸味やフローラルな香りが楽しめます。等級は、欠点豆の混入率によって決まり、良い順にG1、G2と分けられます。輸出規格はG5までです。
コーヒーの歴史
コーヒー文化の歴史は、コーヒーが産地のエチオピアからアラビアへ輸入された11世紀に遡ります。イスラム教ではワインが禁止されていたため、ペルシャ人はコーヒーの滋養強壮作用を高く評価しました。「コーヒー」の語源は、古代アラビア語の「カフワ」と言われています。15世紀後半にはメッカやマディーナを経由してアラビア王国へ、1510年にはカイロにも伝わりました。16世紀前半にはオスマン帝国によって存在感が高まり、アラビア、小アジア、シリア、エジプト、東南ヨーロッパで重要な役割を果たすようになりました。1530年と1532年には、ダマスカスとアレッポに初めてのコーヒー店が誕生しました。西ヨーロッパに初めてコーヒーが伝わったのは1615年で、ベネチアの商人が持ち帰ったと言われています。
現代のコーヒー事情
20世紀初頭にはブラジルが世界最大のコーヒー生産国となり、現在ではほぼすべてのコーヒーが中米、ブラジル、南米の熱帯地域で産出されています。全世界の生産量は年間約1億袋相当で、ブラジルが全体の4分の1を占めています。当初は各家庭で焙煎していましたが、やがて商品化が進み、1901年に日本人の加藤サトリ博士が溶解性の粉状コーヒーを発明、1938年にはネスレ社がソリュブルコーヒー(インスタントコーヒー)市場を確立しました。
まとめ
コーヒー発祥の地エチオピアから、その歴史、特徴、楽しみ方までご紹介しました。エチオピアコーヒーの奥深さを知り、日々のコーヒータイムをより豊かなものにしていただけたら幸いです。ぜひ、様々なエチオピア産コーヒーを試して、その個性的な風味を堪能してみてください。
質問1:エチオピアを代表するコーヒーの銘柄は?
回答:ハラール、シダモ(イルガチェフェ、グジを含む)、リム、ジンマ、カファ、レケンプティなどが代表的なブランドです。
質問2:エチオピアコーヒーの一般的な精製方法は?
回答:エチオピア・モカは、コーヒーチェリーの果肉を付けたまま天日乾燥させる伝統的な精製方法「ナチュラル」が用いられることが多いです。
質問3:コーヒーという名前の由来は?
回答:コーヒーの名称には、いくつかの説が存在します。有力な説としては、エチオピアの南西部に位置するカファ地方が起源であるというものと、古くのアラビア語でコーヒーを意味する「カフワ」に由来するというものがあります。